ナイキのサステナビリティへの取り組み
①INTRODUCTION / はじめに
気候変動への対策が早急に求められる中、ナイキはアスリート*、そして地球のためにより良いソリューションを生み出しています
ナイキではスケール感のあるアイデアがゲームを変えていきます
ナイキ(1)は、世界の都市(2)の気候変動に影響を与えています。これは一企業が果たすべき重要な役割であり、小さなことが大きな変化につながることから、自分たちの行動すべてを見直すきっかけとなっています。
イノベーションは、ナイキのDNAの一部です。そして、マラソン2時間切りへの挑戦やゴミとされていたものを宝物に生まれ変わらせる原動力です。ナイキでは、製品をどのように作るのか、それをどのようにアスリート(3)に届けるのか、さらには使用後の製品をどのように回収して新しいものに変身させるのかまで、ナイキの全ての活動のあらゆる側面を常に見直しています。そして、そのプロセスを拡大する方法も検討しています。
私たちはこれまでの成功を生かし、次の障壁を打破することを模索しています。そこで、私たちは科学に基づいて目標を設定し、人々とこの美しい青い地球が繁栄する未来を創造できると考えています。
②MATERIALS & DESIGN / 素材とデザイン
低炭素素材の代替品を増やし、最初から廃棄物を出さないようにデザインする
現在、ナイキ、ジョーダン、コンバースの全製品の78%が何らかのリサイクル素材を使用しています。カーボン フットプリント全体の約70%を占める素材を調整することは、環境への影響を軽減する最大の機会の一つであるため、この数字を増やすよう努めています。
具体的には、生産する多くの製品の素材に、スタイルや性能を損なうことなく、低炭素の代替素材を使用する方法を検討しています。例えば、主要素材(ポリエステル、コットン、レザー、ゴム)のうち、低炭素素材の使用率を50%に引き上げることで、2025年までに50万トンのGHG排出量削減を目指しています。
■リサイクル ポリエステル
ナイキは毎年、リサイクル ポリエステル(4)を使用し、デザイン、製品作りをすることで、10億本のペットボトルが埋め立て地や水路へいくのを回避しています。
ナイキ テンポ ランニング ショーツ(5)やグローバル フットボール キット(6)などの製品にリサイクル ポリエステル(7)を使用することで、何十年にもわたって廃棄物削減に取り組んできました。
ナイキ エア ズーム スーパーレップ 2 ネクスト ネイチャー(8)やナイキ ビクトリー G ライト(9)などのパフォーマンス フットウェアでは、リサイクル ポリエステルの使用方法を再考しています。
■ナイキ クレーター フォーム
スペース ヒッピー(10)は、クレーター フォームの導入もあって、素材の使用に新たな可能性をもたらしました。標準的なフォームに約10%のナイキ グラインド(11)ラバーをブレンドすることで、より低炭素なフォームを実現しています。私たちは、コズミック ユニティ(12) のようなパフォーマンス製品や、新しく発売されるナイキ クレーター インパクト(13)のようなライフスタイルモデルで、この革新的な素材の可能性を広げています。
③SUPPLY CHAIN / サプライチェーン
より良いシステムを構築するために各コンポーネントを再考する
私たちは、契約工場や材料サプライヤー(17)と協力して、生産方法やエネルギー調達のより良い代替案を見つけることで、拡張されたバ リューチェーン(18)全体で気候変動に取り組んでいます。私たちのエンド・ツー・エンドのアプローチは、製品のライフサイクル全体を 通して、炭素エネルギー、廃棄物、化学物質、水に焦点を当て、世界中の人々や場所の環境改善に貢献しています。
グローバルコミュニティに貢献する総合的なアプローチ
■カーボン/ 炭素
時に成功とは、より過酷な方を選択し、そこに留まることを意味します。社内の連携やプロセスが想定よりもうまくいかなかったことも あり、20 年度のカーボン目標を達成できませんでした。詳細はこちら(19)をご覧ください。
私たちは、自分たちのアプローチを調整し、サプライチェーン内での連携を強めて新しいアプローチを模索しながら、ペースを維持して います。
私たちは、今後も 2020 年の炭素排出量レベル以下を目指します。しばらくの間、他社に追随することになるかもしれません。もしもペースが維持できない場合、5 年間で排出量が約 30%増加する可能性があります。
■エネルギー
過去 10 年間にサプライヤーと協力して、世界で 50 台のボイラーの廃止、最適化、分散化を行いました。その結果、1 足のフットウェアを生産するのに必要なエネルギーを 10%削減することができました。
蒸気ボイラーの使用は魅力的ではありませんが、フットウェアの製造プロセスで欠かせないものです。しかしながら、効率が悪く、化石 燃料に依存しており、エネルギーを消費しています(20)。
■廃棄物
廃棄物に関する真実:ゴミは宝物である。
私たちの偉大な発明のひとつがナイキ エア(21)です。ナイキ エアは、最も持続可能なイノベーションのひとつでもあります。ナイキ エアの製造過程で出る廃棄物の 90%以上を再利用することができ、多くの場合、それを新しいエア バッグに変えています。これにより、ナイキ エアのソールはすべて、少なくとも 50%のリサイクル素材を使用しています。エアの可能性を追求することで、エア マックス ゲノム(22)のような革新的で環境負荷の少ないフットウェアを作り、ナイキ ネクスト ネイチャー フットボール(23)のようにエア バッグのスクラップを再利用する新しい方法を生み出すことができるのです。
④OPERATIONS & RETAIL / 運用と小売
ナイキのオペレーションとリテール:最後までやり遂げ、再スタートを切る
製品がアスリート*に届けられ、最終的にアスリート*から戻ってくるまでの最後の段階は、サステナビリティの中でも最も困難なものの 一つです。私たちは、カスタマイズのオプションや、翌日配達の期待に応えながら、商品を丁寧に綺麗な状態で届けることを前提として います。そのため、私たちは人気のある製品をどのように届けるか、すべてを再考しています。
創意工夫、科学、闘志によって実現される、より強力なラストマイル
■物流
ナイキでは、サステナビリティの視点から物流を再構築しています。在庫の輸送方法を調整し、製造予定を海運の出港予定に合わせるこ とで空輸を減らしました。今後、パリや中国の主要都市のコンシューマーには、注文商品が電気自動車(25)で配送されるようになります。 北米のロジスティックス キャンパス(社屋)の電力はソーラーパネルから供給され、近隣地域へも電力を供給しています。私たちの目標は、ナイキ所有および運営施設での温室効果ガスの絶対排出量 70%削減を推進するため、2025 年までに 100%再生可能電力の使用及び車両電化(26)を達成する計画です。
■製品使用後
ナイキでは使用後の製品または不良品を寄付、修理、リサイクする数量を 2025 年までに現状の 10 倍にするという目標を設定しています。この目標の達成に向けて、コンシューマーの使用済み商品を簡単に回収できるようにしています。1992 年から北米とヨーロッパで実施しているこの Reuse-A-Shoe(27) プロジェクトを中国の店舗へ拡大し、この活動を再度活性化させていきます(28)。近年では、北米の一部の店舗で NIKE Refurbished(29)を立ち上げました。また、アップサイクリングのワークショップを主催したり、プロダクトの寿命を伸ばすための修理とお手入れに関するビデオ(今夏配信開始予定)など関連コンテンツも提供しています。