ALPHASが2連覇…「3×3 Super Circuit 2024 FINAL supported by ZOZO」を制して、世界大会の出場権を獲得
「3×3 Super Circuit 2024 FINAL supported by ZOZO」が2月4日、TIPSTAR DOME CHIBAで開催された。今大会には、昨秋から全国6都市で実施されたレギュラーラウンドの優勝チームと、同3日に開かれたワイルドカードを勝ち抜いた2チームの計8チームが出場。一発勝負のトーナメント戦をALPHASが制して、2連覇を達成した。大会MVPには、デビン・ギリガン(#3/196cm)が選ばれるとともに、2024シーズンに行われる3×3の世界大会「FIBA 3×3 Challenger」の出場権を獲得した。
ラストチャンスを懸けた戦い
まず、3日に市原市臨海体育館で行われたワイルドカードの模様から振り返りたい。レギュラーラウンドへ出場実績があるチームにエントリーが認められ、6チームが集結。3チームずつに割り振られた予選Poolが実施され、各Poolの上位2チームがFINAL行きを懸けて決定戦に挑んだ。
Pool AではGUJO BEEFMANが2連勝で1位通過を決め、ALEST AGEOがHACHINOHE DIME.EXEを破って1勝1敗で2位に。Pool Bでは、TSUKUBA ALBORADA、SAGAMIHARA3x3、TOKYO LEDONIARSの3チームが1勝1敗で並んだが、TSUKUBA ALBORADAが平均得点で上回ってPool首位を確保。SAGAMIHARA3x3とTOKYO LEDONIARSは平均得点で同点だったが、直接対決でSAGAMIHARA3x3が上回って決定戦へ向かった。
その決定戦の第1試合では、GUJO BEEFMANがSAGAMIHARA 3×3を21-15撃破。第2試合では、TSUKUBA ALBORADAがALEST AGEOを21-14で破ってFINALへ滑り込んだ。
初出場のOTAKIが昨年王者に好ゲーム
そして4日、優勝を決める舞台がことしもTIPSTAR DOME CHIBAへ戻ってきた。1周250メートルの木製バンクに囲まれた特設コートが出現し、MC MAMUSHIとDJ MIKOのセットで、FINALが幕をあける。
準々決勝は、第1試合から白熱した。ALPHASに対して、初出場のESDGZ OTAKI.EXEが好ゲームを演じたのだ。ヤキブ・ティトブ(#3/195cm)、ジージオ・ ベイン(#4/213cm)の外国籍選手だけでなく、松山寿人(#2/180cm)が好守を見せ、2ポイントシュートも炸裂。昨年の王者にリードも奪い、残り2分を切って16-16の同点に。それでもALPHASは慌てなかった。
ペター・シュチュアー(#2/195cm)が勝ち越し点を決め、デビン・ギリガン(#3/196cm)が気迫のルーズボール。OTAKIのチームファウルが8つ目だったため、獲得した2本のフリースローを決めて勝負あり。22-16で初戦を突破した。
続く第2試合では、TOKYO DIMEがワイルドカードを勝ち上がったGUJO BEEFMANを21-14で下した。立ち上がりに6-1とリードを奪い、一時は湊谷アレクシス(#2/190cm)らに反撃を許して1点差まで迫られるも、西畝優(#1/172cm)らが流れを渡さず、粘り強いチームディフェンスで難敵を下した。
第3試合は、YOKOHAMA BEEFMANがワイルドカードからFINALに乗り込んできたTSUKUBA ALBORADAを21-11で圧倒。 藤沢宏隆(#4/185cm)らを中心に攻め込む相手対して、ミロシュ・チョイバシッチ(#4/204cm)を中心に高さの優位性をいかした。
また第4試合もUTSUNOMIYA BREX.EXEが信州松本ダイナブラックスを21-10で圧倒。信州松本は、武井弘明(#2/185㎝)が3連続2ポイントシュートで意地を見せたが、FINAL初勝利とはならなかった。
2年連続のALPHAS vs BREXの頂上決戦
迎えた準決勝第1試合の顔合わせは、昨年と同じALPHASとTOKYO DIMEになった。試合展開も1年前のように、ALPHASが序盤から攻勢に出る。ペターの3連続得点や、小澤崚(#1/178cm)とデビンの連携プレーで9-2とリードを奪う。しかし、TOKYO DIMEは小松昌弘(#2/191cm)やヤン・デムサー(#3/195cm)が奮起し、終盤には16-13まで追撃。それでも、ALPHASはデビンが力強いフィニッシュを連発し、21-14で決勝行きを決めた。
