ALPHASとLAST ONE FUKUOKAが優勝…「3×3 Super Circuit 2025」予選ラウンドレポートvol. 1
3x3の2025シーズンに向けた戦い「3x3 Super Circuit 2025」が開催中だ。通称“サーキット”と呼ばれるこの大会は毎シーズン、晩秋から翌春にかけて全国各地で予選ラウンドが開かれ、その各ラウンドの優勝チームとワイルドカードトーナメントを制したチームがFINALでチャンピオンの座を争う。勝てば、国際大会の出場権が付与される、世界に通じる大会なのだ。
今季も2024年11月より予選ラウンドがスタートし、2025年4月に行われるFINALに向けて選手たちがしのぎを削っている。序盤戦の模様を振り返りたい。
ALPHASが圧勝…強さの秘訣は練習環境
まず11月2日(土)に千葉県市原市の臨海体育館で「3x3 Super Circuit 2025 Chiba Opening tournament supported by ZOZO」が開催された。男子12チームによる戦いの末、決勝でALPHASがTOKYO DIMEを21-13で下して優勝を飾り、FINAL一番乗りを決めた。
そんな彼らの戦いぶりは、圧勝と言える内容だった。ラウンドMVPに輝いた#33 ヤン・デムサー(195cm)を筆頭に、#13 小澤崚(178cm)、#21 鈴木颯(178cm)、#3 デビン・ギリガン(194cm)という布陣で4試合を勝ち抜き、すべて21点のKO勝ち。最多失点も準決勝でALPHASから2チーム目の出場となったALPSに対して、13失点という盤石のゲーム運びだった。
試合後、小澤は「デビンがアメリカから戻ってきて、ヤンもすごく今年1年で成長してくれました。(移籍してきた)颯もチームにフィットしていると思います。新しくも、良い形になってきました」と手応えを感じている。
さらに強さの秘訣へ目を向ければ、日頃の練習環境にあるだろう。4人のほかにALPSには3x3日本代表の斉藤諒馬や、3x3 U21日本代表のジュウ イーサン龍英ら有力選手が名をつらねる。東京オリンピック2020で3x3日本代表を務めた落合知也も5人制の活動の合間を縫って、コーチとして練習を見守っているという。
小澤が「もう練習が一番キツイです」と言えば、2024年秋に加入したばかりの鈴木も「普段の練習から、今日の決勝の強度で練習が行われている」と明かす。練習量と質、熱量の全てがそろった環境で3x3ができるとあって、彼は「本当に楽しい」と充実した表情も見せてくれた。
地域の祭りとコラボした一戦をLAST ONE FUKUOKAが制す
続く11月10日(土)には、鹿児島県志布志市で「3x3 Super Circuit 2025 Kagoshima Round」が行われた。過去2年、宮崎に予選ラウンドを誘致しているB-LAB MIYAZAKIの猪崎大介氏が主催者を務め、地域の伝統的なお祭り「やっちく松山藩 秋の陣まつり」とコラボレーションした。悪天候の予報を踏まえて、試合は城山総合運動公園内の体育館で開かれたが、猪崎氏は関係者の尽力によって「予想以上の盛り上がりを実現できました」と話す。
その盛り上がりを最もリードしたのは、優勝したLAST ONE FUKUOKAだろう。ラウンドMVPに選ばれた#58 喜瀬文利(180cm)を中心に、#12 萩原脩斗(188cm)、#15 木下圭一郎(190㎝)、#35 豊田嵐士(185㎝)という新しいメンバー構成にも関わらず、男子13チームが集まった一戦を勝ち上がり、決勝でLEO BLACKS SAGAを21-9で撃破。昨年に続いてFINAL出場権を手中に収めたのだ。
喜瀬は勝因について「試合を重ねるごとに良い点、悪い点を話し合い、チームでコミュニケーションを取ることで良くなっていきました」とコメント。準決勝、決勝と危ない場面もあったが「チームで鼓舞し合いながら乗り越えられた」と胸を張った。
一方で、大会を無事に終えた猪崎氏は「3回目の誘致大会を迎え、運営面での経験値が着実に積み重なっていることを実感しています」と振り返る。江戸時代から続く一大イベントと、3x3がタッグを組めたことで「地域に新たな価値を生み出せると確信しています」とも話した。
猪崎氏によると、地方の人口減少や過疎化という課題が浮き彫りになっているように、九州でも同じ問題に直面し、若者の県外流出も深刻な課題だという。ただ、その状況に対して同氏は「アーバンスポーツへの注目が高まる今、3x3は地域活性化の起爆剤となり得ます。従来の常識にとらわれない発想で、スポーツを通じた地域づくりを実践していきたい」と言葉に力を込めた。新たなまちの魅力発信に、今後も3x3が一役買う場面は増えていきそうだ。
「3x3 Super Circuit 2025」の次戦は、1月5日(日)にTOKYO DIMEの誘致大会となるSHIBUYA Roundと、同19日(日)にKYOTO BBの誘致大会となるKYOTO Roundが行われる。新年早々に、新シーズンへ弾みをつけるのはどこのチームになるのか楽しみだ。
【今後の大会日程(2025年)】
<予選ラウンド>
・1月5日(日)|SHIBUYA|時間 13:00~19:00(予定)|会場 渋谷区ひがし健康プラザ
・1月19日(日)|KYOTO|時間 10:00〜16:00|会場 BACKDOOR BASE
・2月1日(土)|ISHIKAWA|時間・会場 調整中
・2月24日(月・祝)|KOSHIGAYA|時間・会場 調整中
・3月16日(日)|MIYAZAKI|時間・会場 調整中
・3月22日(土)|CHIBA|時間:調整中|会場 YohaSアリーナ
<U18カテゴリー(男女)>
・1月4日(土) |東日本予選|時間 10:00~18:00(予定)|会場 岩崎学園 東戸塚校 ※
・2月16日(日) |西日本予選(熊本県)|時間・会場 調整中
・3月22日(土)|前日予選|時間:調整中|会場 YohaSアリーナ
・3月23日(日)|FINAL|時間:調整中|会場 YohaSアリーナ
<FINAL>
・4月|時間・会場:調整中
【大会公式SNS】
3x3_super_circuit(リンクは外部サイト)