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  • 2021.09.10

3×3.EXE PREMIERの大一番へ「王者」の系譜を知る

いよいよ2年ぶりに3×3.EXE PREMIERのシーズンチャンピオンを決める、PLAYOFFSが開催される。新型コロナウイルス感染症の影響で無観客試合になるものの、全試合の生中継が決定。東京オリンピック・パラリンピックでバスケ熱が高まる中、3×3国内主要大会の大一番へ向けて「王者」の系譜を知り、新王者決定の瞬間を楽しみたい。

2年ぶりの優勝決定戦が開催へ
 9月11日(土)に3人制プロバスケリーグである3×3.EXE PREMIER 2021シーズンの優勝チーム決定戦『3×3.EXE PREMIER JAPAN 2021 PLAYOFFS presented by PORSCHE』が開かれる。昨年の2020シーズンはコロナ禍の影響で全日程がすべて中止となっただけに、PLAYOFFS開催はじつに2年ぶり。緊急事態宣言の延長による無観客試合と、恒例の六本木ヒルズアリーナから開催地の変更を余儀なくされるが、最終戦は数々の王者がタイトルボードを掲げた歴史がある。

DIMEからはじまる王者の系譜
 22014年7月に開幕した3×3.EXE PREMIER。その王者の系譜はDIME.EXE(TOKYO DIME)からはじまった。初年度から2016年までは、シーズンで最もプレミアポイント(勝ち点)を稼いだチームが、チャンピオンになるルールの下、2014シーズンの最終戦は全6チーム中4チームに優勝の可能性があった大混戦。そんな中でDIMEは1回戦でGREEDYDOG.EXEに劇的勝利を収めると、準決勝でSUNS.EXEを撃破。決勝こそZETHREE.EXEに敗れたが、勝ち点でライバルを上回って初代王者に輝いた。
 シーズンMVPには、横浜ビー・コルセアーズ(当時bjリーグ)の蒲谷正之(#3)が選出。横浜のエースシューターとしてbjリーグ制覇とファイナルMVPを経験した男が、3人制でも「優勝」と「MVP」を獲得する活躍ぶりだった。また、いまもTOKYO DIMEで活躍する岩下達郎(#20)も初Vの一員である。

 そして2015シーズンは8チーム体制になった中、GREEDYDOG.EXEが圧倒的な強さを披露した。初年度に5位と低迷したチームから一転、開幕から15戦無敗となるリーグ記録(当時)を打ち立て、全8大会のうち残り2大会を残して、初優勝を決めた。その顔ぶれは、シーズンMVPに選ばれた落合知也(#91 TOKYO DIME)を筆頭に、眞庭城聖(#27 UTSUNOMIYA BREX)、池田千尋(#9 TACHIKAWA DICE)、小寺裕介(#23 ZETHREE)らそうそうたるメンツである。チームとしてPREMIER参戦はわずか2シーズンで幕を閉じたが、選手たちの多くが現在も第一線で競技シーンをけん引している姿を考えれば、GREEDYDOGが残した功績は大きい。また、彼らの連勝記録ストップし、最終戦で2度目のラウンド優勝を飾ったチームが、参入初年度のBREX.EXEだったことも、いまとなっては何か因縁を感じる光景だった。


 続く2016シーズンはリーグ拡大により、12チームによる2カンファレンス制で実施された。加えて外国籍選手の参戦が加速し、ゲームの激しさも高まった。そんな中、まずNortheastカンファレンスを制したのは、昨シーズンからロスターを一新したBREX.EXEだった。落合や眞庭らをGREEDYDOGより迎え、bjリーグで優勝を経験するなど日本で実績十分のレイモンド・ニクソン(#0、当時所属は大塚商会)も参戦。チームは全8ラウンド中6度のラウンド優勝を遂げて年間優勝を決め、ニクソンもシーズンMVPに選ばれた。
 もうひとつのSoutheastカンファレンスはAGLEYMINA.EXEが制した。参入初年度ながら池田千尋ら4カ国の選手たちが結束して、全8ラウンド中6度のラウンド優勝を達成。シーズンMVPにはアメリカ出身のインダルビール・ギル(#12)が受賞した。さらに彼らは同年の3×3クラブ世界No.1決定戦『FIBA 3×3 World Tour』の年間王者決定戦『Final』にHAMAMATSUとして出場し、クラブ世界2位の快挙を成し遂げた姿も忘れられない。

