HOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GO -Part 2-
今年5月の大分「KYUSYU STREETBALL」に続き、今度は沖縄「HOOPTIME」からのオファーが舞い込んできた、東京ストリートボール直送企画『MAMUSHI GO』。今回も大分同様に同行させてもらいました。
沖縄のストリートボールとは縁の深い我々。
古くは2004年にストリートボールクルー「FAR EAST BALLERS」のツアーで行ったり、2010年にはフリースタイルバスケットボールクルー「BLOCK ON LOCK」としてお呼ばれしたり、さらに昨年末にはストリートボールリーグ「CROSSOVER」のスペシャルイベントに今回と同じく2人で訪問しています。
これらいずれの機会にも、私にとって“南の盟友”であるKEY氏が関与。大分・九州におけるマツケン氏のように、地元のバスケやストリートを盛り上げる凄腕のイベンターです。
そして今回の「HOOPTIME」主催者として、私にとっては新たな人物=NOBUTAKU氏が登場。
事前にLINEで挨拶した際は、”数年前のCorona SUNSETS FESTIVALの帰りのシャトルバス以来ですね!”とありましたが、音楽と共にCoronaビールを1日楽しむフェスの帰路、つまりこの世で最も冥界に近い空間です。
正直全く憶えていませんでしたが、”その節はお世話になりました”と返信。このやりとりが今回の物語の始まりを告げたのでした。
訪れた人なら誰でもご存じかと思いますが、沖縄とは他のどの県とも違う独自の要素を沢山持った土地です。
そこに県外の人間誰しもが魅了されてしまう訳ですが、例えば気候は温暖、時間感覚はのんびり、人は柔和、でも体格はガッチリ、そして実は“いかついタトゥー率”高め、でも話すとみんな凄く親切。
さらに沖縄のストリートカルチャーのイベントにも特徴がありまして、それは“長くて多い”ですね。
今回の「HOOPTIME」も途中で30分程度通り雨による中断もありましたが、9時間に及ぶ長尺。チーム数は15チーム、試合は16ゲーム、MC・DJは我々含めそれぞれ4人、2回のダンスショーケースに、地元ラッパーのLIVEもあり。
これでもかと盛り盛りですが、全編通して流れるチルな空気感、「DAIKUU」によるお祭りのような会場作りもあって、全く退屈せずに1日が過ぎていきました。それでいて感染予防対策も万全でしたね。
この『MAMUSHI GO』とは、今のところ日本最前線である東京ストリートボールの空気感やクオリティーを地方に伝える試みであり、同時にこちら側がその土地の可能性に喰らわされる物々交換の旅路でもあります。
そして今回は図らずも、我々2人以外の人物達によって、地方に伝えたい東京ストリートボールが誇る“ある要素”が体現されたのでした。
その要素とは、「バスケットボールに対する異常なまでの貪欲さ」です。
当日会場に到着すると、なにやら見慣れた大きな背中を発見。
「あれTICK TACK(津川隆治 選手)っぽくない?」
「いやいやまさか」
ここは沖縄中部の超ローカルな大会です。さすがに見間違いかと近寄ると本当に津川本人。
さらに見回せば、東京で行われるストリートや3×3の大会に出場する選手達が何人も。
彼ら曰く、「この大会があるって情報をキャッチしたので、これに合わせて沖縄旅行ぶっ込みました」。
チームで来たり夫婦で来たり、最終的に東京の選手を中心とした2つのチームがエントリー。我々2人に事前に伝えるわけでもなく、みんな当たり前のようにそこにいて淡々とアップをしています。
「今日はこれやらしてもらうんで、明日は一日、嫁の買い物です」
TICK TACKは満面の笑みで話してくれました。
彼らの行動・言葉はいささか能天気な話のように聞こえるかも知れませんが、“バスケがやれるなら理由を作ってどこへでも行く”、この条件反射ともいえる行動力が、東京の、そして日本のバスケットボールの草の根を支えてきたと私は考えています。
航空券を即手配するフットワークの軽さと、超ローカルな大会の情報も探し当てるアンテナの張り方、実はこの2点を今回の沖縄で伝えたいと個人的に思っていました。
これまで沖縄県のストリートボールに触れる度、その独自のスキルと魅力に惚れ惚れしつつも、それと同時に、海を隔てているが故の他県に関する情報・関心の少なさをいつも感じていました。
「君たちは素晴らしい、沖縄の中だけで完結するのは勿体ない。外を知ればもっと凄くなれる。そして、君たちを他県の多くの人が知らないのも勿体ない」
お邪魔する度にこう伝えてきましたね。
今回東京から来ていた選手達との一進一退の戦いが、この言葉を改めて証明してくれたのではないかと思っています。
千葉か埼玉にでも行くような感覚で、海の向こうの沖縄に集まる東京組の姿勢と思考回路。それを咀嚼して吸収してもらえたのなら、今回の『HOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GO』は大成功だったと私自身は感じます。
こじつけの理由で自己肯定して、なんとか金も時間も家庭も都合を付けて、バスケができる知らない街へひとっ飛び。勇猛果敢なストリートボーラー達が発する「NO EXCUSE」とは、コートの中だけのことではありません。
帰京の日、今回の宿泊先だったデイゴホテルから那覇空港へ向かうハイエース。運転席にはマイメンNOBUTAKU。
豊見城ICを降りて、瀬長島を左手に、赤嶺方面へ直進。この道は、あの夏の夜、美らSUNビーチからの帰りのシャトルバスも通った道です。
今回の数日間で想ったこと、そしてこれからの展望を熱く伝えてくれる運転手。
それを後ろから見ていて、嬉しそうに沖縄ストリートボールについて語る、Coronaビールの空き缶を持った酔っ払いの記憶がうっすら甦ってきましたね。
- HOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GO -Part 2-
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TEXT by DJ MIKO
OFFICIAL PHOTO by dai
(OTHER PHOTO by DJ MIKO)
ORGANIZED by NOBUTAKU
HOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GO -Part 1-