女性の多様な可能性を再確認する日 / 桂 葵が思う国際女性デー
去る3月8日(日)は国連が定めた「国際女性デー」。この日にちなみ、「一般社団法人渋谷未来デザイン」とスポーツチャンネル「DAZN(ダゾーン)」がタッグを組み、スポーツで輝くすべての女性に向けたメッセージを記したエコバッグ「SHIBUKURO」を製作、無料配布した。
様々なジャンルの女性アスリートがこのプロジェクトに賛同する中、女子バスケットボールシーンでは、桂 葵を中心にその輪が広がり、50人余がSNSでそれぞれの意思を表明をした。多くのスポーツを愛する女性たちの心を掴んだ思いとは一体!?
ーーー2020年はスポーツの年。今大会出場選手の女性比率が史上過去最高の48.8%を記録したことをご存知だろうか。まだまだ「国際女性デー」の認知度が低い日本で、スポーツで輝く女性の活躍を渋谷未来デザインとDAZNは応援している。「48.8%」という数字を大きく配したトートバッグを目印に今一度女性の多様な可能性を探ろうというのが本企画趣旨。そこで白羽の矢を立てたのが、自らの多様な可能性を探求し行動する女性、桂 葵だった。女子スポーツ界の錚々たる面々に声を掛けていく上でどんな反応があったか、はたまた本企画を通して何を思ったかを聞いた。
まず声掛けしたのはあのレジェンドでした
一人ひとりに声を掛けていったんですけど、中でも最初に反応があったシンさん(大神雄子。女子バスケ界のスーパーレジェンド)が印象的でした。最初はステマやPRか!? と構えてらしたんですけど、一通り説明をしてみると「もちろん賛同するし、今後大事なテーマでもあると思う!」と乗ってくれました。FIBAという国際的な組織の最前線に立つシンさんと直に女性について意見交換をできたことも貴重な機会でした。
ラムさん(渡嘉敷来夢。桂の桜花学園時代の一つ上の先輩)や南さん(伊集南。DENSO所属で3x3日本代表)や、サッカー界からはシモさん(下山田志帆。なでしこリーグ所属で株式会社Rebolt代表)も同様に賛同してくれて。チームやリーグ単位でのアクションでなく、個人へのアプローチを選択したのは、選手個々人が賛同するか否かからその発信の内容まで、自身で選択するというプロセスを大切にしたかったから。国際女性デーを通して社会課題に想いをはせ、動きたいひと、動ける人から動き出すことができればいいなと考えました。
「48.8%」という数字に見るこれから
たまたま女性に生まれて「女だから嫌な経験をした」という実体験の記憶はないです。ただ、ジェンダーの話でいえば、小学生の時にバスケットを始めてから、髪型はショートでないといけない等、いわゆる「女の子らしい」ものを遠ざけられる文化には違和感がありました。私は可愛くありたかった。だからこそ今は、バスケの時のファッションもたのしむし、試合会場には“すっぴんジャージ”でなく、メイクをしておしゃれをしていきます。「それだけ身長が高いとどこで洋服を買うんですか」と質問をされることもありますが、今の時代は然程こまらないですよ!(笑)
ジェンダーの平等について、まだまだ社会課題として話題に挙がりますが、見方を変えると不均衡を解消する過程でこれからの世代が自由に築いていける、描いていけるポジティブな側面もあると思います。それは、先人たちのアクションの上で成り立つ、今の時代を生きる私たちの特権、チャンスと考えています。「48.8%」という数字が物語るように、これからは男女平等のもうひとつ先のフェーズかもしれません。時代はどんどんジェンダーレスになっているし、もはや男性女性で区切らずに個々の可能性をセレブレートしていけるようになったら素敵ですね。
渋谷未来デザインと大日本印刷が展開する、渋谷区公認スーベニア事業の中の「SHIBUKURO(シブヤのフクロ=シブクロ)」。
カラフルなオリジナルタグから生まれる収益の一部を、渋谷の課題解決・まちづくりに還元するプロジェクトとなっている。
桂 葵_かつら あおい
名門、桜花学園高等学校から早稲田大学へ進み、大学で日本一、インカレでMVPの成績を残すなどバスケエリートキャリアを持つ帰国子女。あえてプロの道を選ばず、現在は総合商社に勤務しながら3x3バスケプレイヤーとして戦う二足のわらじ暮らしを意気揚々と送るバスケ女子。
Instagram @aoi_katsura