ポーランドから届いた3×3ワールドカップの熱気…王座奪還。初優勝。次世代の旗手も現る

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6月1日から7日までポーランドのワルシャワで開催された「FIBA 3×3 ワールドカップ 2026」は、大盛況だったようだ。FIBAによると、7日間で観客は10万人以上。10回目の節目を迎えた世界No.1決定戦は、女子・アメリカが平均年齢20.5歳のヤングスクワッドで4度目の頂点に立ち、男子・ラトビアは初優勝。日本と縁のある選手も大活躍した。2028年のロサンゼルス五輪に向けて次世代の旗手も現れて、この競技は一段と盛り上がっていきそうだ。

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王座奪還。名門大に所属する女子アメリカの若手たち
3×3世界No.1を決める「FIBA 3×3 ワールドカップ 2026」のチャンピオンたちは、鮮烈な印象を残した。まず女子は、アメリカが4度目の頂点に立った(2012、2014、2023、2026)。4戦全勝で予選プールを首位通過すると、準々決勝でフランスを18-16で破り、準決勝ではアゼルバイジャンを延長戦の末に19-18で撃破。決勝ではアジア女王のオーストラリアに21-20で競り勝ち、昨年のワールドカップ8強敗退から世界王者に返り咲いたのだ。
そして驚くべきは、その立役者たちだ。なんと平均年齢は20.5歳。いずれも、ルイジアナ州立大学、サウスカロライナ大学、オクラホマ大学といった全米の名門大学でプレーする選手たちばかりだ。ただ、3×3初挑戦というわけではなく「FIBA 3×3 U18ワールドカップ」や「FIBA 3×3 ネーションズリーグ」といったアンダーカテゴリーの大会で経験を積み、戦前の「FIBA 3×3 ウィメンズシリーズ」でも成都大会を勝ち抜くなど実力をつけていた。

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MVPに選ばれたMikaylah Williams(ミカイラ・ウィリアムズ/#12/183cm)は、5人制でルイジアナ州立大学でプレーする21歳であるが、3×3でも実績十分。高校年代の2021年からFIBA 3×3 U18 ワールドカップで3年連続の優勝を飾り、今大会は準決勝でゲームウィナーを決め、決勝でも試合を締めくくるショットを射抜くなど、勝負強さを発揮した。
彼女は決勝後のフラッシュインタビューで「私たちは勝負にこだわるチーム。たぶんこの大会で一番若いチームだったけど、誰にも負けないという気持ちを持って臨みました。チームとして戦って規律を持って、ミスがあっても折れずに戦い続けた結果」とコメント。チャンピオンになった気持ちを問われると「このステージに立てること、最高のチームメイトとプレーできること、最高のコーチのもとでプレーできること、そしてUSAを背負えること。すべてに感謝している」と表現した。

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今春渋谷や宇都宮でプレーした男が、W杯のMVPに
続いて、男子はラトビアが初の3×3ワールドカップ制覇を成し遂げた。日本と縁のある選手が活躍した姿も目立ち、感慨深いものがある。予選プールはアメリカに敗れて3勝1敗の2位通過となってプレーインに回ったが、アジア王者のニュージーランドを21-19で下し、準々決勝では昨年の「FIBA 3×3ヨーロッパカップ」王者のリトアニアを22-13で圧倒。準決勝で世界ランキング1位のセルビアと延長戦にもつれ込んだ死闘を20-19で制して決勝に進むと、最後はドイツを20-15で押し切ったのだ。
これで同国は「FIBA 3×3ヨーロッパカップ2017」、「東京オリンピック2020」に続くワールドチャンピオンに。もちろん、史上初の快挙だ。MVPには準決勝では決勝点を挙げ、決勝で12得点を挙げたKarlis Lasmanis(カーリス・ラスマニス/#2/200cm)が選出。全7試合の総得点も56点を数えて、得点王にもなっている。Nauris Miezis(ナウリス・ミエジス/#1/190cm)とともに過去2度の世界タイトル獲得に貢献した男へ、また大きな勲章が加わったわけである。

