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  • 2020.10.12

落合知也が3×3 JAPAN TOURに今季初参戦! ーコロナ禍でもバスケに燃やし続ける闘志ー

10月4日に『3×3 JAPAN TOUR 2020 EXTREME Limited』のRound.6がアキバ・スクエアで開催された。FINALへ向けたレギュラーラウンドの最終戦に、ついに姿を現した男がいる。TOKYO DIMEの落合知也だ。3×3国内ランキング1位(※)、今年度の3×3日本代表候補メンバーに名を連ねる日本のアイコンである。チームのツアー2度目となるラウンド優勝に貢献した試合後、彼に早速、話を訊いてきた。

今季初戦で久々のスイッチON
―Round.6の優勝おめでとうございます。落合選手にとって、今シーズン初の3×3公式戦でもありました。試合を振り返っていかがですか。

「めちゃくちゃシンプルに楽しかったですね。公式戦はたしか1月のJAPAN TOUR(EXTREME FINAL 2019)以来です。もう1年ぐらい試合が空いた感覚でした。もちろん練習はしてきましたが、1日3試合を戦うことや試合間のリカバリー、気持ちの作り方など、3×3に対するコンディションはまだまだ仕上げていく必要があります。でも今日は“3×3やってんなー!”という気持ちで一杯でした」

―久しぶりに3×3のスイッチが入った感覚ということですね。

「いやースイッチが入りましたよ!初戦からバチバチに相手も向かってきました。激しくやり合うことは3×3ならではのことです。彼ら(=SHINAGAWA CC)にスイッチを入れてもらいましたね」

コロナ禍のシーズンにどう取り組むのか
―今シーズンはコロナ禍でWorld TourやChallengerといったプロサーキットの日程が不透明です。それでも11月には代表候補合宿が予定されており、来年の夏には延期になった東京オリンピックも控えています。どういう気持ちで、シーズンに取り組んでいこうと考えていますか。

「今季に関しては本当にすごく難しいと感じています。プロサーキットのスケジュールがはっきりしていないうえに、自分たちがどの大会に出られるのかも不透明です。この状況では正直言って、モチベーションを保つのが難しいですね。でも、やっぱり東京オリンピックがあります。それに向けて代表活動も控えているので、立ち止まっている暇はありません。僕はB.LEAGUEでコンディションを整えつつ、3×3を頭の隅に置きながらタイミングが来たときに、こちらの大会へ出ていけるように常に準備をしておこうと考えています」

―そうなると目の前の試合で結果を出すということに、まずフォーカスすることが大事になりますね。

「今後はB.LEAGUEも3×3も試合があります。目の前のゲームで自分がどこまで結果を出せるのか。これにこだわることが、個人のスキルアップにもつながります。5対5と3×3では僕に求められる役割も違ってきます。B.LEAGUEでは外国籍選手にマッチアップすることも多いのですが、3×3では体も頭も使い方すべてが変わります。もう全くの別競技です。この切り替えが上手いか、そうでないかが、3×3で活躍する選手の別れ道です。今日はリハビリというつもりではありませんが、ブランクがあったことは確かです。そこも含めて、楽しみながらプレーできたことは良かったと思います」

―11月には代表候補合宿が予定されています。招集されれば、どのようなイメージでやっていこうと考えていますか。

「まず振り返ると、これまで積み上げてきたものがあって、東京オリンピックに向かってやっていくぞという中で、コロナ禍でオリンピックが延期、代表活動もなくなりました。だから、僕はまったく新しい合宿になると感じています。ゼロというわけではないのですが、気を引き締め直して臨みます。僕は国内ランキングでTOP10にいますが、そんなの関係ないですね。目の前のイスを他の代表候補選手たちと取り合う覚悟だし、その選手たちとチームビルディングもしないといけないです。お互い切磋琢磨していこうと考えています」

プロサーキットは「恋しい」、だけど
―世界に目を向けると、すでにハンガリーで3度のWorld Tourが開催されています。LIVE配信でご覧になっていると思いますが、あの光景はどのように映っていますか。

「World Tourに出場できないことは、本当に焦りしかないですね…… いま、あの舞台で戦っているチームは、今後に向けてアドバンテージを持ったと思います。僕たちは昨シーズン、毎週末のように戦い、そこで勝てるか分からない強い相手たちが、現時点で今シーズンもトップレベルでやっている。さらに、リトアニアのUTENAのような新しいチームも出てきたほどです。

