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  • 2020.12.02

ALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT FALL 2020 FINAL TOURNAMENT Report by MC MAMUSHI

これまでこのFLYに掲載された数々の記事の通り、15周年記念大会でありながらもイレギュラーな形での開催となった今回のALLDAY FALL 2020。10月31日と11月1日のQUALIFIERを経て、去る11月21日(土)には東京新豊洲のTOKYO SPORT PLAYGROUNDのAIR RAID COURTにてFINAL TOURNAMENTを開催!TOKYO SPORT PLAYGROUNDをALLDAYだけで占有することが許され、人数制限はあったものの300人の観客たちと本戦出場の8チームと共に行われたALLDAY FALL 2020のFINAL TOURNAMENTをレポートしよう!

まずは予選Aブロックを勝ち上がってきたTeam Yと、予選Bブロックを制したSunday CrewによるGAME1!QUALIFIERではチームの絶対的エースとして攻守で活躍を魅せていたTeam YのWorth Smithが、このゲームの数日前にBリーグの岐阜スゥープスへの入団を発表。すでにチームに合流していたために、この日のALLDAYには現れず。そもそも、COVID-19感染拡大の影響で横須賀米軍基地に従事するメンバーは基地の規制により今回は参戦できない事情に加えて、エースであったWorth Smithも不在となると、元々の戦力が相当ダウンした感は否めない。

一方のSunday Crewは、ALLDAYにとってのLIVING LEGENDでもあるSOUL a.k.a OKI-DOKIとRUSSELLがQUALIFIER同様ベンチから指揮を執り、エースでありリーダーシップも見事なKyle、成長目覚ましい佐藤マクファーレン優樹、得点力に長けたGONDAやMorisho、インサイドで存在感を発揮できるIssa、かつてのALLDAY MVPボーラーであるMASAなど充実のメンバー。横須賀ファミリーとSunday CrewはこれまでのALLDAY史上、幾度となく対戦してきたカードであったが、この日はメンバーの充実とチーム力の高さでSunday Crewが終始リードをキープし、26-17で危なげなくベスト4入りを決定!この日は悔しい結果となってしまったTeam Yであったが、また世の中が落ち着いたら横須賀のベストメンバーを是非ALLDAYで披露してもらいたい。

続くGAME2はこの日の中でも指折りの好ゲームとなった!初出場のVELTEX NEXTと、直近3連覇中のBLACKTOPの一戦である。VELTEX NEXTは以前に公開したQUALIFIER Reportの通り、Bリーグ入りを目指しているチームで、メンバーたちも関東一部の大学バスケットボールで活躍してきた面々であり5ON5の実力も相当なもの。
一方、この3年間ALLDAYで負けなしのディフェンディングチャンピオンであるBLACKTOPはかつてのリーダーKOSUKEも、インサイドの要であるMARTELも不在。新リーダーOTOによる新生BLACKTOPと言っていい布陣で臨んだ今大会。

さて、ゲームがスタートしてみるとBLACKTOPは徹底的にOTOがスコアラーとして連続得点を重ねる展開。チームメンバーもOTOのOFを献身的にサポート。VELTEX NEXTは、ストリートボール業界で最注目されているOTOとの攻防を楽しみながら、RINやKEITAといった実力あるボーラーがアウトサイド、インサイドで着実にスコアを返し、終始僅差のやり合いが続く。

その応酬は後半に入っても続き、残り時間僅かの勝負所でOTOがスコアしリードを奪ったBLACKTOP。VELTEX NEXTは逆転のチャンスは数度あったものの、この勝負所のシュートを決めきれず27-25のワンゴール差でBLACKTOPがGAME2を辛勝という形で制した。VELTEX NEXT、最後の最後までチームプレイを徹底していれば勝利できたように思えたゲームであったが、何人のDFに囲まれようともメイクしてくるOTOとの対戦に集中し過ぎてしまったようにも感じたゲーム終盤であった。ただ、これもストリートボールの醍醐味のひとつとも言えよう。まるでNYCストリートボールで一世風靡したKareem Reid a.k.a. The Best Kept Secretや2 Hard 2 Guardのようなスコアリングマシンっぷりを発揮していたOTOと真っ向勝負した形で勝ち切りたかったようにも見えた。見事勝ち切ったOTOも素晴らしかったし、VELTEX NEXTは真っ向勝負に挑んだために生まれた好ゲームだったと思う。

GAME3では、前回のALLDAYファイナリストであるCRAYONと、ALLDAY史上最多優勝回数を誇るUNDERDOGの一戦。CRAYONは前回準優勝の立役者であるRyan TanaにSpencer JenningsがFIBA 3x3 WT Doha Mastersに出場するためドーハ入りしていたために不在。また、QUALIFIERにCRAYONのロスターとして現れた211cmのMatthew Kyleもこの日は現れず。CRAYONにとってのオリジナルメンバーたちも集い、元々は駒沢や代々木でのピックアップゲームで名を馳せてきたボーラーたちが気を吐くも、UNDERDOGの牙城を崩すことができず34-22の大差でUNDERDOGが準決勝に進出。

