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  • 2021.10.20

HOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GO -Part 1-

今年の初頭に発想し、独自のキャンペーンとして発動したMAMUSHI GO。このキャンペーンの概要については、今年の5月にFLYに寄稿した “KYUSYU STREETBALL × MAMUSHI GO” という記事を参照して欲しい。5月に大分・福岡を訪れて以来、今年2度目のキャンペーンツアー。行き先は沖縄だ。今回の記事では、自分とDJ MIKOのタッグで今年の9月下旬に乗り込んだHOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GOをレポートしたいと思う。

まずは、今回の首謀者であるNOBUTAKUという男から紹介しよう。今回のツアーに訪れる前までは、自分とNOBUTAKUは過去に沖縄で面識が一度か二度あったくらいで、あとはInstagramのDMでたまにやり取りがある程度だった。ただ、Podcastで展開中の、MCマムシのオリジナルラジオショー “MC MAMUSHI’s Radio Show BIG BAD SPEAKERS” を聴いては、積極的にメッセージを長文で送ってくるので、熱血漢なのだなぁとは思ってたよ。オレは熱血漢が嫌いじゃない。聞けば家業として親父さんの代からDAIKUUというプロのイベント事業会社を展開してるようで、さらに「確か今のSOMECITY OKINAWAのオーガナイザーでもなかったっけ?」と思い出した。その通り、今のSOMECITY OKINAWAをNOBUTAKUが仕切ってる。

そんなNOBUTAKUから具体的な相談が始まったのが今年の6月。オファー内容は、彼が2015年から独自に開催し続けている ”HOOPTIME OKINAWA” に出演して欲しいとのことだった。実は2015年にすでにオファーを受けていたのだけど、そのときは都合が合わずでまだ体験できていないゲームだったのですぐに快諾。DJ MIKOにも声をかけて、お馴染みのMC MAMUSHI&DJ MIKOのタッグでの出演を決めた。「沖縄のストリートボールを過激化させたい!」、NOBUTAKUとやり取りしている中できっとそういったことを達成したいのだなと理解した。

9月25日(土)、自分とDJ MIKOは沖縄市コザに居た。HOOPTIME OKINAWA 2021本番当日だ。東京ではもう気温も下がって秋模様だというのにこちらは30℃を超える炎天下、夏を諦めきれない自分にとってはまるで延長戦のようなツアー。NOBUTAKUは本業がイベント屋さんだけあって、現場のいわゆる造作や建て込み、音響など設備の準備は安心のプロレベル。このプロクオリティは、他の街のドメスティックなゲームに比べて個性になってると思うし、一歩リードしてると言っていいと思う。

沖縄市の南桃原イベント広場という十分なスペースが車通り沿いにある立地にハーフコートが一面、そして数々の出店ブースとサウンドシステム。本来であれば、もっとトラフィックが高くて敷地も広い沖縄南インターチェンジ近くで開催するつもりだったようだけど、昨今の社会情勢の影響で変更せざるを得なかったみたいだった。

HOOPTIMEのゲームで使われたリングはSOMECITY TOKYOが保有しているものと同じで、移動式リングの中でも相当なハイクラス品。これを保有できていて、いつでも自由に使えるというのはオーガナイザーとしてもイベントとしても優秀だ。MCやDJ陣も充実のラインナップで、CROSSOVERでHOST MCを務めるDICEくんや、SOMECITY OKINAWAで看板をはっているMC GanafiiやDJ Hennyらが一同に揃った。DICEくんはさすがの情報量でこの街のお兄ちゃんMCとしてばっちりだし、初めて聴いたけどMC GanafiiとDJ Hennyのタッグは男らしいシャウトと鳴りで聴いてて楽しかったな。

メインのゲームはと言うと、15チームのハーフコート3on3のトーナメント戦。自分も認識してるCROSSOVERのボーラー、SOMECITY OKINAWAのボーラー、3×3で活躍中のボーラー、元Bリーガー、米軍基地に従事するアメリカ人ボーラーなど、今の沖縄のストリートゲームを語る上で必要な逸材は大方揃っていたと思う。さらにそこに東京からも2チーム、TICKTACK a.k.a. 津川隆治率いるOKINAWA SUMMER TOUR to HOOPTIME2021と、前回チャンピオンチームとしてTAISHI a.k.a. 角田大志を要するSTAILEらも参戦。






個人的な感想になるけど、この東京からの2チームとホームである沖縄勢との対戦ゲームがこの日のベストバウトだったと思うし、事実エナジーが最も高い2ゲームだったはず。準々決勝で激突した前回王者のSTAILEとBE HUMBLEでは、日本全国で3on3や3×3のハイレベルゲームを日常的にこなすメンバーたちによるSTAILEに対して、地元沖縄ストリートボールが誇るBE HUMBLEがハイエナジーで真っ向勝負を挑み、もはやノーガードの打ち合いと言っていいような過激なクロスゲームをBE HUMBLEが制して会場は大爆発!