続く第2試合は、UTSUNOMIYA BREX.EXEとYOKOHAMA BEEFMANが対戦。BREXは齊藤洋介(#1/184cm)を起点に、テオドール・アタナソフ(#4/205cm)や仲西佑起(#3/184cm)が攻め込むが、BEEFMANも応戦する。佐野隆司(#2/188cm)や戸堀春輝(#3/191cm)がやり返して、7-7と食らいつく。それでも中盤以降はBREXのディフェンスが光り、19-14でライバルの待つ決勝へ駒を進めた。
奇しくも、ALPHASとUTSUNOMIYA BREX.EXEの頂上決戦は昨年と同じ。直近でも開幕戦となった千葉ラウンドの決勝と同じカードになった。試合は、ALPHASが落合やデビンの得点で先行するものの、UTSUNOMIYA BREXも対抗して中盤まで9-7の展開に。ただ、ALPHASはここから小澤やペターがチームを勢いづけて16-8と畳み掛ける。UTSUNOMIYA BREXはこの間にタイムアウトを取るも、悪い流れを立ち切れずに終盤へ。荒優大(#2/181cm)がこのままでは終わらすまいと果敢なオフェンスを仕掛けたが、20-15でALPHASに2連覇のファイナルブザーが鳴った。
「3×3を応援してくれるのは、僕も嬉しい」(落合)
ALPHASにとって、2023年度の国内主要タイトルは「3×3.EXE PREMIER PLAYOFFS」、「3×3 JAPAN TOUR FINAL」に続いて、今大会で3つ目。ただ、3×3は優勝の先に世界挑戦できるのが、競技の醍醐味だ。チームは昨年、韓国で開催された「FIBA 3×3 Hongcheon(ホンチョン)Challenger」で準優勝を経験しているだけに、落合は勝ち取った世界戦の舞台でより高みを目指す。2024シーズンに向けて意気込みは熱い。
「この大会で優勝して自分たちは、チャレンジャーという世界大会に出て、優勝するのが目標です。ここは通過点でしかありません。今年はパリオリンピックもあります。チームとしても、ALPHASからオリンピックに出られる選手を輩出したいという目標もあります。引き続き挑んでいきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
また、FINALが終わってみれば彼らの強さが際立った。落合は、1月の「第9回 3×3 日本選手権 東日本エリア大会」で敗れたTOKYO DIME戦や今大会のOTAKI戦などを例に、最近は「1試合目が課題」と指摘したが、それを払拭するべくチームに対して次のようにアプローチしたそうだ。
「チームには、いかに毎回の試合でベストを出せるか。3×3は1日3試合、4試合あるので難しいですが、個人でシュートが入る入らないはあるけど、ディフェンスの強度は常に保てるよねという話をしています。絶対にレイジーにやるのはダメと言い続けて(1/27のTOKTO DIME戦から)修正してきました」
そして最後に、今大会をサポートしてくれたZOZOやUNDER ARMOURへの感謝も欠かさなかった。オリンピックイヤーとなる2024年。より一層、応援される3x3シーンをチーム・選手たちが創っていく。
「ZOZOさんのような日本で有名な企業が3×3を応援してくれるのは、僕も嬉しいですし、これからも3×3を一緒に盛り上げていけるともっと嬉しい思いもあります。本当に感謝しかありません。今年からUNDER ARMOURさんも大会を盛り上げてくれて、このような企業さんが3×3をサポートして頂いているからこそ、試合が成立して、僕らがプレーできます。このような大会をもっと増やしていきたいですね」
【FINAL最終順位】
1位 ALPHAS
2位 UTSUNOMIYA BREX.EXE
3位 YOKOHAMA BEEFMAN
4位 TOKYO DIME
5位 GUJO BEEFMAN
6位 TSUKUBA ALBORADA
7位 ESDGZ OTAKI.EXE
8位 信州松本ダイナブラックス
【結果】
>>WildCardの結果(リンクは外部リンク)
>>FINALの結果(リンクは外部リンク)
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TEXT by Hiroyuki Ohashi
PHOTO by Hiroyuki Ohashi