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  • 2021.08.05

3×3の国内代表チームを決める一戦「Red Bull Half Court 2021」

 東京オリンピックを湧かせた3人制バスケットボール3x3(スリーエックススリー)。その注目競技を「翼を授ける」のタグラインでお馴染みのエナジードリンクブランドRed Bullが盛り上げる。今週末、同社が主催する世界的な3x3トーナメントの国内代表チーム決定戦だ。

Red Bull Half Courtとは?
 Red Bullが主催するグローバル3x3トーナメント「Red Bull Half Court 2021」。世界20か国以上で開催され、2021シーズンはのべ15,000人の参加が見込まれているスケールの大きな大会である。ルールはFIBA(国際バスケットボール連盟)が定める競技規則をベースに、一部オリジナルルールを採用(※)。これまでトルコ、ギリシャ、ドイツ、エジプトなどで優勝チームを決めるFinalが開催され、セルビアでは日本の3x3ファンに知られた存在である元UTSUNOMIYA BREX.EXE所属のMarko MilakovicもNOVI SADの一員としてチャンピオンになった。そして各国の覇者には、今年9月にロシアで開催される「Red Bull Half Court World Finals」で世界一を懸けた舞台がセットされている。


世界への切符は誰の手に
 そして日本でも今年5月より全国5つの地域で6度の予選会が行われ、いよいよ今週8月8日(日)にJapan Finalを迎える。予選会で優勝した5チーム(1チーム出場辞退)に、Finalの前日に開かれる敗者復活戦を勝ち上がった2チームと、大学バスケメディア・CSParkが送り込む現役大学生によるスペシャルチームを加えた合計8チームが集結。4チームずつの予選プールで総当たり戦が行われ、各プール上位2チームずつが4チームによるノックアウトトーナメントで頂点を争う。世界大会への切符を手にするチームはどこになるのか。ここでは予選を突破した5チームを紹介したい。あいにくコロナ禍のため、大会は無観客試合となるが、東京オリンピックを湧かせた3x3をさらに盛り上げるべく、国内のボーラーたちもきっと熱い戦いを見せてくれるに違いない。(選手情報は予選時点。Finalでは最大2名まで入れ替えができる)

「全員がやれる」融合する個性・ALLBLUE
 関西予選はALLBLUE(オールブルー)が制して、Finalへ駒を進めた。兵庫の競技シーンを盛り上げるEPICを 21-11で撃破した顔ぶれには、3x3やストリートで腕を磨いた実力者がそろう。静岡のYAIZU GR UNITEDで活躍する芳賀三四朗(179㎝/72㎏/写真右から2番目)をキャプテンに、同チームへ所属し3x3日本代表経験者である川内滉大(175cm/80kg/写真左から2番目)、滋賀のNINJA AIRSでプレーする仲西佑起(192kg/80cm/写真一番右)、KYOTO BBの大堀昭平(188cm/94kg/写真左から2番目)の4人組である。これまで彼らはECOBLUEとして5人制の大会に出場経験はあるが、3x3はこれが初。1on1に強い芳賀、シューターの川内、機動力のある仲西はフィンガーロールでのフィニッシュを得意とし、大坪はインサイドでパワフルな動きを見せる。「全員がやれる」(芳賀)と大一番で個性が融合する姿が楽しみだ。

関西で活躍するボーラー集結・BRUTE
 中部予選の覇者は関西のストリートシーンで活躍するメンツをそろえたBRUTE(ブルート)だ。全員がSOMECITY OSAKAのSAFARIでプレーし、3x3でも個々が経験を積んできた。大黒柱でインサイドの要である臼井隆浩(192cm/94kg/写真一番右)を中心に、オフェンスの核であるクイックシューターの浦西将介(182cm/80kg/写真右から2番目)、ロング2ポイントとドライブの得意な田中和馬(186cm/82kg/写真左から2番目)、ランプレーで勢いを与える表稔也(188cm/90kg/写真一番左)の4人である。臼井は「予選までは1回もチームで3x3を練習していない」と振り返ったが、そんな中でも勝ちを引き寄せられる要因は、彼らの見どころであるSAFARIで培った「全員の仲の良さ」があるから。「ハードなディフェンスからリズムを作るチーム」に仕上げ、Finalへ挑む。