UNDERDOGは今大会のために相当のチーム練習と、現役プロ選手たちを含めたロスター候補たちの選出に相当な準備を重ねてきていた。今のリーダーでありエースとしてチームをまとめるDAISUKEの集中力が素晴らしく、ファールゲームとなってからのフリースローもほとんど外すことなくCRAYONの追随を許さなかった。

また、筑波大からBリーグを経て、YouTubeを含めた独自の活動に注目が集まる青木太一ことアオキックスも攻守で猛威を振るい、NAOYAやDAIZENといった好ガードがアウトサイドから援護射撃。そして、現役の高校生ボーラーであるJUONという新星の登場もインパクトがあった。UNDERDOGがストリートボール業界のタイトルを総舐めにしていた時代に中学生であった彼は、浅草で開催されていたUNDERDOGも登場するイベントに通い詰め、昨年末開催された浅草バスケ祭での活躍から抜擢された最年少メンバー。QUALIFIERで活躍していたALLDAY優勝経験者たちのTAKAKUやTATSUROがFINAL TOURNAMENTには出場できなかったものの、その影響を感じさせなかったパフォーマンスを魅せたUNDERDOGであった。

GAME4には、予選Gブロックを制した千葉柏の勉族と、Hブロックを勝ち抜き初めてのFINAL TOURNAMENT出場となった44STREETの対戦。QUALIFIER突破の原動力であった勉族のYASUOとダークロがそれぞれ別の活動があったためにロスター入りできず、業界屈指の試合巧者として知られる司令塔ぬまも奮闘するも、QUALIFIERでALLDAY史上最多得点という記録を叩き出した44STREETの得点力に対抗することができず、49-20という超大差のゲームとなってしまった。

若手ストリートボールクルーの中でも今最も旬な44STREETと、ベテランでありながらもその引き出しの多さから数々のビッグゲームを制してきた勉族の総力戦は期待できたのだが今回は仕方ない。また、次回のチャンスに期待しよう。

ベスト4にはALLDAY史上最多優勝回数を誇るUNDERDOGと、UNDERDOGに次いで優勝回数の多いSunday Crew。そして直近3年間のALLDAYで負けなしのディフェンディングチャンピオンBLACKTOP、そして初のFINAL TOURNAMENT進出の44STREETという魅力的な4チームが出揃った。

SEMI FINAL1では、Sunday CrewとBLACKTOPが激突。前ゲームのほぼ全てのスコアを1人で稼いだOTOがこの前半不発に終わり、なんと前半終わってBLACKTOPのスコアは3P一本の僅か3点。
一方、Sunday Crewは充実のロスターに持ち前のエナジーで着実にスコアを重ね、後半に入ってOTOにエンジンがかかるも、これをチーム全体で抑えることに成功。結果、27-21でSunday CrewがBLACKTOPの4連覇への道を途絶えさせる結末となった。

時代は違うが、かつてALLDAYがスタートしたばかりで毎月開催されていたトーナメントを4大会連続で制したキャリアを持つSunday Crewが、最新の王者であるBLACKTOPに初めて土を付けたという物語は個人的に感慨深いものがあった。SOMECITYを制し、ALLDAYも制したBLACKTOPも今現在はひとつの過渡期にいるようで、新生チームをビルドアップしている時期なのだろう。自身のパフォーマンスにも、チームのパフォーマンスにも納得のいっていない様子であったOTOはゲーム後は口数少なく、周りが何を言う必要もなく課題を認識している様子だった。ただ、1人がゲームを支配するという姿を魅せつけたOTOの在り方は素晴らしく、ベストなボーラーのひとりであることは疑いようがない。願わくば、OTOに対抗するようなボーラーがBLACKTOPから生まれ、チームとして生まれ変わりに期待したい。

SEMI FINAL2をこの日のベストバウトと挙げる声が多かった。UNDERDOGと44STREETの一戦である。お互いの持ち味を最大限発揮したノーガードの打ち合いとはまさにこのことだろう。終始僅差の展開、逆転の応酬。最後の勝負所で不運なターンオーバーをしてしまったUNDERDOGが1点差でこのゲームを落とすことになったが、どちらが勝ってもおかしくないゲームだったと皆が口を揃えた。

