石川県金沢市を拠点に活動する3ｘ3チーム、ZETHREE ISHIKAWA（ゼッスリーイシカワ)が、1月8日に越谷市立北体育館で開催された「3×3 Super Circuit 2024 越谷ラウンド」へ出場した。チームは石川や富山に住む選手と、関東圏に住む選手で構成されているため、1月1日に起きた「令和6年能登半島地震」から1週間というタイミングでも、活動が継続できている。

　今大会には関東圏の木村嗣人（#17/180㎝）、早瀬敏高（#11/190㎝）、柴田政勝（#27/182㎝）、三枝心（#15/180㎝）の4人で出場した。予選PoolでSAKURA FUNABASHIを22-10で圧倒し、TOKYO DIMEも21-17で下して準決勝に進出したが、ALEST AGEOに20-21で敗戦。だが、試合終盤に15-19の劣勢から逆転まで迫った粘り強さは、ZETHREEらしさそのもの。ラウンド優勝こそ届かなかったが、木村はこの状況で戦うチームの様子を明かしてくれた。

「新年最初の試合でしたが、この間、石川の方で地震がありました。チームとして、震災に遭われた人たちのためにも絶対に勝利を届ける。また、その内容もエネルギーやパワーを与えられるような試合をやっていこうと、みんなで話をしていました」

チームは無事も、珠洲の状況に「苦しい」
　ZETHREE ISHIKAWAの公式SNSで発表された通り、代表の上原浩光氏や、選手の浜高俊喜や喜入大地ら北信越にいる関係者は全員が無事である。木村も地震が起きて「すぐにチームで連絡を取って、無事を確認できたのでひと安心の部分がある」と話したが、「バスケットボールと関係の無い方たちもいて、応援してくれる方もたくさんいるので心配は残っています」とも話した。

　さらに、大きな被害が報じられている石川県珠洲市は昨秋、同市のバスケットボール協会主催のクリニックで、木村が講師として訪れた土地でもあった。彼は「珠洲には去年11月に初めて行ったんですけど、海の近くで、すごく元気な子どもたちがいて、本当に良いイメージしかない町でした。そんな町が地震にあって、僕が泊まった宿も今は無くなってしまったと聞くと、すごい苦しいような思いです」と心を痛める。それでも、「今はなかなか行ける状況ではありませんが、この先、必ず珠洲に行ってバスケットボールで皆さんを元気づけられるようなことをしていきたい」と、少しでも力になりたいという思いも語った。

　また、越谷ラウンドでは大会事務局によって、今回の地震災害によって甚大な被害を受けた地域を対象とした「令和6年能登半島地震 支援金募金活動」も実施された。渋谷ラウンド（1/20）やFINAL(2/3－4)でも行われる。集まった支援金は事務局で総額が取りまとめられたのち、日本財団に寄付されて「災害支援金」として活用されるという。

「いろんな人たちの思いを乗せて、戦っていきたい」
　一方で、ZETHREE ISHIKAWAの戦いぶりに目を向けると、被災した地域にパワーを与えられるようなチームに仕上がっていきそうだ。新戦力の三枝が既存戦力と融合。得意の鋭いドライブも随所に発揮し、コンビネーションも良い。課題も多く残ったゲームだったそうだが、木村は「ゼッスリーはシーズン最初の試合や、初めてのメンバーでやるときは、なかなか連携が合わずに苦しい試合から始まることが昨シーズンも多かったんです。でも、今日は大きなトラブルもなく、結構チームとして連携もがっちりハマったような戦いができました」と手応えを感じている。

　そして、地震がありながらも活動継続ができる状況を踏まえて、木村は今後に向けて意気込みを語った。“ISHIKAWA”を背負うチームとして、その思いは強い。
「ゼッスリーは、金沢で試合をする機会が多くありませんが、映像越しでも応援してくださる方へ力を与えられるようなプレーや勝利を届けていきたいと思っています。今月、スーパープレミア（3×3.EXE SUPER PREMIER 2024）が仙台であり、2月にはタイとオーストラリアにも行きます。国際試合でもしっかり戦って、少しでも勇気を与えられるように頑張っていきます。僕は大学が新潟（新潟経営大学卒）なので石川はもちろん、新潟や富山など北信越にいる方々とも連絡を取っていましたから、いろんな人たちの思いを乗せて、戦っていきます」

【SNS】ZETHREE ISHIKAWA.EXE Instagram（リンクは外部リンク）

【今後のSuper Circuit日程】
＜FINAL＞（※）
　・ワイルドカード　2024年2月3日(土)@市原市臨海体育館
　・決勝トーナメント　20204年2月4日(日)@TIPSTAR DOME CHIBA
　　※U18カテゴリーの大会を共催
　>>大会情報は公式Instagramへ（リンクは外部リンク）

能登半島地震から1週間後、ZETHREE ISHIKAWAが3x3の大会へ出場…「震災に遭われた人たちのために」

TEXT by Hiroyuki Ohashi