• COLUMN
  • 2024.01.31

「3×3 Super Circuit 2024」のレギュラーラウンドが終了…ALPHASが越谷ラウンドを、TOKYO DIMEが渋谷ラウンドを制してFinalへ

 国内の3×3シーンをけん引するチームが、「3×3 Super Circuit 2024」のレギュラーラウンドを誘致した。1月8日にALPHAS 3×3 BASKETBALLが越谷市立北体育館で越谷ラウンドを、1月20日にはTOKYO DIMEが渋谷区ひがし健康プラザで渋谷ラウンドを、それぞれ開催。両チームとも、大会の主役になった。

“越谷”対“上尾”の埼玉ダービー
 2024年最初の3×3公式戦となった越谷ラウンドには、15チームが集まった。予選は、3チームが5つのPoolに分かれ総当たり戦を実施。Poolの振り分けは出場チームの合計FIBAポイントに基づき、その上位9チームのいる3つのPoolは予選を1位通過すると準決勝へ。残りの6チームがいる2つのPoolは1位通過すると準々決勝へ進む仕組みだ。
 まず、準々決勝にはSENDAI AIR JOKERとINZAI RHINOS.EXEが進出し、19-13でSENDAI AIR JOKERが準決勝で待ち構えるALPHASへの挑戦権を獲得した。そして、その勢いをもってして序盤から攻勢を仕掛け、残り3分を切ってリードを維持する。

 しかし、ホームの声援を受けたALPHASは12-15の展開から、デビン・ギリガン(#3/196cm)の1対1で迫り、田中晴瑛(#17/178cm)が2本の2Pシュートを含む6得点の活躍によって逆転。21-18で決勝進出を決めた。

 また、もう一つの準決勝では、今ツアー大会3度目の挑戦となったALEST AGEOと、ZETHREE ISHIKAWAが激突した。昨年12月の石川ラウンドでも接戦だった両チームの対戦は、この日もどちらかに勝利が転ぶか分からない展開に。ALEST AGEOが20-16でKO勝利へ王手をかけたが、ZETHREE ISHIKAWAも食い下がる。木村嗣人(#17/180cm)が2Pシュートを射抜くなど、残り30秒を切って20-20のタイゲームに持ち込む。
 それでも、ALEST AGEOは小野怜史(#3/187cm)が終了間際に決勝点を決めて、競り勝った。

 そんなALPHASと、ALEST AGEOの対戦は、昨年11月の千葉ラウンド以来2度目。再び“越谷”対“上尾”の埼玉ダービーになった。ホームで優勝を飾りたいALPHASは序盤からエンジン全開で畳み掛ける。

 落合知也(#91/195cm)がドライブからバスケットカウントをメイクし、田中が2Pシュートを沈めるなど6-1とスタードダッシュに成功。小澤崚(#13/178cm)は球際の激しさで何度も見せ場を作った。主導権を握ったALPHASはギリガンの得点で締めくくって21-10のKO勝ち。昨年に続き、誘致大会でチャンピオンボードを掲げた。

 優勝に貢献した田中は試合後、「今日は勝たなきゃいけない日だと全員が分かっていました。優勝という結果を残せて、嬉しいです」とコメント。準決勝で勝利を引き寄せた活躍については、自信があったようだ。「試合の最初でシュートが入ったので、これは今日行けるなと思って」と話す。アルファーズコートで経験した昨年の誘致大会から、一段と大きくなった声援も心強く感じたという。田中はファン・ブースターの応援に感謝を示した。

「準決勝でSENDAIに離されそうになったときも、ディフェンスコールとか声をずっと出してくれました。すごい声援が僕たちの励みになりました」

TOKYO DIMEが誘致大会で念願の初V
 一方で、1月20日の渋谷ラウンドでは大会を誘致したTOKYO DIMEが優勝を飾った。16時に大会がはじまり、表彰式は20時半ごろ。戦いを見守ったファン・ブースターへ小松昌弘(#70/191cm)はこう述べた。念願のホームで勝利してのスピーチである。

「皆さん、こんばんは!遅い時間までありがとうございます。渋谷でようやく勝つことができました。ずっと勝てなかったのですが、皆さんの応援のおかげでなんとか勝てました。2月4日のFinalで結果を残せるように、みんなで頑張りたいと思います。引き続き、男女ともにTOKYO DIMEをよろしくお願いいたします」

