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  • 2026.06.11

ボートレース場が、“公園バスケ”の新しい景色になる。PICK UP PLAYGROUND SPRING CAMP 2026

“公園バスケを遊び尽くす”一日が、今年もボートレース多摩川に広がった

5月23日(土)、ボートレース多摩川 リップルパークにて、PICK UP PLAYGROUND SPRING CAMP 2026 が開催された。

昨年に続き、今年で2度目の開催となった本イベント。会場には、ともやん、齊藤洋介、岡田麻央、BUG!?、宮崎安奈、MC MAMUSHI、DJ MIKOらが集結し、子どもから大人まで多くの来場者が“公園バスケ”を楽しんだ。

PICK UP PLAYGROUNDは、ただバスケットボールをするだけのイベントではない。コートで遊び、出会い、会話し、最後には自分たちが使った場所のゴミを拾う。“公園にバスケットボールコートがあり続ける未来”を目指すこの活動は、今年もボートレース多摩川の開放的な空間に自然と溶け込んでいた。


バスケが、人と人をつなぐ

昨年に続いて参加したともやんは、このイベントについて「スポーツのいいところをギュッとした活動」と表現した。

普段は別々のチームでプレーしている子どもたちが、同じ場所に集まり、バスケットボールを通じて自然と仲良くなっていく。その光景に、ともやん自身も公園バスケの原点を重ねる。

小学生、中学生の頃、朝4時に起きて、自転車で30分以上かけてリングのある公園へ向かったというともやん。そこには知らない誰かがいて、その場で1on1や3on3が始まる。

「公園バスケは、知らない人と出会える場所でもあったし、自分を成長させてくれる場所でした」

海外でもストリートコートに行けば、言葉が通じなくてもバスケットボールで距離が縮まる。ともやんは、それを「バスケは世界共通言語」と語った。


“ボール一つ”で広がる世界

フリースタイルバスケットボーラーのBUG!?にとって、バスケットボールは競技であり、アートであり、カルチャーでもある。

「ボール一つで世界がつながる」

BUG!?はそう語る。パスをする、返してもらう、ボールを回す。それだけでコミュニケーションが生まれる。フリースタイルバスケットボールは、コートがなくても、ゴールがなくても、自分を表現できる手段だ。

「バスケットボールを使って何でもやる。それが本当のフリースタイルなんじゃないかと思っています」

近年は1on1やストリートボールシーンとの接点も増えているBUG!?。フリースタイルと競技バスケの距離についても、こう語る。

「フリースタイルやってる子がバスケやれば絶対うまくなるし、逆にバスケやってる子がフリースタイルをやると、絶対いい影響がある」

そして最後に、初めてボールに触れる子どもたちへのメッセージを聞かれると、BUG!?はこう答えた。

「ボロボロにしてほしいですね」

たくさん触り、遊び、一緒に時間を過ごしたボールは、その子の“言うことを聞くボール”になっていく。BUG!?の言葉には、“遊び尽くす”ことの大切さが込められていた。


公園バスケは、“自分から混ざる”場所

イベント全体を盛り上げたMC MAMUSHIは、PICK UP PLAYGROUNDをこう表現した。

「“公園バスケ促進部隊”ですね」

青空の下でバスケットボールをする気持ち良さ。それを本気で広げ続けていることこそ、この活動ならではの魅力だという。さらに、公園バスケ独特の空気感については、

「公園バスケはコミュ力が大事」
と笑う。

待っていてもゲームは始まらない。自分から声をかけ、混ざり、表現する。そうしたコミュニケーションそのものも、ストリートボールに必要なスキルなんだと。そして子どもたちへ向けて、こんなメッセージも送った。

「世界中には、本当にいろんなバスケがある。5on5も、3×3も、ストリートもフリースタイルも。きっと君にハマる“好きなバスケ”がどこかにあるはず」

競技だけではない。表現も、音楽も、コミュニティも含めてバスケットボール。“自分の好きなバスケを見つけてほしい”。その言葉は、PICK UP PLAYGROUNDの空気感そのものを表しているようだった。


公園バスケが変わり始めている

岡田麻央は、PICK UP PLAYGROUNDの魅力を「いろんな人の魅力がぎゅっと集まる場所」と語った。

ともやん、BUG!?、齊藤洋介、宮崎安奈、MC、DJ。異なるフィールドで活動する人たちが、子どもたちや地域のために同じ場所に集まる。そのこと自体に、イベントの価値がある。また、公園バスケの空気については、

