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  • 2019.12.09

3×3でTOKYOを目指す各国を代表する選手たち vol.2

東京オリンピックで初めて正式種目となった3x3。そこへの出場枠は男女各8か国。11月1日には男子のセルビアや日本、女子のロシアや中国などそれぞれ4か国が決定した。残る切符はあと4枚。3月のFIBA 3×3 Olympic Qualifying Tournament(以下OQT)で3枚、5月のFIBA 3×3 Universality Olympic Qualifying Tournament (UOQT)で1枚である。今回、各国を代表する選手を紹介するとともに、夢舞台に向けた意気込みやその想いを訊いた。

Dominique Jones(ドミニク・ジョーンズ)

今季、NY Harlemを躍進させた原動力。178㎝というサイズの小ささを感じさせないダイナミックなプレーで、MastersのレギュラーシーズンMVPを受賞した。生まれはストリートの聖地と言われるNew YorkのHarlem地区。“from the streets to the olympics”という競技のコンセプトを体現しようとしている。

「(オリンピックに向けて)やることは変わらないです。毎日、毎日トレーニングを重ねて、楽をしないことを自分に課すこと。チームとしてはゲームフローを完璧に整えることが大事だと思いますので、それを続けていけば、必然的にオリンピックへの道が広がっていくと思います」


Robbie Hummel(ロビー・フンメル)

Princetonのポイントゲッターであり、アメリカ代表として初優勝したW杯では大会ベスト3に選出。過去にはNBAミネソタ・ティンバーウルブズでもプレーした。「アメリカはシニアのトップといえばNBAで、そこで選手としてプレーすることができなくても、そこでトップ選手として活躍していたレジェンドたち、Michael JordanやLarry Bird、LeBron Jamesらと、同じジャージを着させてもらえることは、バスケットボール大国を背負っているプライドでもあり、責任感でもあり、誇りを感じています」と、世界ランク5位からOQT突破で、TOKYOを目指す。

「OQTで勝ち抜くことは、非常に難しい条件ではありますが、チームとしてそこを勝ち抜いて、オリンピックに出場する権利を得て、そこでゴールドメダルを獲ることが僕たちのゴールです」


Dusan Bulut(ドゥサン・ブルト)

Novi Sadのエースにして、3×3世界最高のプレイヤー。世界ランキング1位のセルビア代表として過去4度、W杯も制覇した。3×3の母国として、初の正式種目として迎える東京オリンピックで金メダル獲得という悲願を達成するべく、いままでの成果に満足することなく、一歩ずつ表彰台の頂点へ歩んでいく。

「(TOKYOへ向けて)毎日全力で、常に改善させていきます。日本の文化にもなっているビジネス哲学のKAIZENの思考に似ているものがあると思います」


落合知也(越谷アルファーズ/Tokyo Dime)

日本が世界に誇る3×3のアイコン。競技の黎明期よりコートに立ち、2016年には大怪我を負ったが、そこからカムバックを果たして、最新の国内ランキングで1位。数多くのプロサーキットを転戦することで、どうやったら日本人が世界で勝てるのかを常に考え、経験を蓄積する。5人制で代表経験のあるBリーガーらと日の丸をかけた熾烈な争いに身を置くが、彼の知見は本大会に向けて必要不可欠な武器となる。

「東京オリンピックでは自国開催ということで、日本のファンの皆様もたくさん来てくださると思います。その声援は絶対に自分たちの力になると思うので、その声援を背中にしょって、しっかりと戦っていきたいと思います」


馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)

2018年のアジア競技大会で初めて3×3をプレーすると、メダル獲得に大きく貢献。今秋のU-23 W杯では、昨年の決勝で敗れたロシアにリベンジを果たして、世界一に輝いた。3×3女子日本代表の中では、山本麻衣らとともに経験値は随一であり、中心選手として予選突破というミッションに挑む。

「(OQTは)オリンピックに向けて最初の1歩だと思う。そこをしっかりと勝ち切ることでオリンピックに勢いをつけられると思うので、その大会で自分たちの出場権を獲って、次の(東京)オリンピックにつなげて行けるように頑張りたい」


齊藤洋介(Utsunomiya Brex)

2018年に5人制のキャリアに区切りをつけ、3人制へ転向。今季はBrexでチームのまとめ役を担い、プロサーキットを転戦して、日本のクラブとしては史上初となるMastersベスト4進出を果たした。国内ランキングは現在3位。代表合宿への招集は今年2月に一度だけであるが、少しでも可能性がある限り、夢を諦めるつもりはない(以下コメントは、Jeddah Masters帰国後の10/22に取材)。

「(代表合宿に呼ばれていないが)全然、気持ちは折れていないですし、そのためにまだまだここまでやってきています。背負っているもの、覚悟しているものは、自分ではやっぱり感じているので、オリンピックに出ることが全てでは無いですけど、Bリーガーたちが出るより自分が出たほうがやれる自信はあります。それを(プロサーキットで)経験してきたので、もう呼ばれたらやれる覚悟はできていますし、準備もできています」


※国別、個人の世界ランキングは2019年11月24日時点

TEXT by Hiroyuki Ohashi

取材協力:クロススポーツマーケティング株式会社/FIBA 3x3 World Tour Utsunomiya Final 2019実行委員会

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