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  • 2019.12.05

3×3でTOKYOを目指す各国を代表する選手たち vol.1

東京オリンピックで初めて正式種目となった3x3。そこへの出場枠は男女各8か国。11月1日には男子のセルビアや日本、女子のロシアや中国などそれぞれ4か国が決定した。残る切符はあと4枚。3月のFIBA 3×3 Olympic Qualifying Tournament(以下OQT)で3枚、5月のFIBA 3×3 Universality Olympic Qualifying Tournament (UOQT)で1枚である。今回、各国を代表する選手を紹介するとともに、夢舞台に向けた意気込みやその想いを訊いた。

Tamás Ivosev(タマス・イヴォセフ)

Novi SadのUtsunomiya Final制覇に貢献、同大会のMVPを受賞した男は、ハンガリー代表(世界ランク29位)をけん引する選手でもある。昨年から世界最強チームに加わった男は、そこで得られた経験を母国に還元して、ラストチャンスとなる地元開催のUOQTに挑む。

「ハンガリー代表とNovi Sadを兼任することは2年目になります。昨年もそうなのですが、Novi Sadで学んだことを、ハンガリー代表に持ち帰って、共有することは去年からやっていることです。自分自身もベストなコンディショニングで(UOQTへ)臨み、結果を残してオリンピックのチケットを獲りにいきたいと思います」


Steve Sir(スティーブ・サー)

今季から結成されたカナダのEdmontonで核となるプレイヤー。大学時代の同級生に大阪エヴェッサでアシスタントコーチを務めるルーベン・ボイキン氏や、友人に秋田ノーザンハピネッツなどでプレーしたスコット・モリソン氏らがおり、日本と少なからず縁もある。同国代表(世界ランク19位)として来夏、再び戻ってくることを誓う。

「とてもオリンピックには出たいと思っています。それが僕たちの主な直近のゴールといっても過言ではないです。是非、カナダ代表として日本に戻ってきたいですね。この先3×3の環境に慣れることを優先順位高くつけて、OQTに向けて取り組み、3月のインドである試合に良い状態で臨んで、オリンピックへのチケットを勝ち取りたいと思います」


Paulius Beliavicius(パウリウス・ベリアヴィチウス)

プロサーキット参戦初年度でインパクトを残したŠakiaiの中心選手。リトアニアは世界的に見ても、バスケットボールのレベルが高く、3人制代表(世界ランク11位)も、「国を背負って対戦するときは大きな責任を感じています」と、母国のジャージを着ることの大きな意味を受け止める。今季の経験を糧に、彼らは着実にTOKYOを目指す。

「特別なことをやるよりも、これまで重ねてきた“やるべきこと”をまた重ねていくことを考えいます。フィジカル的に良い状態を保つこと、ゲームを重ねること、もっと良いシュートが打てるようになること、そういったことを日々、ステップバイステップしていくしかない。オリンピックは特別ですが、それに向けて何か特別なことをするというわけではなく、これまでやってきたことを引き続きやっていく。オリンピックの出場国として(の権利を)得られることは、ちょっとした運も関係してくると思うのですが、そこは自分たちの及ばなところなので、まずはやるべきことをやっていくしかないですね」


Nauris Miezis(ナウリス・ミージス)

現在の世界No.1プレイヤー。Rigaとして今季3度のMasters制覇、ラトビア代表(世界ランク8位)として6月のW杯で銀メダルを手にする力となった。「とても小さい国なので、人口も少なく、コミュニティーも小さいので、我々は5年、10年の付き合いで、長くお互いを知っているチーム」と、抜群のコンビネーションを武器に、檜舞台を目指す。

「このトーナメント(=Utsunomiya Final)に集中して、終わらせることが第一ですが、その後は、OQTに向けてしっかりと準備をしたい。そしてオリンピックに出場できるチケットを獲りに行きたいと思います」


Gašper Ovnik(ガシュペル・オヴニク)

2014年から結成されたスロベニアのPiranでプレーするベテラン選手(37歳)。World TourやW杯の常連チームの一員として、大事な局面で2ポイントシュートを決めるなど勝負強さを持つ。同国の代表強化に変化は訪れているが、幾多の戦いを経験したメンツでオリンピックのコートに立つ意気込みだ。

「じつは協会から今年になって、正直言うと1、2カ月前の話ですが、Piranの4選手に、もう4選手を加えて練習やコンディショニング、試合に臨んで、合計8人の中から4人をナショナルチームとして選出することを決めるという話がきています。Piranとしては今の4人が(代表メンバーに)残って、みんなそろって2020年の東京オリンピックに行けることが目標になります」


Jesper Jobse(ジェスパー・ジョブ)

Amsterdamの大黒柱として2年連続のFinal ベスト4進出、オランダ代表としてW杯では2017年と2018年に銀メダルを獲得するなど、同国を代表する選手。現在のフェデレーションランキングは世界ランク6位。バスケットボール協会とオリンピック委員会の手厚いサポートを受けて、彼らが五輪への強化チームとなってTOKYOを目指している。

「こういった世界のベストなチームが集まるトーナメント(=Utusnomiya Final)に、このタイミングで参加できたことは非常に良いことだと思います。またこの大会の結果も非常に満足の行くものだったので、僕たちの自信に繋がります。このあと少し休暇をもらって、体を少し休めてから3、4カ月集中して練習を積み、次のOQTに向けて備えていきたいと思います」


※国別、個人の世界ランキングは2019年11月24日時点

TEXT by Hiroyuki Ohashi

取材協力:クロススポーツマーケティング株式会社/FIBA 3x3 World Tour Utsunomiya Final 2019実行委員会

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