ただ、あの光景を見ることで焦りもありますが、うずうずした気持ちになりました。もちろんコロナ禍ですから、自分たちではどうしようもないことです。それでも本音を言えば、早くプロサーキットに挑戦したいですね。あの生活が恋しいです(笑)。海外転戦は大変な生活ではあるのですが、一番のやりがいなんですよ。もう生きているな!って実感できることでもあります。

それに東京オリンピックは大事ですけど、その先に続いていく国内の3×3も大事です。いままで僕たちTOKYO DIMEやUTSUNOMIYA BREXが先頭を走って、日本の3×3シーンをリードしながら積み上げてきたものがあります。それがプロサーキットから遠ざかることで、リセットされてしまうことはもったいない。どうにかして今後につなげていくためにも、JAPAN TOUR FINALや3×3.EXE PREMIER CUPで、良いパフォーマンスをしていきたいと思います。そして国内でゲームをセットしてくださった方には、本当に感謝しています」

―国内の大会と言えば、まだ来日していませんが、PREMIER CUPの登録ロスターにはUTSUNOMIYA BREXにMarko MilakovicとDusan Popovic の名前があります。彼らとも早く対戦したいですか。

「あの2人あってこそのBREXです。彼らが日本の3×3のレベルを上げてくれる存在ですね。セルビア出身のMarkoとDusanのスタンダードが世界のスタンダードになりますので、シンプルに彼らと戦いたいです」

バスケが「非常に楽しい」、見据える先は…
―今後もB.LEAGUEや3×3の試合が毎週のように続いていきますね。
「ハードなスケジュールになります。でもこれが自分にしかできないことだと思います。越谷アルファーズでの5対5と、TOKYO DIME、代表活動での3×3を両立することが、僕のチャレンジです。楽しんでいきます」

―そういう意味では言われたくないと思いますが、越谷アルファーズの一員として臨んだB.LEAGUEの開幕節では2試合トータルで出場時間は3分少々です。思うところがあるのではないでしょうか。

「そうなんですよ…(苦笑)。そこは勝ち取らないといけないです。自分がコートへ出たときにどれだけできるか、どれだけ準備ができているか。それが本当のプロフェッショナルであり、そういう選手が生き残っていく世界だと思います。どんな状況でもゲームへ出たときに、結果を残せるように練習から集中してやっていきます。

個人として開幕2戦の結果は悔しかったです。だけど、気持ちを切り替えてJAPAN TOURに臨めたことはステップアップになりました。今年で33歳ですが、日々勉強できることがあるし、成長できることもまだまだあります。もう本当にいま、バスケットボールが非常に楽しいですね」

―では最後に今シーズンの意気込みをお聞かせください。コロナ禍でイレギュラーな状況ではありますが、2021年の東京オリンピックへ向けた大事なシーズンです。

「東京オリンピックに出場して、メダルを獲る。これは僕の最大の目標です。そこに向かって、なにをしないといけないのか。もう明確にもなっています。毎日、自分としっかり向き合って、五輪の舞台に立てるように頑張っていきます」

今年4月にリモート取材で彼に話を訊く機会があった。それから約半年……
語る言葉にブレはなかった。Withコロナで取り巻く環境に難しさはあるものの、「3×3」、「バスケットボール」、そして「オリンピック」に懸ける情熱が揺らぐことはない。闘志がみなぎる強いハードで競技に取り組むパイオニアであることを、改めて感じさせてくれた。

バスケの聖地・代々木のFINALへ
さて、JAPAN TOURで彼の姿を見る機会は、来る10月17日、18日の2日間に渡って国立代々木競技場 第二体育館で行われるFINALである。6度のラウンドを経て、上位9チームが駒を進めるわけだが、男子のツアー1位はCrayon。2位にTOKYO DIME、3位にKOTO PHOENIXが続いている。

一方、女子のツアー1位はラウンドを3度制したBEEFMAN。2位にはXD(クロスディー)、3位には今季無敗だったBEEFMANをRound.6の決勝で破ったTOKYO DIMEがつけてる。大会後、森本由樹(#11)は「いつでも私たちは挑戦者です。勝ったときこそ、気を引き締めます。また全員で練習をやって、FINALでは優勝します」と、意気込みを教えてくれた。

B.LEAGUEはシーズンイン、3×3.EXE PREMIER CUPは開催と、コロナ禍でも盛り上がりが大きくなりつつある日本のバスケットボールシーン。バスケの聖地・代々木で3×3のシーズンチャンピオン決定戦も必ずや見る者にアツいドラマを届けてくれるだろう。

※2020年4月1日時点。ランキングはコロナ禍で順位の変動が凍結中。

落合知也が3x3 JAPAN TOURに今季初参戦、コロナ禍でもバスケにひたむきな気持ち

TEXT by Hiroyuki Ohashi

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