FIBA 3×3 Asia Cup 2022 Report vol.2 ……3×3日本代表、本戦の予選ラウンドへ挑む
いよいよ3×3男女日本代表は本日8日より12チームによる本戦の予選ラウンドに挑む。今ラウンドでは12チームが3チームずつのプールに分かれ、1 回戦の総当たりの予選を行う。各プール上位2チーム(計8チーム)が最終10日(日)に準々決勝からはじまるノックアウトトーナメントに進出する。シード国や予備予選を突破したチームが集結するだけに、高さやフィジカル、試合の強度などを含めてレベルが一段と上がる。
6日(水)の予備予選を2連勝で突破した男子日本は、予選ラウンドでウズベキスタンとチャイニーズタイペイと対戦する。ともに相手も予備予選を2連勝を突破。ウズベキスタンはパブアニューギニアに22-10で圧勝し、カザフスタンには延長戦の末に18-16で逆転勝ち。チャイニーズタイペイはベトナムに18-17、タイに20-18と僅差の試合を制してきた。お互い2試合を経験して試合勘は養われ、海辺の横にある湿度の高いコート環境にも体が慣れているだろう。映像等でその戦いぶりも把握できる状況にあるだけに、男子日本は予備予選の課題を洗い出し、準備を徹底したい。
一昨日(6日)のマレーシア戦、イラク戦ともに男子は2戦連続でKO勝ち。失点もマレーシア戦で10点、イラク戦では13点に抑えた。ファウルトラブルも回避してワールドカップから修正の跡を見せたが、選手たちは反省を口にしてる。一定の手ごたえはあるものの、落合がイラク戦後に「ディフェンスとリバウンドは我々の課題。しっかりと向き合ってやっていかないといけない」と言えば、佐土原もマレーシア戦後には「序盤から相手にタフな2ポイントを決められましたが、そこは消せる部分でした。これができれば、もっと勝てる、もっと圧勝できた試合だと思う」とコメント。この試合では2ポイント成功を3本に留めたが、精度の高さをより一層求める。
小松の緊急合流でオフェンスの連係はミスもあり、発展途上なだけに、男子代表は「ディフェンスで取り返すマインド(保岡)」で、予選ラウンドも戦う。
一方、女子は2日間の調整を経て大会初戦に臨む。昨日7日(水)は午前と午後にチーム練習を実施。午後は会場隣接の屋内アップコートでシューティングを行った。リングが傾き、会場スタッフがすぐに直せない状況はあったものの、#32永田萌絵 (デンソー アイリス)、#33中田珠未 (ENEOSサンフラワーズ)、#6今野紀花(ルイビル大学)、#31窪田真優(桐蔭横浜大学)の4選手は落ち着いて、練習に臨んだ。
この4人のセットで臨む公式戦は今大会が初めて。それでも永田と中田は6月ワールドカップを経験し、チームのけん引役として頼もしい。今野は2018年の「第18回アジア競技大会」で銀メダル獲得に貢献した一人だ。窪田は今年2月の「3×3 Next College Monsters Festival 2022」で存在感を示し、代表まで駆け上がった新星。桜花学園高校の出身で、先輩の山本麻衣、馬瓜ステファニーが東京オリンピックで活躍する姿を見て3×3に注目し、Monsters Festivalでプレーの楽しさを知った。「5人制のバスケットボールも好きなんですけど、結構1対1で会場を沸かせるプレーをしたい派」と話していただけに、要注目だ。
さらに4人は6月のワールドカップ前にオーストリア遠征に臨んでおり、チームの仲も良さそうだ。前日練習のシューティング終わりにテレビメディアからVフリ素材の掛け声を求められた際、お互いどうするか話してからそのリクエストに一発回答。バシッと決まった。些細なひとコマかもしれないが、気軽にコミュニケーションできる関係性が感じられた。
アメリカの大学で成長し、攻撃の起点として期待される今野、鋭いドライブが魅力的な窪田、ワールドカップでインサイドの奮闘が光る中田、そしてメンバーの中で最も3×3の経験値がある永田。この4人が融合する、新たな3×3女子代表に期待が膨らむ。
男女ともにチームとしては完成はしていない。発展途上か、スタートラインに立ったところだ。メダル獲得、それも一番綺麗な色を彼ら彼女らは目指しているが、その道は簡単ではない。ただポジティブにとらえれば、アジアNo.1を決める戦いで代表チームが成長していく様を我々は見ることができる。ピック&ロールからパスがつながる、ディフェンスのスイッチでズレが起きない、試合中に選手たちがめちゃくちゃよく喋るなど、4人の連係が高まる証は随所にあるだろう。また、ミスや綻びは試合中に出ると思うが、それをチームでどう助け合い、集中力を切らさずに10分間を戦い抜けるかも、3×3で勝つ大きなポイントだ。
昨夏の東京オリンピックのように、3×3男女日本代表がバスケットボールシーンを沸かせる夏にしたい。今日はその第一歩だ。
<8日の試合日程>
本戦予選ラウンド・男子
16:25 日本 vs ウズベキスタン
21:45 日本 vs チャイニーズタイペイ
本戦予選ラウンド・女子
15:00 日本 vs インドネシア
20:30 日本 vs シンガポール
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TEXT by Hiroyuki Ohashi
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