• FEATURE
  • 2022.02.28

『3×3 Super Circuit 2022』は後半戦へ……BEEFMAN NEXTとNINJA AIRSがFINALの出場権を獲得

世界大会につながる国内予選は後半戦に突入。関東では平均年齢22歳のBEEFMAN NEXTが3月のFINALへ名乗りを上げ、関西ではお馴染みのNINJA AIRSが例年以上に意欲を燃やして勝ち切った。チームを引っ張る男たちが、3x3に取り組む“いま”を語る。

関東の若手と、関西の名物
 世界大会(※)につながる『3x3 Super Circuit 2022』が後半戦を迎えた。7度の予選ラウンドのうち、2月11日にRound.5 IBARAKIが開催され、BEEFMAN NEXTが4戦負け無しで3月13日のFINALへ進出。選手たちの平均年齢は22歳。チームとしての実戦経験はまだ少ないものの、10代中頃から3x3に取り組む改田拓哉(#2)が仲間を引っ張り、Round.4 CHIBAに続く2度目のチャレンジを成功させた。

 そして2月19日にはRound.6 KYOTOが開かれ、NINJA AIRSが4戦全勝でFINALへ名乗りを上げた。関西3x3シーンの名物選手である柏尾耕資(#3)を中心に、運動量とコンビネーション、バスケを楽しみ倒すテンションの高さで、予選突破を決めてみせた。

BEEFMAN NEXTの頼りになる21歳
 BEEFMAN NEXTは21歳の改田拓哉を軸に、Alex Jones(#0)、小柴亮太(#22)、葉山郷(#14)の4人で、3x3の大会常連チームなどを破ってみせた。予選プールでHIU ZEROCKETSに21-10で快勝すると、SENDAI AIR JORKERを延長戦の末に21-19で撃破。続く準決勝ではKAMAKURAを21-19で振り切り、決勝ではWILDBALL 3x3を21-14で押し切った。試合後、改田は「嬉しいですね。なかなか勝てない時期が続いたので、優勝できたことに意味があると思います」と、顔をほころばせた。奇しくも開催場所は彼が昔から練習や試合を重ねてきた、つくばにある体育館。「ここでどれだけ練習をしてきたことか……」と、思い入れのある場所でもあった。

 彼は昨春より、中学生時代から慣れ親しんだALBORADAを離れ、3x3の活動をBEEFMANへ移した。さらに、今年1月のRound.4 CHIBA(1月16日)からは、BEEFMAN の若手メンバーで構成されたBEEFMAN NEXTを引っ張っている。3x3デビューは2015年頃。2017年には3x3 U18日本選手権で優勝を経験し、2021年にはオープンカテゴリーの3x3日本選手権で準優勝するなど、21歳とは言え、競技経験は抱負で頼りになる選手だ。ただ、Round.4 CHIBAでは、新加入の小柴や葉山らと出場したが、3チームによる予選プールで2連敗。総得点は最多タイだったが、当時は結成して間もない時期で戦い方も定まっておらず、勝ち星を取り逃がしていた。

 それでも、約1ヶ月にわたって練習を積んだことで、お互いの良さを知り、Jonesも合流して連係を深めることができたそうだ。改田は「3x3の経験値は足りない選手が多いものの、個々の能力は高い。それをどうやって引き出してあげるか。それを自分なりに考えました」と話す。Jonesで言えば196㎝のリバウンドとアタック、小柴にはスピードと抜群のジャンプ力を生かしたドライブがあり、葉山には2ポイントを決める力がある。各自の強みを、チームとして一つに収れんできるよう、試合中はもちろん、試合後に改田が中心となって、話し合う輪も見られた。リーダーとして振る舞う姿が、そこにはあったのだ。

 かつてALBORADAでは競技を熟知した仲間たちと、BEEFMANでは先輩たちと3x3に取り組んできたが、新たな立場で競技に向き合う“いま”を次のように改田は語ってくれた。

「ALBORADAからBEEFMANに来て、文化の違いがありました。チームによってプレーや練習などに対して色々な考え方があったんですよね。その対応に少し時間がかかりましたが、どういう立ち振る舞いをしたらチームとして良い方向に行けるのか。1年やってきて(そのやり方を)つかめてきました。選手としての幅が少し広がったようにも感じています」

