現役女子選手と次世代アーティスト２名がデザインを担当
3月8日の国際女性デーに先んじて発売されるマグネティックボールは、結婚や出産、子育てといったライフステージの変化やバックグラウンドに関係なく、多くの女性が「バスケットボール」という楽しさに磁石のように惹きつけられ、そこから共感や友情の輪を広げてほしいというコンセプトで制作された。

デザインの監修を務めたのは、東京オリンピックで銀メダルを獲得したバスケットボール女子日本代表チームキャプテンの髙田真希（デンソーアイリス）と、DJとして世界各地で活躍し、Wリーグの音楽プロデュースを担当するLicaxxx。両者のアイディアをもとに、気鋭の次世代アーティスト、COIN PARKING DELIVERYが総合デザインを担当した。

プレイだけでなくアートとしても楽しめるポップな仕上がり
ストリートアートを彷彿とさせるタッチと、愛嬌と毒々しさを共存させたポップな表現では幅広い層から支持され、FACETASMとのコラボレーションで話題を呼んだラッセル・ウエストブルックのシグネチャーモデルZER0.4 Xのキービジュアルを担当したこともあるCOIN PARKING DELIVERYは、「ジェンダーの課題は男女双方で考えるべきもの」という考えのもと、ステレオタイプな”女性らしさ”をあえて排除したキービジュアルを策定。国際女性デーを象徴する花・ミモザの黄色がアクセントになったポップで爽やかなボールは、男女を問わず手に取りやすく、部屋に飾るなどアートとしても成立するクオリティだ。

大切なのは、チャレンジすることと、それを周囲に伝えること（髙田真希）

マグネティックボールのデザインにはどんなリクエストをしましたか？

国際女性デーの直前に販売されるとのことだったので、この日に贈るミモザの花をイメージした黄色を使った、誰かにプレゼントしたくなるようなデザインはどうでしょうかと伝えました。従来のボールとはまったく違うカラフルさで、手にするだけでうれしくなりそうですし、使っていたら色んな人から注目を浴びそう。たくさんのコンセプトやメッセージが詰まっている、とても魅力的なボールです。

女性の競技登録者がU15世代を境に減っているというデータをご覧になって、思うことは？

第一線を離れるとプレイできる場所がなくなったり、趣味として気軽に楽しめる環境が少ないのは原因の一つかなと思います。競技者としては、魅力あるプレイで観る人を増やして「やってみたい」と思ってもらうことも大切だと考えています。

女性が好きなことを続けるためにはどのようなことが大切でしょうか？

一人ひとりが「自分がどうなりたいか、何をしたいか」と考えることだと思います。それを忘れなければ、ものすごく高い目標設定をしていない限り、何でもチャレンジできると思うし、その思いをまわりに伝えることで、環境が整備されるチャンスも高まるんじゃないかなと。年齢を重ねるごとに「仕事が忙しいから」とか「子どもがいるから」と好きだったことをあきらめてしまう人もいると思いますが、少しの時間であっても積極的にチャレンジすることを忘れなければ、充実した日々を過ごせるのではないでしょうか。

髙田真希（たかだ・まき）
1989年生まれ、愛知県出身。桜花学園高を経てデンソーに入団。185センチの長身と体の強さ、判断力の高さなどを生かして活躍し、東京オリンピックでは日本代表キャプテンとして銀メダルを獲得。2020年にはスポーツイベントなどを企画運営する「株式会社TRUE HOPE」を立ち上げ、”選手兼社長”として幅広く競技に貢献している。

女性が気軽にプレイを楽しめる環境が増えてほしい（Licaxxx）

Licaxxxさんとバスケットの関係性について教えて下さい。

中学高校とバスケ部に所属していて、卒業後も友だちとちょこちょこプレイしています。去年の東京オリンピック以降は、やる楽しさだけでなく観る楽しさも味わうようになりました。推しは…髙田選手です（照）。

デザインにはどのようなリクエストを出されましたか？

今回、国際女性デーというテーマにおいて髙田選手とお話させて頂いた時に出た「ミモザの花を贈る」というキーワードを踏まえた上で、女性だけが女性を応援するだけのモノになっては何も変わらないと思いました。なので、ジェンダーギャップについて共に思考し、ステレオタイプを超えて形にしてくれるアーティストが必要だと考え、COIN PARKING DELIVERY氏に制作を依頼しました。“ボールを手に取ることでプレーしたくなる”という側面はもちろんのこと、バスケットボールシューズ等に見られるようにファッションや音楽と密接した関係である、という本来バスケットボールが持つカルチャーを意識させる誰もが手にしたくなるアートピースに仕上がったと思います。