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そんな彼は、思えば日本と縁も深い選手だ。3×3初の五輪金メダリストになったのは、2021年の東京であり、3×3.EXE PREMIERの上位大会「3×3.EXE SUPER PREMIER」では仙台へ。今春にはShanghaiというチームで、3×3クラブ世界No.1を決めるワールドツアーの予選会「FIBA 3×3 渋谷チャレンジャー」と、そのツアー今季初戦である「FIBA 3×3 宇都宮オープナー」にも出場。二荒山神社の特設会場も「最高だよ。後ろにお寺(神社)が見えて、ファンもたくさんいる」と気に入った様子。強風が吹き荒れて「風だけは勘弁してほしい」と言いながらも「それは誰にもどうにもできないしね。風以外は文句なしに最高だ」と話していた。
また、悲願のワールドカップ制覇を成し遂げたわけであるが、Lasmanisは今春の来日時に3×3で結果を残してきた母国の歩みにも言及。彼は「ラトビアにはそれなりに3×3の歴史がある。みんな本当に好きでのめり込んでいるし、ストリートボールからはじまって、今こうして3×3のプロとしてやれている。振り返るとよくここまで来たと思うよ。ラトビア人として、そしてこの文化を持つ国の出身として誇りに思っている」と明かしていた。
ワルシャワでようやく手にしたワールドカップの優勝タイトル。母国を背負う誇りはより一層、大きくなっているに違いない。

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「ポテンシャルの塊」…男子ドイツは新時代の旗手に
一方で、準優勝に終わったものの男子ドイツは昨年のベスト4を超える決勝進出を果たし、新時代の旗手を強く印象づけた。予選プールでは強豪オランダを21-13の大差で下し、日本も21-15で圧倒。4連勝を飾って準々決勝へ駒を進めてオーストリアに21-19で勝ち、準決勝でフランスにも19-18で競り勝った。ラトビアには及ばなかったが、アンダーカテゴリーから国際舞台で経験を積んできた若手と、ワールドツアーで戦う実力者が融合した強さは本物だろう。
若手の筆頭は、Fabian Giessmann(ファビアン・ギースマン/#20/207cm)だ。FIBA 3×3 U18 ワールドカップ、FIBA 3×3 U23 ワールドカップで優勝を経験したモンスター級のプレーヤーである。チームメイトのNiklas Kropp(ニクラス・クロップ/#5/200cm)も「Fabianは規格外だよ。今まさに伸び盛りで、将来的に何でもやれると思う」と賞賛するほど。高さとパワーを活かしてダンクを叩き込むなど強烈なオフェンスを展開し、得点源の一角として7試合で52得点を記録。彼とともに昨年の4強入りを経験しているDenzel Agyeman(デンゼル・アジェマン/#1/195cm)も光った。切れ味鋭いドライブやアウトサイドショットを武器に7試合で54得点をマークするとともに、スモールハンドラーもきっちりと守れるフットワークで好守も見せつける。

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さらに、ワールドツアーで活躍するKevin Bryant(ケビン・ブライアント/#44/194cm)、Niklas Kroppがチームの脇を固めた。特に、Niklasはペイントエリアでの得点に直結するキーアシストが全選手中3番目に多い15本(7試合)をマークし、要所で独特なフォームから長距離砲を射抜き、ディフェンスやリバウンドでも欠かせなかった。彼は宇都宮オープナーでSkylinersの一員として来日しており、自らの目指すプレースタイルを「3×3は相手の出方に対応するゲーム。(私は)ドライブもスクリーンもシュートも、全部を少しずつこなす万能型でいたい」と話していた。当時はまだ代表に選ばれていなかったが「ポテンシャルの塊」と表現していたドイツの躍進に、彼の貢献は大きい。
今後は、KevinとともにSkylinersに戻ってワールドツアーを転戦することになる。同チームは、ドイツ1部の5人制クラブが運営母体で、Kropp曰く「オーナーの意向で3×3チームが生まれた。チーム全体が大きな家族みたいな雰囲気で、もっと上に行くのが目標」だという。GiessmannやAgyemanも別のチームでワールドツアーを戦っているだけに、さらに競技力と、コンビネーションが高まっていきそうだ。