「一昔前は、正直“治安悪いな”って思ってました」
と率直に振り返る。

しかし今は、ゴミを置いていくことや周囲に迷惑をかけることが“かっこ悪い”という意識に変わりつつあるという。

「みんなが嫌がらずにゴミ拾いをするし、それが気持ちいいよねっていう空気に変わってきている」

女子プレーヤーにとって、公園コートはまだ入りづらさもある。それでもSNSやこうしたイベントの広がりによって、「女子もやっていいんだ」と思える空気が少しずつ増えている。

さらに岡田は、自身にとってバスケットボールが“明るい人生に導いてくれた存在”だったことも語った。家庭環境が大きく変わる中でも、バスケットボールをしている時間だけは辛さを忘れられたという。

「頑張れば上手くなれるっていう感覚とか、“自分にもできる”っていう自己肯定感、そして仲間や指導者など素晴らしい出会いを、バスケがくれたんです」

小中学生の頃は、公園のゴールで秘密の特訓に励んでいたという。


“歩いて行ける距離”にゴールがあること

3×3プレーヤーとして世界を転戦してきた齊藤洋介は、公園バスケの価値を世界基準で捉えている。海外では、ホテルの近くに当たり前のようにバスケットコートがある。セルビアでは、ナショナルチームでさえ屋外コートで練習していたという。

「歩いて行ける距離に、バスケができる場所があること。それが子どもたちの実力を底上げしていくと思います」

スクールでもクリニックでもない。ただ、やりたい時にボールを持って行ける場所がある。その環境が、バスケットボールの土台をつくっていく。齊藤が子どもたちにまず感じてほしいと語ったのは、シュートが入る楽しさだった。

「最初に楽しいと思ったのは、やっぱりシュートが入った瞬間なんですよね」

決める喜び。その感覚こそが、バスケットボールを好きになる入口なのだ。


挑戦すること、楽しむこと

元Wリーガーであり、現在はボートレーサーとして活動する宮崎安奈も、昨年に続いて参加した。PICK UP PLAYGROUNDについて宮崎は、「地域に貢献しながら、ゴミ拾いもしつつ、みんなとバスケットで触れ合えるところが魅力」と話す。

知らない子どもたち同士でも、バスケットボールがあれば自然と仲良くなれる。
その時間は、宮崎自身にとっても幼少期の楽しさを思い出すものだった。Wリーグからボートレーサーへ。まったく違う世界へ飛び込むことには、不安もあったという。

「厳しい世界に飛び込むのは分かっていたので、恐怖心や心配はありました」

それでも今、個人競技であるボートレースの魅力を「頑張った分だけ結果や応援が見えやすいこと」と語る。そして子どもたちへ向けて伝えたのは、とてもシンプルな言葉だった。

「何事も、楽しむことが一番」


音楽が、公園の景色を変える

会場の空気を支えたのが、DJ MIKOの音楽だった。昨年に続いて出演したDJ MIKOは、今年の空気について「去年よりもPICK UP PLAYGROUNDがこの場所に馴染んでいた」と語る。選曲のテーマは“平和”。

「音楽があるだけで、景色がドラマチックに見えたり、平和に見えたりする」

公園で行われるバスケに音楽が重なることで、そこに流れる時間はより柔らかく、より開かれたものになる。プレー、会話、笑顔、音楽。そのすべてが混ざり合うことで、PICK UP PLAYGROUNDの空気が生まれていた。


ボートレース場が、地域スポーツの新しい受け皿になる未来へ

2年目を迎えたPICK UP PLAYGROUND SPRING CAMPは、単なるバスケットボールイベントではなく、地域とスポーツ、遊びと学び、競技とカルチャーが交差する場として、より自然にボートレース多摩川に根付き始めていた。

ボートレース場という場所は、広い敷地を持ち、地域に開かれた公共性もある。そこにバスケットボールが入り、子どもたちが集まり、音楽が鳴り、人と人がつながる。その景色は、これからのスポーツイベントの新しい可能性を感じさせるものだった。

体育館だけではない。学校だけでもない。公園、街、そしてボートレース場のような地域に根ざした場所でも、バスケットボールは人を集め、コミュニティを育てることができる。

PICK UP PLAYGROUND SPRING CAMPが2年連続で開催されたことは、その未来への確かな一歩だ。これから全国のボートレース会場でも、こうした取り組みが増えていくかもしれない。スポーツを通じて地域に人が集まり、子どもたちが夢中になれる場所が増えていく。そんな未来を想像させる一日が、今年もボートレース多摩川に広がっていた。

ボートレース場が、“公園バスケ”の新しい景色になる。PICK UP PLAYGROUND SPRING CAMP 2026

TEXT by Rintaro Akimoto
PHOTO by Rintaro Akimoto & Kentaro Kondo

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