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  • 2026.08.26

富永啓生が、NBAのスーパースターと交流した思い出の体育館に登場。『次世代シュータークリニック』を振り返る

大きな拍手に包まれ、富永啓生(レバンガ北海道)がクリニックの会場に姿を現した。奇しくも場所は、彼が高校卒業後の2019年にNBAゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーと対面した思い出の体育館でもある。あれから7年。プロバスケットボール選手となり、日本代表活動期間の貴重なオフに次世代と交流したひと時を振り返る。


クリニックでのひと言「大きな意味を将来もたらす」

アンダーアーマーは、8月18日にKEISEI TOMINAGA x UNDER ARMOUR Athlete Partnership Day『富永啓生選手 次世代シュータークリニック』を開催した。会場となった東洋英和女学院中学部・高等部 体育館は、奇しくも彼が桜丘高校卒業後の2019年に三谷桂司朗(当時広島皆実高校/現広島ドラゴンフライズ)とともに参加した『UA Basketball Tour 2019 Tokyo』の開催地で、NBAのスーパースター、ゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーと交流した思い出の場所でもあった。

7年ぶりに、プロバスケットボール選手として帰ってきた富永。高校生22名と交流する立場になって「両方の立場を経験しているので、クリニックを受けた方の気持ちがすごく分かります。(参加者にとって)本当にこういうところでのひと言はすごく大きな意味を将来もたらすと思うので、そこは自分もすごく心掛けていました」と、心境を明かした。


負けず嫌いを垣間見せたゴルフの腕前。スコアは?

この日は、クリニックに先立ちトークセッションが実施された。話題は、昨夏レバンガ北海道入りして初挑戦したBリーグの振り返りからはじまり、2025-26シーズンのB1レギュラーシーズンベスト5の選出について「チームのみんなの支えがなくては受け取れなかった賞」と話した。クラブ初のチャンピオンシップに届かなかった結果こそ「悔しい」としながらも「(今後に向けて)良いステップは踏めたんじゃないかと思います」と手ごたえもあった。

また、挫折の乗り越え方に話が及ぶと、アメリカのGリーグでプレータイムを得られなかった経験を明かした。彼は逆境に直面したときこそ「本当に何をやれるか。自分で考えて試合に出れないからといって落ち込むのではなく、そこでしっかりと個人で練習して、また追いついてやろうという気持ちで日々過ごしていた」という。

さらに、トークショーでは趣味のゴルフにも触れ、彼は「そんなに大したことない」と前置きして「スコアはこの前81でした」と明かした。アマチュアゴルファーとしてかなりの腕前に、MCを含め会場にいた大人たちから驚きの声も上がったほど。富永は「やっぱりゴルフをやっている上で周りに自分より上手い人がいたら負けられないという気持ちになります」とコメント。バスケットボールだけでない、負けず嫌いの一面を垣間見せた。


高校生に寄り沿ったアドバイス。成果を出した選手も

そして、シュータークリニックでは、富永が高校生一人ひとりに向き合って、シュートがより良くなるアドバイスを送っていた姿が光った。参加者たちが5ヵ所に分かれてスポットアップのシューティングをする中、彼はそばに寄り添って高校生たちの様子をつぶさに観察。何を言っているのか耳を傾けると、その内容は相手によって様々だ。

「前に飛びすぎないように」
「ボールの縫い目に合わせてスナップを効かせて」
「膝と肘を伸ばすタイミングを合わせると、軽い力で飛ぶよ」
「真っ直ぐ浮き上がることを意識して。左に少し飛んでいるから」

また、ゲームを意識したシューティングでも、富永は要所で声を掛けた。「ディフェンスを意識して」や、ウイングに立たせたスクリーナーの使い方、相手との間合い、シュートを打つのか、ドライブに行くのかという判断の考え方など、ただシュートを打つのではなく、考えながら練習に取り組む意味を伝えている印象だった。

ただ、ちょっと彼が苦笑いして頭を抱えた場面もあった。参加した男女の高校生一人ずつとシュート対決をしたときのこと。30秒で3Pシュートを何本インできるか競う中、佐賀バルーナーズU18所属の福永健太が、9本インに成功。最後に富永がトライしたものの、7本インに留まったのだ。