BE HUMBLEの中心人物のYUTAというガードプレイヤーと、荒々しいMELOみたいなプレイをするKAI、そしてチームを献身的に支えるLEONAという3人組はちょっと覚えといてよ。もうすでに面白いし、これからもっと面白くしてくれるはずだからさ。ただこの日はそのゲームで全て出し切っちゃったのか続く準決勝では惜敗したけど、それでもこのトーナメントを通じて会場をロックできてたチームのひとつだったことは間違いない。

そして決勝戦でのOKINAWA SUMMER TOUR to HOOPTIME2021とTIDY UPの一戦。こちらも国内トップレベルの3×3ゲームの常連のOKINAWA SUMMER TOUR to HOOPTIME2021がさすがのゲーム運びをみせるも、一方の地元TIDY UPはオレがこの数年気にしてるKA-MA-と、昨シーズンまでBリーグ青森ワッツでプレイして最近地元沖縄に帰ってきた池田祐一が火を吹いて応戦!KA-MA-はなんだか独特なリズム感と妙な身体能力の高さ、あと好青年だけど実はぶっとんじゃってる天然野郎というデンジャラスなボーラーで、それはオンコートだとさらに異彩を放ってくる存在。

また、池田祐一もさすがこの間までBリーガーというファンダメンタルの高さだし、オフコートでは紳士的だけどオンコートだと必要なダーティーさとファイトもチェイスも臆さない交戦的なスタイルは見てて面白かった。「今後はどうするの?」と彼に訊ねたら、これからは地元沖縄で仕事とバスケを両立させたいってことだったから、ストリートボール楽しんで欲しいし、プレイ的には3×3も向いてるだろうね。

さて、決勝戦はと言うと、KA-MA-と池田祐一がギンギンでハッスルしていたし、OKINAWA SUMMER TOUR to HOOPTIME2021はメンバーチェンジなしの僅か3人でのエントリーだったこともあって、地元TIDY UPが制して決着。MIPはKA-MA-が獲得。名実ともにKA-MA-が沖縄のストリートボールの中でいよいよ頭角現してきてんね。

今回のHOOPTIME OKINAWA 2021のトーナメントのゲームを見た限りで、個人的なベスト5を考えてみた。司令塔にはYUTAの弾丸っぷりが見たいし、シュートの雨を降らせてた池田祐一、躍動しまくりのKA-MA-、センス抜群のKAI辺りがすぐに浮かんで、あとビッグマンだけ不在な印象だから、このポジションでも他の街と対抗できる逸材が出てきたらおもしろいかもね。

HOOPTIME OKINAWA 2021本番の翌日には、NOBUTAKUやYUTAに頼んでうるま市の与那城総合公園っていう良質なフルコートがあるプレイグラウンドでピックアップゲーム開いてもらってたり(なんとオレと、あとTIDY UPのYUSAKUが全勝でこの日限りのうるま最強の称号をゲット笑)、1984年から沖縄のバスケットボールを支え続けてる名物バスケットボールショップのstep by stepのこれまた名物社長の屋嘉さんとゆっくり会食できて、またさまざまな沖縄のバスケットボールに精通しているキーパーソンたちをたくさん紹介してもらえた。

業界のレジェンド屋嘉さんの目線、オレの目線、NOBUTAKUの目線、ミニバスに向き合うコーチの目線、島が誇る琉球ゴールデンキングスに向き合う目線、とかとか同じバスケットボールなんだけど関わり方や目線はさまざま、でも「バスケが好きなんだよね」って根っこで繋がってるから居心地がいいんだよな。オレとMIKOさんが来れば必ず合流してくれるCROSOVERのKEYくんやDJ YOUNG MO、NOBUTAKUとの会食で「来年一緒にやろうぜ!」と意気投合してるKEYくんとNOBUTAKUの姿も見れて来た甲斐があったもんだよ。

