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  • 2025.10.02

MINAKAMI TOWN(男子)とUENOHARA SUNRISE(女子)が「Red Bull Half Court Japan 2025」で優勝…ドバイの世界大会へ

レッドブルが主催する3×3のグローバルトーナメント「Red Bull Half Court」(RBHC)の日本代表チーム決定戦「Red Bull Half Court Japan 2025」が9月20日、21日の2日間にわたってlivedoor URBAN SPORTS PARKで開催された。2021年に日本へ初上陸し今年で5度目。11月にアラブ首長国連邦で開催される「Red Bull Half Court World Final」への出場権を獲得したのは、男子のMINAKAMI TOWNと、女子のUENOHARA SUNRISEである。ともに今シーズン、国内シーンで結果を残す中で、世界大会の切符をたぐり寄せた。


昨年のWorld Final出場チームを撃破したMINAKAMI TOWN

男子カテゴリーを制したMINAKAMI TOWNは、渡邉陸、ミロシュ・チョイバシッチ、加藤英寿、新保圭都の4名で今大会に出場。予選では19-7でFLAG CITY TOKYOを、21-4でADDELM ELEMENTSを圧倒すると、準々決勝でCHIGASAKI STARSに21-8で快勝し、準決勝ではDIOREX TOKYOを13-5で下して決勝へ。最後は、昨年の日本予選を制してWorld Finalで4強入りしたHIU ZEROCKETSを8-7という大接戦の末に下した。

試合後、渡邉は「MINAKAMI TOWNは世界大会に行くという目標を持って日々活動しているチームなので、一つ目の通過点をクリアできたのは良かったと思います」とコメント。ただ、今後に向けて「世界大会に出て終わりではないとみんなでよく話しています。海外で勝つところに意識を向けて、またイチから頑張りたい」と早くも気を引き締めた。

MINAKAMI TOWNは今シーズンで結成8シーズン目を迎えて、春先から結果を残している。3人制グローバルプロリーグ「3×3.EXE PREMIER 2025 JAPAN」でレギュラーシーズン4位(36チーム中)という好成績を収め、7月には「3x3UNITED 2025-2026 FIRST HALF TORNAMENT」で優勝を飾って世界大会の出場権を獲得している。渡邉は「先週も中国のトーナメントに出場して、今までやってきたことが少しずつ積み上がってきました。その中で今年から入ったミロシュを含めて、僕らが積み上げてきたパッションに共感してくれて、良いチームワークが生まれて、PREMIERもラウンド優勝ができていると思います」と振り返った。

また、この日のメンバーでは渡邉がチーム所属最長の5シーズン目。これまで大塚俊、日下謙人といったベテランたちが常にチームの顔であったが、この日は渡邉が土壇場でチョイバシッチの決勝点を演出するなど、中心選手として活躍を見せた。頼りになる選手になってきた印象もあるが、本人はやや控え目に「MINAKAMI TOWNは2人(=大塚・日下)が積み上げてきたチームで、僕が入ったときは花野(文昭)さん(=FLOWLISH GUNMAオーナー兼ヘッドコーチ)さんもいて、色々と学ばせていただきました。選手の入れ替わりもある中で、ここでやらせてもらっているので、少しでも結果で恩返しできたら良いなと思って頑張っています」と語る。コート上ではハンドラーとして落ち着いたプレーが随所に光っており、今後はチームを背負って立つような選手へ成長が期待される。


UENOHARA SUNRISEが優勝!八木・吉武は3度目の世界へ

一方で、女子カテゴリーではUENOHARA SUNRISEが頂点に立った。八木希沙、吉武忍、田中真琴、遠藤桐の布陣で臨み、予選でWINDOW WINGSを21-7、ST-KASUMI.EXEを14-11で下して決勝トーナメントへ。準決勝ではSHINJUKU giversを19-11で下すと、決勝では再びST-KASUMI.EXEと対戦し、9-7という接戦を制した。

チーム設立初年度で世界大会への切符を獲得したUENOHARA SUNRISEだが、八木と吉武はRBHCの経験者たち。2022年にはG-FLOWで、2024年にはTOKYO VERDYとしてWorld Finalで世界王者になった実力者だ。とは言え4名のロスターの内、遠藤は今シーズンから本格的に3×3に取り組んだ選手であり、田中はキャリア初の3×3だという。シーズン当初は、上手くいかない大会もあった。

だが、チームとして勝ったり負けたりを繰り返しながら、ようやく良い流れをつかめてきた。「3×3.EXE PREMIER 2025 JAPAN」では8月30日のレギュラーラウンド最終戦を勝ち切ってレギュラーシーズン1位に立ち、9月15日に開催された3×3日本選手権山梨予選で延長戦の末にGRAYSを撃破。今大会はついに世界への挑戦権もつかんだ。八木は「半年ぐらい戦ってきて良い感じになってきました。きょうの決勝も追いつかれて厳しい展開だったけど、勝負強さが出てきたと思っています。優勝してドバイに行けるより、このチームで結果を出せたのが嬉しいですね」と明かした。

また、3×3経験者が少ない中で結果が出始めている理由を問うと、八木は「ディフェンスとルーズボールをやり切ろうと言って、それができた試合は勝てる頻度が高くなってきました。強さというより、チームとしてはまっている感じがある」と説明。さらにこうも付け加えた。底抜けに賑やかな雰囲気は、躍進の原動力である。

「結局、ムードメーカーキャラが多いんです。MBTIだと、私たちは、ほぼほぼエンターテイナーなんです(笑)。だから(チームの雰囲気が)暗くなることはあまり無いですし、桐ちゃんが相当な陽キャなんです。それがあるから、桐ちゃんにやらせるところはやらして、他のところは(3人で)頑張ってというか、チームとしてのまとまり、みんながみんなの役目をやりきっているのも、良い結果につながっている理由だと思います」


大一番は、11月27日から29日にドバイで

そんな日本の代表チームたちが駒を進める「Red Bull Half Court World Final」は11月27日から29日にかけて、アラブ首長国連邦のドバイで開催される。これまで日本勢の活躍は目覚ましく、女子の2022年と2024年の快挙のほか、2023年もFLOWLISH GUNMAが準優勝。男子は2022年にBEEFMANが準優勝を果たし、2023年も8強入り。2024年にはHIU ZEROCKETSがベスト4に食い込んだ。

MINAKAMI TOWNの渡邉は、初のWorld Finalに向けて「大塚さん、健人さんが持っている“熱”をしっかりと僕らも持って、ディフェンスやリバウンド、ルーズボールなど球際で粘り強く戦うことを、世界相手でもやらないといけない」と意気込む。八木は吉武とともに頂点に立つ喜びを知っているだけに「世界大会での優勝を2人(=田中・遠藤)には味わってほしいです。あとは世界大会へ行くともっとタフな戦いが待っているので、それも感じてほしい。そんな経験も踏まえてみんなで結果を出せたらいいなと思います」と語った。

今秋もWorld Finalで日本勢が世界を沸かす姿が楽しみだ。

Red Bull Half Court Japan 2025

TEXT by Hiroyuki Ohashi
PHOTO by Red Bull

https://www.redbull.com/jp-ja/events/red-bull-half-court

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