勝利した福永も「やる前は全然勝てると思っていなかった」と驚いた様子だったが、シュート対決で上回って「とても嬉しかった」と話す。クリニックでは富永へ自分のシュートの課題だった「ボールの回転」を質問をしたそうで、その回答がシュート対決で奏功したようだ。彼は「今までなかったぐらいきれいにボールへ回転がかかったので、その部分で富永選手のアドバイスが良かったです」と明かした。

所属先では、ゲームをコントロールするポイントガードの役割を担う福永。クリニックを機に「点も取れるガードになっていたい」と意気込むとともに、「これからユースでもっと頑張ってバルーナーズのトップチームに絡んでいけるようになっていきたいですし、富永選手と同じ舞台に立てるようになっていきたい」と、大きな夢も語ってくれた。

一方で、富永は「高校生年代の選手と、なかなかクリニックで交わる機会は無いので、すごく新鮮な気持ちで楽しかったです。本当になにか一つでもつかんで帰ってもらえたら嬉しいなという気持ちでやっていました」と、クリニックを総括。日本代表活動期間の貴重なオフを充てての取り組みであったが、彼は学生時代にたくさんのクリニックで吸収できた経験から「そういう僕が得たことを還元していけるように頑張っていきたい」と、次世代と交流する意義も改めて強調した。

また、彼がコーチとなるシューティングクリニックは、昨年に続いて2年連続の開催。当時「シュートは教えるのがちょっと難しい分野になる」と、彼ほどの選手でも語っていただけに、この日も限られた時間で伝える工夫があったようだ。「本当にシュートは一人一人、打ち方も違えば、タイミングも違う中で、その基本的な部分、例えばベースでシュートを打つ前のポジションとか。そういうところをなるべく細かく教えられるように意識していました」と説いた。

福永健太のように、彼のアドバイスを早速ものにして成果を感じた選手は、きっと一人だけではないはず。トークショー内で、富永へ直接質問できる場面では数多くの手も上がっていただけに、高校生プレーヤーにとって学びの多いひと時になったはずだ。


8月末に代表戦「アジアNo.1だと証明できるように」

そんな次世代と交流できた経験を糧に、富永はこれからBリーグの新シーズンに向けて動き出す。アンダーアーマーにはシューズを含めて、たくさんのサポートを受けているそうで「その中で、シューズはすごく自分にフィットするし、履いてプレーすると自分の持ち味をもっともっと出せると思う。来シーズンも頑張っていきたい」と語っている。

この日、彼の足元を飾った「アンダーアーマー フォックス 3」は、日本未発売のモデル。今後国内で展開されるのか。その動向も気になるところだ。

さらに、Bリーグ開幕前には代表活動として「FIBA バスケットボールワールドカップ 2027 アジア地区予選 Window4」に臨む姿も見逃せない。2027年に開催される本大会に向けて負けられない戦い。8月27日(日本時間28日 2:00)にアウェーでサウジアラビア代表と、同31日(19:10)にホームのトヨタアリーナ東京でカタール代表と対決する。

日本代表は目下、2年ぶりにNBAで活躍する八村塁と河村勇輝がそろって合流。韓国代表との強化試合を2連勝で圧倒し、富永も第2戦こそ欠場したが、第1戦では11分9秒の出場時間で10得点と、効率のいいプレーでチームの力になった。来る大一番へ、彼は「日本のベストメンバーが今回そろっていると思います。ここで自分たちがアジアNo.1だと証明できるように、この2戦しっかりと勝利して結果で示したい」と、必勝を誓った。

次世代と交流した男が、世界の舞台で活躍する姿を改めて示せば、掛けた言葉のもたらす意味がより大きく、高校生たちの成長を促すに違いない。

富永啓生が、NBAのスーパースターと交流した思い出の体育館に登場。『次世代シュータークリニック』を振り返る

TEXT by Hiroyuki Ohashi

富永啓生

UNDER ARMOUR

1% FOR THE ATHLETES

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