世界を目指す!SHINAGAWA CC
 東北予選では、東京から早朝の新幹線で開催地の仙台へ遠征したSHINAGAWA CC(シナガワ シーシー)が、Final行きを決めた。2019年に始動した彼らは、初年度に参戦した3人制プロリーグ・3x3.EXE PREMIERで72チーム中ベスト4でフィニッシュ。今大会には当時から選手を入れ替え、越川和紀(180cm/83kg/写真右から2番目)をキャプテンとし、佐藤智也(179cm/85kg/写真一番右)、出羽崚一(190cm/80kg/写真一番左)、竹田寛人(190cm/85kg/写真左から2番目)という5人制の実業団リーグでプレーするメンバーで臨んだ。中でも出羽は3x3の経験が豊富で、一見すると体の線は細いがタフにプレーし、勝負強さも兼ね備える注目選手。チームとしても勢力的に練習を積んでおり、激しいディフェンスから素早い攻撃につなげて、目標の「世界大会への出場権」獲得を目指す。

大会制覇を狙う。MINAKAMI TOWN
 関東予選は2DAYSで実施され、まずDAY1はMINAKAMI TOWN(ミナカミタウン)が突破した。チーム結成4年目。群馬県のみなかみ町を拠点に『みなかみから世界へ』を掲げて活動してきたが、3x3.EXE PREMIERやJBA(日本バスケットボール協会)が主催するツアー大会・JAPAN TOURなど国内大会から世界大会へ続く大一番で優勝経験はいまだ無し。それでもシューターでキャプテンの花野文昭(173cm/73kg/写真左から2番目)を筆頭に、フィジカルをいかしたアタックが持ち味の日下謙人(190cm/95kg/写真一番左)、外国籍ビックマンのCHRIS BROWN(197㎝/100kg/写真右から2番目)、派手さはないが味方を生かすパスやドライブが印象的な渡邉陸(182cm/70kg/写真一番右)の4人は大会制覇の可能性を秘めている。予選の勝因である「個人プレーよりもチームプレーが出来た」(花野)ことを再現できれば、道が開けるだろう。

信条は「Play Hard」HIU ZEROCKETS
 関東予選のDAY2はHIU ZEROCKETS(エイチアイユーゼロケッツ)がクリアした。準決勝でBリーガーを擁するHACHINOHE DIMEを破り、決勝でWILDBALL 3x3に圧勝。同チームは実業家・堀江貴文氏による会員制コミュニケーションサロン・堀江貴文イノベーション大学校(HIU)の有志によって運営されるチームで、コンセプトに「Play Hard」を掲げる。メンバーは、キャプテンを佐藤マクファーレン優樹 (178cm/78kg/写真一番左)が務め、ドライブに定評のある日影カイル(185cm/88kg/写真右から2番目)、B3リーグの東京八王子トレインズでも活躍するフォファナ ママドゥ (187cm/86kg/写真一番右)、インサイドのキーマンであるOZZIE LEE HENDERSON (195cm/95kg/写真左から2番目)の4人である。リバウンドやルーズボールといった球際で激しく戦い、攻撃では個々が打開するスタイルでFinalを制覇できるか注目したい。

※主なオリジナルルール
・ゲームクロック(1試合10分)は通常、ボールがラインを超えるか、ファウルやターンオーバーなどで止まるが、今大会は流しで実施。クロックが止まるのは試合終了間際の2分間のみ。なお21点先取のKOルールに変更はない。
・大会の予選プールで順位決定をする場合、通常ルールは①勝率②平均得点(総得点)が優先されるが、今大会はオウン・ザ・コートポイント(勝ち点)を採用。1試合に勝利することで「5点」を得られ、さらに予選プールの総得点が最も多いチームにはボーナスとして「6点」が加算される。なお2チームが最多合計得点で並んだ場合は、プールでの直接対決で勝っていたチームへボーナスのオウン・ザ・コートポイントを付与。さらにプール終了時に3チームが勝敗数と最多合計得点で並んだ場合は、サドンデス方式のフリースロー対決で、ノックアウトトーナメントに進出するチームを決定する。

3x3の国内代表チームを決める一戦「Red Bull Half Court 2021」

TEXT by Hiroyuki Ohashi

Red Bull Half Court 2021

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