部活などの第一線を離れても、女性がバスケを長く楽しめるようになるにはどうすればいいと思いますか？

プレイヤーとして楽しむと考えると、ボウリングとかゴルフの打ちっぱなしくらいのテンションでやれる場所が増えるといいですよね。現状、ストリートのコートはどこにでもあるわけじゃないし、公園はあってもゴールがなかったり。ガチのストリートボーラーがやっているところに混じる前にコソコソ一人で練習できるゴールがほしいですよね（笑）。
バスケを観戦する方としては、もっとバスケ本来が持っているカルチャー的な側面もNBAのようにプレーと同時に存在すると良いと思います。週末だしみにいこう、地元のチームだから応援しよう、みたいなのは日本だと野球とかはありますね。夏だし神宮球場でビール飲もう、みたいな。また、音楽のライブにも、プレイを純粋に聴きたい以外に、まだ分かんないけどオシャレっぽいから憧れて勇気出して行ってみる、みたいな過程があります。音源を聴いていただけのところからチケットを買って足を運ぶまでの間に。スポーツ観戦も近いハードルがあるので、プレーの面白さは勿論（見ればわかる）、音楽、ファッション、食など会場を取り巻くカルチャーがなんか良い感じ、みたいなテンションが日本のバスケにもあっても良いと思います。バスケをやってなかった人と同じで、部活でやめてしまった人へのアプローチは趣味としてどう楽しむかの導入が大事だと思います。

女性が好きなことを続けるためにはどのようなことが大切でしょうか？

髙田選手がおっしゃったとおりだと思います。何かを言い訳にしてあきらめてしまうのは女性だけの問題ではないですが、そう思わざるを得ない社会自体を変えていかなければいけないのかなと。そのためには一人ひとりが考えることが大切。自分の周りで起きているすべてのことを当事者としてしっかり受け止め、その理由や原因などを考え、少しでもアクションしていくことが大切だと思います。

Licaxxx（リカックス）
1991年生まれ。東京を拠点に活動するDJ、ビートメイカー。
2016年に出演したBOILER ROOM TOKYOのYouTube再生回数が約50万回再生を記録。
DJとして国内外のビッグフェスやクラブに出演する他、世界各国のラジオにDJMIXを提供しメゾンブランドのコレクションやCM等、幅広い分野への楽曲提供を行う。
世界中のDJとの交流の場を目指しているビデオストリームラジオ「Tokyo Community Radio」の主宰。

ジェンダーの課題は女性だけのものではない（COIN PARKING DELIVERY）

デザインのコンセプトを教えて下さい。

ジェンダーの課題は女性だけでなく男性を含めた人類全体で超えることが大切だと思っています。なので、あえて”女性らしい”とされる色を使わず、ボールの面によって異なる色を用いることで、「女性は何色にも定まらない」というメッセージを込めました。

また、キービジュアルを含む全体的なコンセプトには、「生命の誕生」というニュアンスを取り入れ、すべての生き物の根源であり、共存の象徴でもある海をイメージしたデザインとしました。

COIN PARKING DELIVERY（コインパーキングデリバリー）
2018年、電車での移動時間にスマートフォンを使い、指で絵を描きだしたことからクリエーション活動をスタート。現代人の必須アイテムでもあるスマホを片手に、「今」というこの時代ならではの疑問や理想を落とし込んだ作品を制作、国内外で高い評価を得る。近年では、データのみならず造形、空間、ドローイング、海外のパブリックスペースの外壁など、さまざまな場所で独自の世界を構築している。

■商品詳細品名：マグネティックボール
品番；B6G3700-WE
希望小売価格（税込）： 5,500円
サイズ：6号球
材質：人工皮革
販売数量：数量限定300球

■購入方法
1. Wリーグ試合会場
日程 2022年3月5日〜6日　
場所 国立代々木競技場 第二体育館
※商品がなくなり次第、販売は終了となります。

2. モルテン公式オンラインショップ
予約&販売期間：2022年3月5日～9月15日
お届け時期：2022年4月11日より順次
商品ページ
※商品がなくなり次第、本生産分の販売は終了となります
※お届け時期が大きく遅れることもございます。予めご了承ください。

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Text／Miho Awokie
モルテン公式オンラインショップ