ナイキのインパクトレポートの意味を理解する
ナイキは、20年にわたりインパクトレポート(ナイキの環境や社会への影響に関する報告)を発表していますが、3年前からは年に1度の発表に変わりました。インパクトレポートは、努力が大事だということの証です。各レポートは、ナイキの各チームの努力について詳しく記しています。11回目となる今回のレポートは、人間の可能性を再定義することは可能だという信念を確かなものにしています。
ナイキのインパクトレポートは、いろいろな意味で会社の変化を表しています。コーポレート・ガバナンスに関して透明性を保つことが重要な理由の1つは、複雑な変化に対応する責任を担うことも明確にするためです。この責任を受け入れることで、会社および関連業界の中で変化を促す役割を果たすことにもなります。
ナイキのインパクトレポート2020 は、変曲点を表しています。インパクトレポートでは、2015年に設定されたナイキの2020年の目標に対する評価を行いつつ、2025年に向けて新しい目標を設定しています。このレポートは、ナイキが対応力と配慮を備えて歩みを進む様を伝え、信頼感を与えるものとなっています。
ナイキのインパクトレポート2020はNIKE NEWS(こちら)よりご確認ください。
これを踏まえナイキ パーパス コミュニケーションズ VPであるヴァージニア・ルスティク=パテ二が、インパクトレポートの価値を説明しつつ、結果として生じる責任を行動に変えていくことについて、次のように話します。
透明性を確保する
わたしたちは、スポーツが世界を前進させること、またよりよい明日への前進は可能だということを信じています。それはただの願望ではなく、わたしたちが行動する理由なのです。インパクトレポートを発行することで、効果を出すためにリソースをどのように運用するか、またわたしたちのコミットメントが順調に進んでいるかどうかなど、業務の内部の様子を紹介することができます。
毎年、わたしたちは進歩を遂げている部分とさらなる改善が必要な部分の透明性を提供しています。このことは社内においても重要で、会社がどちらの方向へ向かっているかを従業員が理解できるようになります。そして、わたしたちの歩みを外部に共有することも同じく重要で、そうすることによって外部とわたしたちが一緒に学び、行動に参加することもできます。コンシューマーおよび従業員にとって、完璧さよりも前進することが重視されることをわたしたちは認識しており、目標に対する進捗を報告することは、行動に対する責任を負うことを意味します。
アスリートへの貢献を誓う
ナイキは、パーパス(存在意義・目的)に導かれ、常に価値観に沿った行動を行ってきました。わたしたちはアスリートの役に立つのが使命ですし、そのために彼らが大事にすることに耳を傾けます。アスリートたちは、それぞれが意見を発信し、変化を訴えます。アスリートが与える影響や感動の大きさを間近で見ている中で、わたしたちも同じことをしなければならないと考えました。
バリアを乗り越えることに全力を注ぐ
部門を超えた多くのチームが、29の目標を策定しました。わたしたちはプランを十分に精査し、成功への道のりを計画していますが、それは大変な仕事です。私たちが力を注ぐのは大きな結果を数字に掲げ、注目を浴びることではありません。アスリートのような姿勢で、着実な成果を出すには何が最善なのかにこだわります。インパクトレポートにあるテーマが複雑であることは疑いの余地がありません。各テーマの分野は相互につながっており、1つの分野に取り組めば別の分野においても目覚ましい発展が生み出せることを理解しています。
集団行動に徹する
目的達成のためには、ナイキは、1つのチームとして協力し働き、変化を起こしたいと願う外部組織とも力を合わせる必要があります。わたしたちは地球規模の課題に対応するためにそれに沿ったターゲットを設定し、行動しています。二酸化炭素排出量削減のために科学的根拠に基づいた目標を設定することは、わたしたちがその科学を信じる大きな共同体の一部であるということです。同様に、わたしたちのような企業は、グローバルな責任を負うと考えるため、国際連合の持続可能な開発目標に沿って目標を設定しています。インパクトレポートは、ナイキが他の企業や組織などをリードする機会と使命を与えられているということを示しています。必要なのはチームワークです。単独で達成できる目標ではありません。