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これからが面白い。ラトビアの優勝メンバーが日本で
そんなワルシャワでの大熱戦が終わったのも束の間、3×3は男女ともに世界ツアーの戦いへ舞い戻っている。とりわけ、男子のパリ五輪金メダル獲得、女子のワールドカップ優勝(2025年)など、競技の隆盛が著しいオランダのアムステルダムでの女子ウィメンズシリーズと、男子のワールドツアーは注目だ。6月19日から21日に開催され、大会のために大型の特設会場が設営されるなど、ベニューの作り込みは世界屈指に見える。日本からはコマーシャルチームとして今季のウィメンズシリーズに参戦している三菱電機が出場する予定だ。

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オランダの元5人制代表で、3×3転向後もパリ五輪のMVPを獲得するなど、競技シーンのスーパースター・Worthy de Jong(ワーシー・デ・ヨング/#54/194㎝)は、この春に宇都宮へやってきたとき、母国で発展する3×3の状況を説いた。彼は「オリンピックを経てさらに一段階、上のレベルに(3×3が)押し上げられた。コートを見れば一目瞭然で、子どもたちがたくさんプレーするようになっている。その光景が本当に嬉しい」と明かしていた。ワルシャワではプレーインでセルビアに敗れたものの、de Jongは38歳と思えぬパフォーマンスでチームをけん引した姿もあった。「バスケを純粋に楽しむ」意識がいまの彼を前進させる原動力だという。

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そして、3×3シーン全体に目を向けると、これからロサンゼルスオリンピックの出場権獲得に向けたポイントレースも熱を帯びそうだ。獲得ポイントの大きな世界ツアーでどれだけ上積みできるか。目の前の試合すべてが、ストレートインでの本大会出場、予選会の切符獲得に繋がってくる。五輪は、どの選手にとっても夢の舞台。Lasmanisは、3度目の出場を目指して「もちろんそれが目標だよ。オリンピックに出ることはアスリートとして誰もが持つべき夢だ。全力で取り組んでいく」と話し、ドイツのKroppも「誰にとっても夢。長い道のりだけど、上手くいけばやり遂げたい」と、今春日本で語っていた。de Jongは「まずやるべきことをこなす必要がある。その過程で、行くかどうか判断する。今はまだはっきりした答えはない」と慎重だったが、オリンピック連覇の偉業を期待したい選手であることは間違いない。

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また、日本に目を向ければ、男女ともに代表チームはW杯の成績が振るわなかったものの、女子は8月に東京と高崎でウィメンズシリーズ開催が控えているため、奮起を期待したいところ。男子は個々が所属先で成長できるか。ラトビアの優勝に貢献したZigmars Raimo(ジグマルス・ライモ/#9/200㎝)や、同国代表候補だったKristaps Gluditis(クリスタプス・グルディティス)といった国際レベルの選手が今シーズンより日本のSHIBUYA SCELFIDA(渋谷シェルフィーダ)へ加入してプレーしているだけに、彼らとともに切磋琢磨したい。RaimoやGluditisの日本行きに対して、Lasmanisは「彼らにとっても日本にとっても良い機会。経験豊富でプレーも人柄も一流の選手を迎えられる日本はラッキーだと思う。みんなが活躍して、怪我なく過ごせることを願っている」とエールを送っていた。
日本で、世界で、3×3の2026シーズンはこれからより一層、面白くなりそうだ。

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- FIBA 3x3 WORLD CUP 2026
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TEXT by Hiroyuki Ohashi