今季は「結果にこだわる」NINJAの理由
 一方で、NINJA AIRSは柏尾耕資(#3)を筆頭に、沼崎弘貴(#13)、仲西佑起(#7)、大野一星(#30)の4人で大会を勝ち切った。予選プールではIRIS PARTNERSを22-16、SBBを19-10で下すと、準決勝でEGOISTを21-12で退けて決勝へ。同じ関西を主戦場に活動する高岡蓮らKYOTO BBのメンバーを擁するBACKDOORに21-16で勝利を収めた。

 彼らと言えば、点取り屋である柏尾が2ポイントを決めることで広げたスペースを、沼崎や仲西、大野とのコンビネーションで突いていくチーム。サイズやフィジカルで劣る場面はあるものの、運動量を武器にアグレッシブに仕掛けてくる。そのノリノリなスタイルと、ときより忍者のポーズを取って見せる賑やかな姿が重なるだけに、見る者へ“何か起こしてくれそう”というワクワクを抱かせることが多い。だから、バスケに取り組むスタンスは勝ち負けよりも、どれだけ楽しめるか。それが大事だった。

 ただ、この日は試合後に少し様子の違うコメントが寄せられた。柏尾は「久しぶりの3x3の大会で楽しかったです。本当に。一番は楽しかった」といつも通り切り出しつつも「今年は“内容よりも結果”にこだわってやろう。(そういった気持ちで)今大会に向けてかなりチームとして気合を入れた準備して、挑めました」と言葉を続けた。

 もちろん、それには理由があった。彼によると1月の3x3日本選手権予選(中日本ファイナル)で「すごい負け方をしました。本当、準備不足でやってしまいました」と明かす。予選1試合目は快勝したが、2試合目のSANJO BEATERS戦を落として3月の本戦行きを逃していたのだ。痛い敗戦を受けて、勝利に対して例年以上に意欲を燃やすようになった。

 「僕たちは、一番目立つチームを目指している中で、今季は結果にこだわります。今までは楽しかったらいい、良い試合をしたらいい、みたいな気持ちが正直ありました。でも、それが自分たちの言い訳になっているんじゃないかと。自分たちらしく楽しく、スタイルを貫ているときが一番強いので、勝ちに行きますよ」

FINALへの切符はあとわずか
 現在、FINAL(3月13日)行きを決めたチームは6チームを数える。前述の2チームに加えて、TOKYO DIME(Round.1)、YUWA MONSTERS(Round.2)、Solviento Kamakura(Round.3)、SHINAGAWA CC(Round.4)の4チームである。

残る予選ラウンドは3月6日に開催予定のRound.7 TOKUSHIMAのみ。最後の1枠をかけたワイルドカードがFINALの前日にあるものの、エントリーの申込権利はRound.1からRound.7のいずれかに出場したチームへ与えられる条件付きかつ、先着順だ(ワイルドカードのエントリーは現在受付中。定員が一杯の場合はキャンセル待ち)。
 FINALへの切符はあとわずか。世界大会を狙うもよし。3x3をとにかくやってみるもよし。まだ、エントリーをしていないチームや、敗れてもなおチャレンジしたい意欲的なチームを『3x3 Super Circuit 2022』は待っている。

<今後の大会スケジュール(予定)>
Round.7 2022年3月6日(日)徳島
ワイルドカード 2022年3月12日(土)茨城
FINAL 2022年3月13日 (日) 東京(LIVE配信予定)

※国際バスケットボール連盟(FIBA)の判断により『3x3 Super Circuit 2022』の主催者が確保予定の『FIBA 3x3 Challenger』が中止になった場合は、出場権も無くなる見込み。

『3x3 Super Circuit 2022』は後半戦へ……BEEFMAN NEXTとNINJA AIRSがFINALの出場権を獲得

TEXT by Hiroyuki Ohashi



PHOTO by Jeremy Renault

https://handoff-all.jp/2021/11/25/3x3sc22/

RELATED FEATURE

MOST POPULAR