アジアNo.1を決める「FIBA 3×3 Asia Cup 2024」…3×3日本代表もいよいよ初戦へ
3月27日より、3×3アジアNo.1を決める「FIBA 3×3 Asia Cup 2024」が開催中だ。男子23カ国、女子20カ国が今年もシンガポールに集結して、しのぎを削っている。女子の優勝候補筆頭は2連覇を狙うオーストラリア。昨年の大会MVPであるMarena Whittle(#21)は、注目選手だ。5人制ではスペインリーグのエストゥディアンテスに所属して馬瓜ステファニーのチームメイトでもある。
一方で、男子は混戦模様が予測される。昨年、王座奪還を遂げたモンゴルは日本とゆかりのあるAnand Ariunbold(#5)がエントリーしたものの、残りの3名は初の同国フル代表を務める選手たち。準優勝のオーストラリアも顔ぶれが大きく変わっている。ただ、ニュージーランドは昨年3位に食い込んだロスターをキープしただけに、経験値で一枚上手か。クラブレベルで国際大会の経験を積んだ選手たちがそろった中国も楽しみなところだ。
6年ぶりのメダル獲得を狙う男子代表
そんな中、予備予選を免除された男女の3×3日本代表も、いよいよ今日30日(土)に大会初戦となる本選の予選Poolに挑む。まずは3チーム総当たり戦で上位2位以内に入って、31日(日)の決勝トーナメントへ駒を進めたい。5月に控えるパリ五輪予選では強豪国と戦うだけに、今大会はその前哨戦になる。
とりわけ、男子代表は銅メダルを獲得した2018年大会以来のメダル獲得を狙えるメンバーがそろった。#1 トーマス・ケネディ(201㎝ / 茨城ロボッツ)、#2 落合知也(195㎝ / ALPHAS.EXE)、#3 保岡龍斗(188㎝ / 秋田ノーザンハピネッツ / ALPHAS.EXE)の3人は、昨年の「FIBA 3×3 World Cup 2023」の出場選手であり、同大会でフル代表史上初の予選Pool突破を達成。初代表の#4 斉藤諒馬(193㎝ / 横河電機 / UTSUNOMIYA BREX.EXE)も、2023シーズンは3×3クラブ世界No.1を決めるツアー大会「FIBA 3×3 World Tour Masters」や「FIBA 3×3 Challenger」に多数出場するなど、国際大会の経験を十分に積んできた。
男子代表は生命線となる2ポイントシュートを、ケネディや保岡を中心に射抜けるか。先のWorld Cupでは、ケネディが42%(成功11本/試投26本)、保岡が43%(成功6本/試投14本)という高い成功率だっただけに、高温多湿のシンガポールでも同水準を再現できればとメダルが見えてくる。対戦相手の2ポイントシュート封じに対しても、落合を中心に1点を取り切るプレーをチームでメイクしたい。そして斉藤がディフェンスで見せ場を作れば、日本に勢いが出るはずだ。
30日の予選Poolでは、初戦で予備予選を勝ち上がってきたオーストラリア、第2戦でフィリピンと対戦する。6年ぶり2度目のメダル獲得へ。成し遂げられるメンバーが、いまシンガポールにいる。
フレッシュな女子代表…どこまで仕上がるか
一方で、女子代表はフレッシュな顔ぶれがそろった。今大会が3x3公式戦デビューとなる#4 古木梨子(158㎝ / 東京医療保健大学 / トヨタ自動車 アンテロープス)をはじめ、#2 金田愛奈(175㎝ / シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)は、今大会が公式戦2度目。昨年の「FIBA 3×3 Women’s Series Baoding Stop 2023」以来の3×3となる。#1 千葉歩(167㎝ / 東京羽田ヴィッキーズ)と、#3 栗林未和(188㎝ / 東京羽田ヴィッキーズ)は3x3の公式戦出場歴を見返すと、約5年ぶりとなる。
ただ、千葉は2019年に当時SEKAIEというチームの一員として、「3×3.EXE PREMIER 2019」の女子カテゴリーでレギュラーシーズン1位に貢献するなど、3人制の経験者。栗林は「FIBA 3×3 World Cup 2019」の代表選手であり、2018年には「FIBA 3×3 U23 World Cup」で世界2位になった。
それでも、この4人で挑む公式戦は初めて。今大会と、Wリーグのプレーオフ開催時期が重なっている影響もあってか、今年に入って2度開催された代表合宿からの選出は古木と金田のみ。女子代表は過去2年のアジアカップでポテンシャルの高い選手がそろうものの、経験不足ゆえに勝ち切れない歯がゆい試合が目立った。今回も短い準備期間であるが、現地でシンガポールやオーストラリアとスクリメージをしている様子もSNSを通してうかがえただけに、良い仕上がりを願いたい。
そんなチームは大会初戦で予備予選を制したイランと対戦し、第2戦はタイに挑む。特にタイは昨年の準々決勝で日本を破り、4位に食い込んだ侮れない相手だ。ズレを作って2ポイントシュートを決め、プレッシャーがかかればゴール下で1点を狙うなど、能力に頼らない3×3が光った。日本は、いまの実力を図る上で試金石になるだろう。試合を通して成長を遂げ、決勝トーナメントに駒を進めたい。
【日程】
3/30 (土)
男子グループラウンド
・16:35~ vs オーストラリア
・21:10~ vs フィリピン
女子グループラウンド
・15:15~ vs イラン
・20:45~ vs タイ
日程詳細はこちら(FIBA公式/外部リンク)
【LIVE配信】
FIBA 3×3 Asia Cup 2024 | Day 4 – Group Phase | Session 1(15:15~予定/外部リンク)
FIBA 3×3 Asia Cup 2024 | Day 4 – Group Phase | Session 2(19:30~予定/外部リンク)
【参考】FIBA 3×3 Asia Cupの歴史
2023年
男子|1位 モンゴル|2位 オーストラリア|3位 ニュージーランド
女子|1位 オーストラリア|2位 ニュージーランド|3位 中国
2022年
男子| 1位 オーストラリア|2位 ニュージーランド|3位 中国
女子| 1位 中国|2位 オーストラリア|3位 インドネシア
2019年
男子|1位 オーストラリア|2位 モンゴル|3位 中国
女子|1位 オーストラリア|2位 カザフスタン|3位 日本
2018:FIBA 3×3 Asia Cup
男子|1位 オーストラリア|2位 モンゴル|3位 日本
女子|1位 ニュージーランド|2位 中国|3位 オーストラリア
2017:FIBA 3×3 Asia Cup
男子|1位 モンゴル|2位 ニュージーランド|3位 オーストラリア
女子|1位 オーストラリア|2位 マレーシア|3位 中国
2013(※)
男子|1位 カタール|2位 サウジアラビア|3位 イラン
女子|1位 インド|2位 モンゴル|3位 トルクメニスタン
※ FIBA Asia 3×3 Championshipとして開催
- アジアNo.1を決める「FIBA 3x3 Asia Cup 2024」…3x3日本代表もいよいよ初戦へ
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TEXT by Hiroyuki Ohashi