GIANTS OF AFRICA
アフリカから世界へ
近年NBAの世界でもグローバル化が進み、様々な国籍のプレーヤーが活躍の場を広げているが、アフリカ諸国も例外ではなく多くのNBAプレーヤーを輩出している。
2004年に設立されたGIANTS OF AFRICAも同じく、アフリカ中の子供たちにバスケットボールを通じて教育や成長を与え、才能ある子供にNBAへの道を開いている。
そんななか、2016年にアフリカ6ヶ国でキャンプが開催されたGIANTS OF AFRICAを世界有数のフォトグラファー、ケビン・クーリオが撮り下ろした。
彼の写真からリアルなアフリカのバスケットボールが見えた。
アフリカの子供たちの才能を開花させたい
Masai Ujiri/Founder
現トロント・ラプターズGMマサイ・ウジリはナイジェリア出身。13歳からストリートでバスケットボールを始めた。幼少期の憧れは、ドリームシェイクでペイントを支配し、2度のNBAチャンピオンに輝いた祖国のヒーロー、アキーム・オラジュワン。ウジリはアメリカの大学に進学してバスケットボールを続けた。NBAには届かなかったものの、プロとして活躍の場をヨーロッパに求めた。そんな6年間の現役生活も2002 年に幕を閉じ、その後ナイジェリアのユースチームのコーチになる。NBA のトライアウトに祖国の選手を連れていった時にドッグ・リバース と出会い転機が訪れる。スカウトからNBAの世界へ飛び込み、そこからラプターズのGMまで上り詰めたのだ。
ウジリは母国に貢献したいという想いから「GIANTS OF AFRICA(以下GOA)」を設立した。この活動からアフリカ中の子供たちに バスケットボールを通じたハードワーク、チームワークなどを学ぶ機会を与え、奥底に秘めた才能を開花させ貧困から抜け出す術を身につけさせたい。アフリカの各国に GOA プログラムを拡大したいと考えている。
「このゲームはいろいろな所に連れていってくれる。行ったことのない所に連れていってくれる。成功することは素晴らしいことだ。誰も君を止めたりしない。生まれた場所に恩返しをしよう」とマサイ・ウジリは言う。
2016年夏、世界各国のバスケットボールの現場で多忙を極めるフォトグラファー、ケビン・クーリオが、GOAのフォトグラファーとしてアサインされ、セネガル、ガーナ、ナイジェリア、ケニア、ルワンダ、ボツワナの6ヶ国で行われたバスケットボールキャンプや地域貢献活動に同行。インスタグラムから発信される彼の写真でGOAの活動が世界に知れ渡る一因となった。
ケビン・クーリオが見た日本のバスケットボール
私は世界各国のバスケットボールを見て回りましたが、アジアでは日本のバスケットボールが最も活発であると感じています。日本はバスケットボールへの理解度が非常に高く、それが文化として根付いている。それはプロリーグからも見受けられますが、最も重要なのは、それをストリートのプレーグラウンドから感じ取れるかどうかなんです。そして、メディアや各種ブランドがシーンとどう関わっているのかが実はとても大事なことなんです。
日本のバスケットボールにおいては、これらの要素がうまく融合していて、今まで私が見たことのない形で表現されています。日本には独自のバスケットボールスタイルがあり、これは賞賛に値します。他にも、日本スタイルのアパレルは他国に進出できるクオリティーだし、きっととんでもない影響を及ぼすことができるでしょう。日本のバスケットボールはもっと成長できると確信しています。
Kevin Couliau
Photographer
フランス出身。今世紀最も多作なバスケットボールフォトグラファー。彼の写真は「Reverse Magazine」(仏)や「Fadeaway Magazine」(英)、日本では「FLY Magazine」で見ることができる。映像作家としても活躍し、ボビート・ガルシアとの共作「DOIN’ IT IN THE PARK」、NIKEの「Basketball Never Stops」キャンペーン、K1Xのプロモーション「Heart & Soul Of New York City」等、彼が関わった作品は多岐にわたる。
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text/SpaceBall Mag photo/Kevin Couliau