 12チームが集まった今大会を振り返ると、本家DIMEはもちろん、兄弟チームも奮闘した姿が思い出される。予選Poolは、3チームずつの総当たり戦。オープニングゲームに登場したのは、SHIBUYA DIMEだった。
 川上太陽(#0/185cm)、神山瞬汰(#1/183cm)、伊森響一郎(#44/187cm)の3人に、ゲスト選手として初代TOKTO DIMEの一員だった宮島智久(#97/182cm)を迎えて出場。GUJO BEEFMANとALEST AGEOに敗れて準決勝進出は叶わなかったものの、DIMEのスクールコーチを務める川上がシュートを決めると、コートサイドが沸くなど懸命な戦いぶりが光った。

 また、HACHINOHE DIME.EXEも予選から気合十分だった。遠藤涼真(#6/191cm)、角田大志(#26/190cm)、沢頭智弘(#27/177cm)、宮越康槙(#34/189cm)の4人は22-0の完封試合をやってのけ、ZETHREE ISHIKAWAも破って準決勝へ。

 湊谷アレクシス(#5/190cm)らを擁するGUJO BEEFMANに対しても劣勢の展開から、追い上げを見せた。遠藤の2Pシュートや沢頭の好守から角田がスコアするなどして残り4分を切って一時16-16の同点に。最後は17-21で及ばなかったが、昨年に続いて、存在感を放った。
 そして、もうひとつの準決勝には予選を2連勝で突破したTOKYO DIMEが駒を進め、SENDAI AIR JOKERを21-15で撃破。GUJO BEEFMANとの決勝も立ち上がりからジェイコブ・トライオン(#6/211cm)やヤン・デムサー(#98/195cm)を軸に攻撃を仕掛けて先行する。西畝優(#5/172cm)もディープ2やトライオンへの得点をアシストをマークし、小松がチームの舵を取りながら21-15で勝ち切った。


 小松と同じく昨年の誘致大会を経験した西畝も試合後、安堵の表情を見せた。地元のシブヤ経済新聞からの質問に「去年、HACHINOHEに初戦でボコボコにされて、しかも相手が3人でした。今年は正直、試合前は少し不安もありましたが、(去年、予選で敗れた分)なおさら頑張らなっていう気持ちがあって、燃える気持ちがありましたね。その中で優勝できたのが良かったと思います」と話した。

Finalの出場権はワイルドカードであと2枚
 この結果によって、「3×3 Super Circuit 2024」はレギュラーラウンドが終了。Final進出は現在、8チーム中6チームが決定している。越谷と渋谷の両ラウンドの覇者に加えて、UTSUNOMIYA BREX.EXE、信州松本ダイナブラックス、YOKOHAMA BEEFMAN、ESDGZ OTAKI.EXEの顔ぶれとなっている。残り2チームは、Finalの前日となる2月3日に開かれるワイルドカードで決まるだけに、最後まで目が離せない。

 最後に、渋谷ラウンドではTOKYO DIMEの女子選手によるエキシビションゲームも実施されたこともピックアップしておきたい。加藤臨(#7/175cm)、坪内瑠愛(#2/168cm)、本田奈緒子(#10/166cm)の先輩チームと、鵜沢杏(#1/161cm)、荒木涼か(#8/167cm)、髙桑利加(#98/178cm)の後輩チームに分かれて戦い、軍配は先輩チームへ上がった。
 そして、この6人にキャプテンでケガからリハビリ中の小原みなみを加えた7人で、2月3日、4日にフィリピンで開催される「Manila Hustle 3×3」に挑むことも合わせて発表された。同大会は、フィリピン、日本、シンガポール、タイ、韓国、インド、オーストラリアから女子3×3クラブが16チームも集結する新興の国際大会で、ことしが2回目。 「3×3 Super Circuit 2024」のオーガナイザーである“ちゃん岡”こと岡田慧氏が昨年11月に開いた 「Women’s Winter ticket Tournament」を制しての出場となる。
 2月最初の週末は、国内外で男女の選手たちによる熱いプレーが見られるに違いない。

【今後のSuper Circuit日程】
<FINAL>(※)
 ・ワイルドカード 2024年2月3日(土)@市原市臨海体育館
 ・決勝トーナメント 20204年2月4日(日)@TIPSTAR DOME CHIBA
  ※U18カテゴリーの大会を共催
 >>大会情報は公式Instagramへ(リンクは外部リンク

「3x3 Super Circuit 2024」のレギュラーラウンドが終了…ALPHASが越谷ラウンドを、TOKYO DIMEが渋谷ラウンドを制してFinalへ

TEXT by Hiroyuki Ohashi

RELATED COLUMN

MOST POPULAR