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  • 2025.10.03

NBAとAWSが新たなパートナーシップを発表

NBAとAmazon Web Services(AWS)が、リーグの次世代イノベーションの推進に向けて、複数年にわたる新たなパートナーシップを結んだことを発表。
このパートナーシップにより、AWSはNBAと関連リーグ(WNBA、NBA G リーグ、バスケットボールアフリカリーグ、NBA Take-Two Media)の公式クラウドならびにクラウド AIパートナーとなる。
その詳細は以下となっている。

NBA とAWS は、パートナーシップの一環として、NBA が有する数十億に及ぶデータをインサイトに富んだ体験に変え、世界中のファンのバスケットボールの試合への関わり方を再定義する新たなバスケットボールインテリジェンスプラットフォーム「NBA Inside the Game powered by AWS」を立ち上げます。

このプラットフォームは、業界をリードする AWS の AI インフラストラクチャを活用することで、ライブ中継を強化し、NBA 公式アプリ、NBA.com ウェブサイト、リーグのソーシャルチャンネルのすべてにおいて、より良いファン体験を実現する機能を提供予定です。

NBA エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 メディアオペレーション&テクノロジー部門責任者ケン・デジェナロ(Ken DeGennaro)は今回の発表にあたり、次のように述べています。「AWSとのパートナーシップは、イノベーションを通じてライブゲーム体験をさらに高め、今後何年にもわたりバスケットボールへの理解を深めていただく機会を提供してくれるものです。AWSは、独自の統計的インサイトを提供し、NBAファンの心に響く革新的な体験を世界中に届けてきた実績があります」

AWS プロフェッショナルサービス&エージェンティック AI 担当バイスプレジデント フランチェスカ・バスケス(Francessca Vasquez)は次のように述べています。「AWS は、スポーツの可能性を広げる NBA のビジョンに深く共感しています。今回のパートナーシップでは、新たなインサイトの提供から、ファンを大好きな試合により近づける体験の創出まで、クラウドと AI がバスケットボールの再定義にどのように貢献できるかを示すものとなるでしょう。私たちは共に、テクノロジーの提供を通じて、中継放送やデジタルプラットフォームを強化するだけでなく、選手やコーチ、そしてファンがバスケットボールを理解する方法を変えていきます」


AI を活用した高度なスタッツ
NBA は、AWS の AI 技術を活用して、試合中にライブでスタッツと包括的な分析をファンに提供します。この新しい高度な統計プラットフォームではNBA 選手のトラッキングデータを処理し、機械学習と AI で 選手の体の動きを29 の部位から分析、試合の流れに沿って解釈したうえで、リアルタイムにインサイトを生み出します。ファンは、NBA 公式アプリや NBA.com ウェブサイト、さらには 「NBA on Prime」などでの NBA の試合ライブ中継中に、新しいスタッツでより深い理解を得ることができます。

NBA と AWS は2025-26 シーズンを通して、これまで測定されることのなかったバスケットボールのパフォーマンスの一面をAI を活用して捉えた新しいスタッツを提供していきます。最初に登場するのは次の3つです。


●Defensive Box Score(ディフェンシブ ボックス スコア):バスケットボールの基本指標の再定義
Defensive Box Score は、従来の統計では計測できなかった個々の選手のディフェンス貢献を数値化します。AI アルゴリズムにより、各オフェンスプレーヤーに対して誰がディフェンスしているかをリアルタイムで判定。これにより、従来のボックススコアに「そのスタッツが記録された際のディフェンダー情報」を付加できるようになります。さらに、ボールプレッシャー、ダブルチーム、ディフェンススイッチといった新しい指標も計測・表示可能となります。


●Shot Difficulty (ショット難易度):シュートの科学
Shot Difficulty は、従来の「入った/外れた」という結果だけでなく、各シュート試行のあらゆる要素を評価します。新たな指標として「期待フィールドゴール成功率(Expected Field Goal %)」を導入し、シューターの姿勢や体勢、ディフェンスによるプレッシャーや干渉、コート上での各選手の位置など多様な要素を考慮します。これにより、得点機会ごとのスキルや戦略への理解が一層深まります。


●Gravity (選手の引力):目に見えない影響を数値化
Gravity は、コーチやアナリストが長年目にしてきた、特定の選手がボールを持たずともコート上にいるだけでチームに有利をもたらす現象を、数値として表現します。この指標では、選手がどの程度ディフェンスの注目を集めているか、ボール保持の有無に関わらず、どれほどタイトにマークされているかを測定し、味方に生み出すスペース量を定量化します。この革新的なシステムは、1秒間に60回の光学トラッキングデータを処理し、専用のニューラルネットワークを用いてディフェンダーの反応を解析。リアルタイムの試合状況や過去データも加味して評価します。


バスケットボールのインテリジェンスを変革
「NBA Inside the Game powered by AWS」には、AI を利用して、数千もの試合を通して選手の動きを分析・理解する、これまでに例のないテクノロジーである「Play Finder」を搭載予定です。この機能は、Amazon Bedrock や Amazon SageMakerなどの AWS のサービスを利用することで、類似のプレイを瞬時に検索できるようにし、将来的な選手のトラッキングデータと生成 AIの融合に向けた基盤となります。また「Play Finder」 では、試合結果と高度な分析を組み合わせることで、ファンや放送事業者に一般的なオフェンス戦略を理解し、深いインサイトを得られるようサポートします。

「Play Finder」はまた、リアルタイムのアラートシステムを搭載予定です。これにより、解説者は歴史的背景や戦略的なインサイトをより迅速に伝えることができ、すべての試合のライブ中継が視聴者にとってさらに魅力的で、学びのある、インサイトに富んだものとなります。NBA チームは、この「Play Finder」を支える機械学習モデルに直接アクセスすることが可能で、各チームのフロントオフィスやコーチングのワークフローの改善に活用されます。

この「Play Finder」は今後もさらに進化し、ファンは NBA 公式アプリ上でかつてない詳細さでバスケットボールの戦略を探求できるようになります。


グローバルなファンエンゲージメント
世界中のファンに一年を通して NBA の試合と関連番組を届ける NBA 公式アプリ、NBA.com ウェブサイト、NBA League Pass は AWS 上で稼働します。AWS とのパートナーシップを通じて、NBA はファンにチーム戦略やコート上でのプレイにつながる考え方を理解するための新しい独自の機会を提供し、世界中でバスケットボールの普及を加速します。また、NBA と AWS は様々なプラットフォームにおいて、各国の言語に対応したコンテンツとパーソナライズされた体験をファンに提供します。

今回のNBAとAWSのパートナーシップにより、NBA と Amazon との戦略的関係はさらに広がることになります。今シーズンから Prime Video の 11 年間にわたる画期的なメディア権利契約がスタートし、Prime Video において、NBA レギュラーシーズンの 66 試合が世界中でストリーミング配信されるほか、新たなインタラクティブ機能も導入される予定です。「NBA on Prime」の開幕戦を飾るのは昨シーズンのプレーオフで激突した強豪チーム同士の2 試合です。日本時間 2025 年10 月25 日(土)午前 8 時 30 分からのニューヨーク・ニックス対ボストン・セルティックス戦を、午前 11 時からミネソタ・ティンバーウルブズ対ロサンゼルス・レイカーズ戦を配信します。

NBA

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