「3×3 Super Circuit 2024」が開催中…千葉ラウンドでUTSUNOMIYA BREX.EXEが、石川ラウンドで信州松本ダイナブラックスが優勝
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3×3の2024シーズンに向けた国内ツアー大会「3×3 Super Circuit 2024」が開催中だ。今ツアー大会は、昨秋より全国6都市で予選ラウンドがはじまり、各ラウンドの優勝チームが2月に行われるFinalへ。その前日に実施されるワイルドカードを勝ち抜いた2チームを加えた計8チームが1発勝負のトーナメントで頂点を目指す。チャンピオンチームには3x3クラブ世界No.1を決めるツアー大会のひとつ「FIBA 3×3 Challenger 2024」の出場権が与えられる。前回大会は、ALPHASがFinalで優勝し、昨年5月に中国で行われた「FIBA 3×3 Deqing Huzhou Challenger」に出場している。
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TEXT by Hiroyuki Ohashi
今回は、開幕戦となる千葉ラウンドが昨年11月23日に千葉みなとさんばし広場で、千葉県誕生150周年記念イベントのひとつとして開催。同12月2日には、ZETHREE ISHIKAWAの誘致大会として第2戦の石川ラウンドが金沢市鳴和台市民体育館で初めて開かれた。
BREXが開幕戦を制す…また「強豪を目指して」
15チームが集結した千葉ラウンド。まず予選として、3チームが5つのPoolに分かれた総当たり戦から大会の幕が上がった。Poolの振り分けでは、出場チームの合計FIBAポイントに基づき、その上位9チームのいる3つのPoolは予選を1位通過すると準決勝へ。残りの6チームがいる2つのPoolは1位通過すると準々決勝へ進む。
ALPHASやUTSUNOMIYA BREX.EXE、SHINAGAWA CCが順当にベスト4へ駒を進める中、ALEST AGEO(アーレスト上尾)もその一角に食い込んだ。SAITAMA LIPLAと信州松本ダイナブラックスを下して、準々決勝ではHACHINOHE DIMEを17-12で撃破。準決勝ではALPHASに13-18で敗れたが、奮起した姿が光る。
一方で、もうひとつの準決勝ではUTSUNOMIYA BREX.EXEが19-8でSHINAGAWA CCを下して、ALPHASの待つ決勝へ。午前中から続いた季節はずれの暖かさから一転、午後になると風が吹き荒れる気象条件の中、205cmを誇るテオドール・アタナソフ(#21)の高さは他チームにはないアドバンテージになった。ライバルとの決勝でも、アタナソフを活かしながら主導権を握り、齊藤洋介(#11)、荒優大(#3)、仲西佑起(#24)の4人で21-11のKO勝ち。公式戦で初のメンバー構成だったと感じさせない、チームワークも印象的だった。
表彰式では、齊藤が今後に向けてファンへスピーチ。2023シーズンは国際大会で準優勝など活躍が目立った一方で、「3×3.EXE PREMIER」や「3×3 JAPAN TOUR」のタイトルを逃しただけに、強い決意にも聞こえた。
「僕らは今年、どこのチームよりも早くシーズンを終えることになりました。ケガ人も出てしまって(きょうは)選手も入れ替わったのですが、ファミリーとして試合が無い選手も応援に駆けつけてくれました。自分たちは挑戦者の気持ちを持って戦わないといけない。改めてそう感じた1年でした。この教訓を糧に、また強豪を目指して頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
信州松本ダイナブラックスが初のFinal進出を決める
一方で、4チームが集まった石川ラウンドでは信州松本ダイナブラックスが優勝を飾って、初のFinal進出を決めた。選手兼ゼネラルマネージャーの武井弘明(#5)は、勝因を次のように振り返る。
「ターンオーバーを初戦から2試合とも少なく抑えられて、オフェンスリバウンドもディフェンスリバウンドもしっかり取れました。相手チームよりも多くポゼッションを確保できたのが勝因のひとつだと思います。プラスして自分たちのシュートも当たっていたので、自信を持って決めるべき場面で決められたと思います」
石川ラウンドの模様を振り返ると、まず4チームによる予選は三つ巴の戦いに。2勝1敗で3チームが並んで、ALEST AGEOが予選1位通過、信州松本ダイナブラックスが2位通過した。大会を誘致してホームゲームを飾りたかったZETHREE ISHIKAWAは、ALEST AGEOに21-20、AX.BOMBERに22-16で勝利したが、信州松本ダイナブラックスに13-22で敗れた結果が響き、平均得点の差で決勝進出を逃した。
そして、信州松本ダイナブラックスはALEST AGEOに予選で15-21で敗れていたが、この日2度目の対決でリベンジに成功。決勝では21-19で競り勝った。彼らにとっては、これが2023年最後の公式戦だったと言う。2021年に設立されたチームは、今年初めて日本バスケットボール協会が主催する国内ツアー大会の最高峰「3×3 JAPAN TOUR EXTREME」や、その優勝決定戦「3×3 JAPAN TOUR FINAL」にも出場。レベルの高い舞台を経験した1年になった。
武井はその戦いぶりについて「自分たちのチームルールを守ることで良い試合はあったのですが、浮き沈みが多く、安定した強さを出していけなかった」とコメント。それでも、今大会はチームルールを徹底し、勝ち切れたことで「2023年の良い締めくくりとなりました」と総括した。強豪ぞろいのFinalに向けて、成長が期待される。
5度目を迎えてパワーアップした大会
「3×3 Super Circuit 2024」は、2019年に初開催された「3×3 O&M Satellite Games」をルーツに持ち、今回で5度目を迎える大会。晩秋にはじまり、翌シーズンにつながる大会方式となって、今回が3度目である。コート外に目を向けても、大会運営がパワーアップしている姿も見逃せない。
今大会の協賛社には、昨シーズンの株式会社ZOZOに加えて、アンダーアーマー(株式会社ドーム)も新たに名を連ねた。千葉ラウンドでは、両企業がタッグを組んでフリースローチャレンジが行われ、1000個を準備した参加賞のシリコンリストバンドがほぼ無くなったとのこと。多くの子どもたちが詰めかけて盛況だった。加えて、アンダーアーマーの最新シューズ「UA フローフューチャーX3」が試履できるよう特設コーナーも設けられた。
2月のFinalまで「3×3 Super Circuit 2024」はコート内外で、目の離せない大会が続く。
【今後の日程】
<予選ラウンド>
・渋谷ラウンド 2024年1月20日(土)@渋谷区ひがし健康プラザ(TOKYO DIME誘致大会)
<FINAL>(※)
・ワイルドカード 2024年2月3日(土)@市原市臨海体育館
・決勝トーナメント 20204年2月4日(日)@TIPSTAR DOME CHIBA
※U18カテゴリーの大会を共催