ただ、屋嘉さんとの会食でまさかのオレとNOBUTAKUがヒートアップして言い合い合戦が開幕しちゃって(笑)。お互いブチ切れモードで、屋嘉さんを筆頭に同席してくれたみなさんはさぞかしドン引きさせてしまって反省反省。屋嘉さんは「いいじゃんいいじゃん、熱い話だからもっとやれ」って喜んでくれてたみたいだけど、まぁいわゆる毒マムシ大炸裂となったわけです。でもね、必要で真剣な話だったんだ。まぁ、翌日にはクールになってハグし合うんだから劇場だし甘噛みなのかもしれないけど、オレみたいなやかましい奴にガチで言い返してくるNOBUTAKUは結局信頼できる奴だなって思うんだよね。だからといって、日本全国でオレに言い合いを挑まないで欲しいけど(笑)。

今回呼んでくれたNOBUTAKUとも、ボーラーたちとも、屋嘉さんともKEYくんとも、みんなとたくさん話せて、悩みを聞いたり質問を受けたり、まぁ、さまざまありました。帰りの飛行機、今回のツアーソングに勝手に決めて聴いてた ”No Woman No Cry – CHOUJI feat. ネーネーズ” に身を揺らしながら思い返してました。

例えばNOBUTAKUも、KEYくんも、意思があって覚悟決めて突き動かしてるわけじゃん。彼らに限らず、ボーラーもそう。何かに打ち込んだり、人生かけてやるじゃんね。でもね、それが強烈になり過ぎちゃって、意固地になって自分から孤独になりに行くようなことはしないで欲しいなって、今回のツアー中に思ったんだよな。誰にってわけじゃなくて、なんとなく空気感に。確かに、自分だけムキになっちゃって周りが付いてきてくれないときの侘しさとか、でも一方で気丈に強く振る舞わないといけないときもあるし、本当は本音を相談したい仲間や兄貴や先輩が居て欲しいけど前例がないことじゃそういった相談相手もいなくて途方に暮れるときもあるよね。オレにももちろんあるよ。

でもどうせね、何かを突き詰めようってなると結局孤独な闘いになるんだから。放っておいても孤独な戦いが待ってんの。だからこそ、わざわざ自分から孤独になりに行くなよ、ボーラーと話してても、NOBUTAKUとヒートアップした晩にも思ったんだろうな。理解されないことがあってもさ、自分から孤立を選ばないで欲しいんだよ。興味があることしかやりたくないのもストリートボール、でもいろいろと関わって繋がっていくのもストリートボールだからさ。

また、もう少し具体的に「東京や日本中のボーラーたちはどう過ごしているのか?自分もああなりたい!」という話もたくさん聞いたけど、情報として知ってることは伝えた上で「とっととそいつがいる街やプレイグラウンドに自分から乗り込んで戦って来なさいな。いくら想像しててもしょうがないんだから、直接感じに行きなさい」と毎度言う。ストリートボーラー、は生活をしながらバスケをするわけだから、仕事のことや家族のことや、日常的な喜びもお悩みも混在した中でバスケと生きるって話で誰もが自由にチャレンジできるもんでもないことは分かる。それでいい、自分の生活や日常に溶け込むようにハイテンションなバスケを持ち続けられれば。

でも、きっとオレに質問してくるボーラーたちは志が高くて寄ってくるのだろうから、だとしたら日本中も世界中も駆けずり回るようにストリートボール楽しみに行けばいいと思う。自分から行きたい世界に飛び込んじゃえばいいんじゃない?いつ決断したって自分史上最速記録なんだから堂々と行ってこーい!

なんてことを言い回ってたら、10月23日-24日(土-日)に東京渋谷の代々木公園にて開催予定のALLDAY 2021 FALLに沖縄から参戦してくるみたい。早速のアクション、いいね!知りたいことは、自分から飛び込むんだ沖縄ボーラー!最後は散文気味だけど、これが今回のHOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GOでオレが感じてたインサイトっす。沖縄、まだまだ過激になろうぜ!またやろう!

HOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GO -Part 1-

TEXT by MC MAMUSHI
OFFICIAL PHOTO by dai
(OTHER PHOTO by DJ MIKO)
ORGANIZED by NOBUTAKU



HOOPTIME OKINAWA 2021 × MAMUSHI GO -Part 2-

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