五輪決定を追い風に激戦のFINAL続く
 さて、ここまで開幕元年から3シーズンを振り返ったが、2017シーズンから3×3はより一層、注目を集めた。PREMIERが18チーム3カンファレンス制となり、プレーオフを導入。同シーズンの開幕前に東京オリンピックの正式種目が決まったことも追い風になった。
 さらに、そんなシーズンを初代王者のDIME.EXEが制覇したことも印象的だった。3年ぶり2度目の総合優勝は、彼らにとって言わば「王座奪還」。レギュラーシーズン地区2位から一気に駆け上がったのだ。奇しくも全員が2017年度の3×3日本代表候補選手という布陣で、昨シーズンのクラブ世界2位AGLEYMINA.EXEをFINALで打ち破った大激戦。プレーオフMVPにはビックプレーを連発した鈴木慶太(#7)が選出され、小松昌弘(#70)、野呂竜比人(#1)岩下達郎(#20)と歓喜の瞬間を迎えた。


 一方で翌2018シーズンは新王者が誕生する。参入3年目にしてTACHIKAWA DICE.EXEが頂点に立ったのだ。外国籍選手を中心としたチーム作りで2017シーズンはレギュラーシーズンで地区1位となり、初Vも期待されたが、プレーオフでは準決勝で敗退。しかし2018シーズンはレギュラーシーズンMVPのLuke Evans(#3)、3人制で現役復帰した元5人制日本代表の渡邉拓馬(#12)、経験抱負な池田千尋(#9)、そしてプレーオフMVPとなるHassan Stephens(#5)の4人で、大一番を制した。

 また、このシーズンは女子カテゴリーも新設され、6チームによる4ラウンドのレギュラーシーズンで優勝が争われ、TOKYO DIME.EXEが男子同様に“初代”チャンピオンに。ただシーズンMVPには2位ながら勝ち星でTOKYO DIMEを上回ったTACHIKAWA DICE.EXEより浅羽麻子(#3)が選ばれた。

 最も記憶に新しい2019シーズンは、男女合わせて4か国81チームが参戦した史上最大のレギュラーシーズンを経て、PLAYOFFSを迎えた。まず女子カテゴリー初の優勝決定戦ではBEEFMAN.EXEがTACHIKAWA DICE.EXEを破って、初Vを達成。MVPには前田有香(#11)が選ばれた。

 そして男子カテゴリーは歴代最高のFINALが実現。同年、春先からクラブ世界No.1決定戦となる『FIBA 3×3 World Tour』を転戦したTOKYO DIME.EXEとUTSUNOMIYA BREX.EXEが、シーズン初対決をFINALで迎えたからだ。世界レベルを知る2強の対決は、緊迫した一進一退の攻防となったが、残り1分をきってBREXが立て続けに2ポイントシュートを成功させて抜け出し、激闘に終始を打った。ファイナルMVPは小林大祐(#6)が獲得。彼らは数々の厳しい試合をチーム一丸で乗り越えるBREX MENTALITYを、3×3でも息づいている姿を体現する。そんな国内無双の優勝劇だった。

2021シーズン王者の行方は?
 さて、この王者の系譜を紡ぐ新たなチームは、どこになるのか。レギュラーシーズンを勝ち抜いた男子16強と女子3強がいよいよ激突する。男子はレギュラーシーズンわずか1敗のUTSUNOMIYA BREX.EXEを軸に、3×3日本代表の落合知也が五輪後初じめてメンバー入りしたTOKYO DIME、8月に開催された交流戦『CROSS CONFERENCE CUP』(以下CCC)でBREXに決勝で肉薄したSIMON、同ベスト4入りのTRYHOOP OKAYAMAが注目される。また一発勝負に強いZETHREE.EXEや、BREXにレギュラーシーズンで黒星をつけたSENDAI AIR JOKER.EXEが勝ち上がってくると、トーナメントをにぎわせるかもしれない。


 一方、女子は新規チームのTOKYO 333.EXEがシードされ、BEEFMAN.EXEとCCCを制したPERITEC INTERNATIONAL OIZUMI.EXEがまず対戦。こちらも見逃せない戦いだ。

 激戦必至のPLAYOFFS の模様は、9月11日11時より「ABEMA」にて全試合無料で生中継される予定だ。REXAKT.EXEのオーナーで元3×3日本代表の矢野良子氏と、2019シーズンにOSAKA DIME.EXEでプレーしたYouTuberのともやんによるスペシャルゲスト解説をおともに、8時間ノンストップの頂上決戦を楽しもう。

■生中継の概要(リンクは外部サイト)
・「ABEMA」にて全試合無料生中継。放送チャンネル:SPORTS LIVE 2チャンネル。
https://abema.tv/channels/world-sports-2/slots/DPtKgQq7HSLJes

※スマートフォンで視聴する場合は、アプリのダウンロード(無料)が必要になります。
iOS端末→こちら

Android端末→こちら

・「3×3.EXE公式Youtubeチャンネル」からの配信は無し。

3x3.EXE PREMIERの大一番へ「王者」の系譜を知る

TEXT by Hiroyuki Ohashi

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3x3.EXE 公式ホームページ

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