44STREETの素晴らしさはこのあとの決勝戦のパートで語るとして、ここでは生まれ変わりを魅せたUNDERDOGについて少し書き記そう。ALLDAY最多優勝はもちろんのこと、SOMECITYや黎明期にあった3x3、想像できる全てのゲームを制し絶対王朝とまで呼ばれた時代を築いたUNDERDOGであったが、当時のオリジナルメンバーたちはBリーグ挑戦やそれぞれの活動にフォーカスすることになり、そのレガシーは今のメンバーたちに継承されることになったのがもう数年前。直近のALLDAYでは予選敗退などもあり、「UNDERDOGはもうかつてのチームとは別物になってしまった」などと揶揄されることもあっただろう。

かつてのレガシーを新メンバーたちが継承できるのかというプレッシャーに苦しんでいたようにも見えた数年であったが、今回のALLDAYで見事生まれ変わったという印象を持った。その立役者がDAISUKEなのだと思う。学生時代のキャリアも抜群で、実業団チームで何度も日本一を経験していた当時のDAISUKEを自分は「アマチュアバスケットボールシーンで最強のボーラー」と称したことがある。恵まれた体躯に恵まれた才能、全てのポジションをこなすことができるIQの高さ、どれをとっても一級品であったが、ストリートボールの戦場では戦い方がまだソフトであったと記憶している。それがどうだろう、今大会では果敢にリングにアタックをし、何度もフロアに身体を叩きつけながらも果敢にアタックを続けていた。まさにストリートボールの戦い方であった。強風吹き荒れる新豊洲のプレイグラウンドではアウトサイドシュートは水物、いかにリングにねじ込むかという戦略もときに必要なストリートの戦い方を一番実践していたと思う。

また、チームに伝播したメンタリティも素晴らしかった。UNDERDOGファミリーを見渡せば、現役のBリーガーたちを招集することもできただろうし、セルビアから来日中の3x3に特化した面々ももちろんロスター候補にはあった中、DAISUKEは今回それをしたくないと頑なだったと聞いた。ALLDAYのために共に練習で積んできたメンバーと出るべきだと決断したDAISUKEとメンバーたちのそれは英断だったのだろう。今のDAISUKEが、当時UNDERDOGを創設したM21の姿とかぶって見えた。彼のメンタリティーの整いが、今大会のUNDERDOG躍進の要であったことは誰も疑わないだろう。DAISUKEを今大会のベストと挙げる声も多かった。

そして迎えた今大会のラストゲーム、久しくALLDAYの優勝争いから遠のいていたものの、見事復活を遂げたSunday Crewと、今まさにノリに乗っている44STREETによるFINALである。サイズのアドバンテージはSunday Crewにあったものの、機動力、ボールを扱うスキル、そしてどこからでも1ON1を仕掛けられる44STREETがイニシアチブを握り、ファイナルスコア44-36で見事初優勝に輝くこととなった!このゲームではもちろんのこと、トーナメントを通してチームのリーダーであり、勝負所で決定打をメイクし続けたKKがMVPを受賞!

KKという絶対的エースであり、プレイで引っ張るリーダーを中心に実に魅力的なボーラーが集った今回の44STREET。司令塔には、富山大学の現役プレイヤーであるRYOが実にアメイジングなパスを飛ばし、岩手から駆けつけたSENは決定力の高いミドルレンジでスコアを重ね、名古屋随一のファンタジスタとして知られるTORUも躍動。とんでもない跳躍力と体感の強さで会場を唸らせていたWATARUに、高校時代からずば抜けた身体能力でハイライトを量産していたREIAといった粒揃いの面々が実力もパフォーマンスも今大会のベストであった。どのゲームもハイスコアで勝ち上がってきた44STREET、今大会で最もボールを動かしオフェンシヴなプレイで魅了してくれた新王者である。

ALLDAYを15年間キープしてきて毎度感じるのはALLDAYの数ある見どころの中でも、業界やチームの新陳代謝の最新情報を感じれるということだ。今回のチャンピオンである44STREETは過去には歯車が噛み合わない時期もあったが、今は全てが上手くいくようなノリノリの様子だし、ベテランでありながらも見事チームの生まれ変わりに成功したSunday CrewやUNDERDOGも魅力的であった。一方、過渡期にあるBLACKTOPなどがどう生まれ変わるのかも、また次回のALLDAYで感じることができるだろう。日本のストリートボールにとって盛者必衰の理を肌で感じることができるALLDAY。次回の物語は来年の春にまた代々木公園で開催したいと思っている。
「おー、ひさびさ!元気にやってた?調子どう?」そんなノリでその年その年の日本のストリートボールの隆盛を知れるALLDAY、15周年ありがとう!まだまだ続く日本のストリートボールとALLDAYを今後も楽しんで!またね!

ALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT FALL 2020 FINAL TOURNAMENT Report by MC MAMUSHI

TEXT by MAMUSHI

http://alldaymag.com

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