KYUSYU STREETBALL × MAMUSHI GO -Part 2-
昨年の春先からほぼ壊滅状態となったストリートボールのイベント。
この半年間といえば、鉄壁の感染対策と無観客配信にて行われる3×3の大会が主な活動の場となっていました。
そして全日本待望、GW開催が決まった2年ぶりの代々木公園での「ALLDAY」が痛恨の延期に。打ちひしがれていた最中の一報、MAMUSHIからの“大分でストリートボールがあります”。
こちらは即“行きます”でしたね。
諸国漫遊「MAMUSHI GO」。今回の大分大火編で自身に課したミッションは以下でした。
①未開のコートでMAMUSHIがそのスキルを存分に披露できるようにサポートする
②会場費や渡航費などあらゆる費用を負担するMatsuken氏に“呼んで良かった”と心から思ってもらう
③大分県、そして九州のストリートボールのターニングポイントとなる2日間にする
勝手にこのような任務を背負って、一人鼻息荒くして運命の週末に備えておりました。③はなかなかハードルが高いですね。
昨年から現場の数が圧倒的に少なくなったからこそ、毎回を丁寧に、そして反省と改善に取り組めるようになりました。
この場面ではもう2秒早く曲を変えた方がいいな、
この局面では30%音量を下げた方がいいな、
この時間帯ではMCの情報量が多くなるだろうからボーカルなしの曲の方がいいな、
例えばこんな細かすぎて伝わらないブラッシュアップに秘密裏に励んでいます。
そんなこの1年の試行錯誤を全て反映させた現状最高のDJプレーをすると心に誓い、行きの機内でも着陸体勢寸前まで選曲を詰め、万全の状態にて九州の地に降り立ったのでした。
世の情勢の変化により、残念ながら無観客開催になってしまいましたが、それすら含めて、会場は完全なるストイックなストリートボール空間。
映像も照明も特効も黄色い声援もなし、ストリートボールのミニマムにして完成形、タフゲームとMCとDJのみです。
顔見知りもいない久々のアウェー感に、機材セッティングをしながら静かに高揚していましたね。
この企画とはMAMUSHIが全国のストリートボールに出会う旅。そしてその中には、彼なりのある種の実験もあると解釈していました。
『どんなプレイグラウンドであっても、要素さえ揃ったのなら、最上級のストリートボールは生まれるのか』
その要素とは前述した、タフゲームとMCとDJであり、日本が世界に誇るストリートボール「ALLDAY」もそれのみで脈々と行われています。
そしてMatsuken氏による巧みなイベント構成により、濃厚な2日間を無事完走。
全てが終わった頃には、滞在中ずっとぐずついていた空も晴れ渡り、夕暮れの風が心地よかったです。
その詳細はMAMUSHIによるPart 1にありますが、結果として実験は成功だと思っています。そこには本物のストリートボールが生まれていましたね。MAMUSHI GO初回にして、最良の内容になったのではないでしょうか。
いざイベントが始まると、選手達は勿論、MAMUSHIもそして自分自身も、“こういう空気感になるんだな”と手探りな立ち上がりでしたが、各人が徐々に心も身体を解放し、生き生きとしていく過程はとてもスリリングでした。カメラマンの方も選手達の表情が普段と明らかに違うとレンズ越しに感じていたそうです。しめしめですね。
“MCのいい練習になる”と1日目が終わった時点でMAMUSHIが言っていましたが、長年彼のMCを聞いてきた身からすると、その「STREETBALL MC」としての実力が存分に披露された2日間でした。
最近は競技である3×3の現場が多く、そちらは着席してのMC、内容もアナウンス要素が多いので、一旦こうして身も言葉も完全に自由になると、多彩で高次なMCスキルを途切れなく出せるのだなと改めて感服したのでした。
その代償に、両日とも全身汗びっしょりになっていましたね。さぞサウナは気持ち良かったことでしょう。
九州の同世代の仲間達、U-LAW、YOHEI、M21らの“殺しても死なないストリートボールゾンビ”ぶりを見れたのは嬉しい限りでしたが、MAMUSHIの言葉に後頭部を小突かれて、次第に瞳孔が開いていく地方の選手達を見れたのが何よりの収穫でした。若手も中堅もベテランも、四肢の筋肉だけじゃなく、睨めつけたりドヤ顔したり爆笑したりと、表情筋もフル稼働していましたね。
行く前に勝手に掲げた3つのミッション。
イベント後のMAMUSHIとMatsuken氏の会話から、どうやら①と②はなんとか達成できたみたいです。
この場を借りまして、2人とも素晴らしい機会をありがとうございました。次行った際は、松岡家の猫達とももっと仲良くなりたいと思っています。
そして肝心の③に関しては、あの場にいた面々のこれからの活躍と、数年先の九州ストリートボールシーンが、その結果を知らせてくれるでしょう。彼らなら時間の問題ですね。
- KYUSYU STREETBALL × MAMUSHI GO -Part 2-
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TEXT by DJ MIKO
PHOTO by yuka
ORGANIZED by 松岡 健太郎 a.k.a Matsuken
KYUSYU STREETBALL × MAMUSHI GO -Part 1-