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  • 2019.12.11

名門スパーズが誇るレジェンド、トニー・パーカーが日本のファンとのイベントを満喫!

試合前に八村がスクリーンに登場! ユニフォームプレゼントなど魅力満載の企画も

 12月6日に原宿クエストホール(東京都渋谷区)で行われた『NBA Rakuten GRAND EXPERIENCE Public Viewing Party with Tony Parker』に、スペシャルゲストとしてNBAレジェンドのトニー・パーカー(元サンアントニオ・スパーズほか)が登場した。

 今回のパブリックビューイングイベントは、現地時間5日にワシントンD.C.で行われたワシントン・ウィザーズ対フィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦の模様を会場に集まったファンがゲストと共に楽しむもの。

 この日のゲストは渡邉拓馬氏(元日本代表/現3x3プロバスケットボール選手)と山口大輔氏(元スパーズ アシスタントアスレティックトレーナー)。NBAイベントではおなじみのMC MAMUSHIと共にオープニングトークで会場を盛り上げる中、ウィザーズで先発パワーフォワードを務める八村塁がスクリーンに登場。

「バスケットボールはかつてない盛り上がりを見せています。近い将来、ウィザーズの一員として日本でプレーすることを楽しみにしています。今日は本当にありがとうございます。では、ゲームをお楽しみください」とメッセージを発すると、会場はもちろん大盛り上がり。

 このイベントではパーカー、八村、ベン・シモンズ(シクサーズ)のユニフォームがその場で当たるという“ハッシュタグ キャンペーン”を実施。好きな選手のキーワードとなるハッシュタグを入れてツイートし、イベント後に当選者が発表されるという、ファンにはたまらない企画も用意されており、イベント前から笑顔を見せるファンの姿もあった。

 だが、いざ試合が始まると、会場に集まったファンはスクリーンへ釘付けとなり、ゲームを見つめる静かな展開。イースタン・カンファレンス屈指の強豪シクサーズ、八村が所属するウィザーズの選手たちが繰り出すプレーの数々に息をのむファンが多数。1つ1つの瞬間に一喜一憂する雰囲気に。

シクサーズの得点シーンに「あぁ…」と発するファンもいれば、八村がジョエル・エンビードにブロックされて落胆するシーンもあり、序盤は重苦しい展開。だがウィザーズ初得点となったブラッドリー・ビールのダンクや、八村の絶妙な合わせから決めたレイアップで会場内は徐々に熱気を帯びていき、最後まで盛り上がりを見せた。

父のお陰でトニー・パーカーというプレースタイルを築き上げることができました


 試合はホームのウィザーズがシクサーズからリードを奪い、65-55でハーフタイムに(試合は119-113でウィザーズに軍配)。するとスペシャルゲストのパーカーがファンの前に姿を現し、ゲストたちとのトークショーに。パーカーの古巣スパーズと対決した八村について、グレッグ・ポポビッチHCが「彼はスキルが備わった選手。それにアンセルフィッシュな選手でもあるね。彼は今でもすでに(ガードすることが)とても難しい選手だけど、今後さらにすばらしい選手になっていくだろう」と語っていたことが紹介されて「僕の1年目は全くなかった。怒られ続けてたんだ」と当時を振り返ったパーカーは、ジョークを交えながらこう続けた。

「ポポビッチHCが1つの文章以上の長さでしゃべっていることにちょっとびっくりしました(笑) NBA史上最高のコーチと言ってもいいポポビッチからの言葉なので、もう間違いないんじゃないかなと。完全に同意です」

 そしてパーカーは、ルーキーとして活躍を続ける八村について「とにかくポジティブにいることがまず重要。非常に長いシーズンなので激しさがありますけど、長年NBAでやっていけば、スケジュールに自分の身体も慣れてくるので、そこを前向きに捉えて頑張っていただければ大丈夫だと思います」とアドバイスを送った。

 自身について「簡単に言えばシカゴ出身で、小さい頃は(シカゴ・)ブルズファン。(マイケル・)ジョーダンが大好きだった」というパーカーだが、元プロバスケットボール選手の父の言葉もあり、早いうちから自身のプレースタイルを確立していったという。

「マイケルは僕のインスピレーションで、モチベーションでもあったんですけど、早い段階で『自分はそれほど高く跳べないな』ということに気付いて。それとは別に、自分はスピードだったり、ティアドロップだったりと、『うまくできるな』と感じていることがあったので、それをしっかりとやることで、トニー・パーカーというスタイルを確立しようという思いになりました。『選手というのはそれぞれスタイルがあるから、自分のスタイルを確立するんだぞ』という父の言葉もあったので、それを基にMJやアービン“マジック”ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)、ゲイリー・ペイトン(元シアトル・スーパーソニックスほか)、アイザイア・トーマス(元デトロイト・ピストンズ)だったり、いろんな選手から盗めるものを取って、父のお陰で自分のスタイルを築き上げることができました」。

 ハーフコートで真価を発揮する電光石火のドライブ、キャリアを経るごとに精度を高めていったプルアップジャンパーに華麗なレイアップ、数多くのディフェンダーを泣かせてきたティアドロップ(フローター)など、パーカーは地味なイメージがあったスパーズを華やかかつ長いあいだ優勝候補へと押し上げた選手の1人。

 メディアとの囲み取材で、キャリアの中で最もうれしかった瞬間について聞かれた時も「間違いなく4度の優勝ですね」と自信満々に答えており、それぞれの優勝についてこう振り返っていた。

「2003年の1回目はまだキャリア2年目だったので、本当にいろんなことがすごく早く動いていって、信じられないような経験でした。2005年(2回目)は第7戦まで行って、あと1試合ですべてが決まるという、(NFLの)スーパーボウルのような試合をホームで制して優勝したことがうれしかった。2007年(3回目)は当然、ファイナルMVPになりましたので。そして最後の2014年(4回目)は、7年かかったということもあって全てを覚えています。シーズン中の細かいことを覚えているので、どれか1つを挙げろと言われたら、4つ目を選ぶかな」。

「世界中すべてのスポーツにおいても特別な球団」と古巣スパーズへ最大級の賛辞

 シャーロット・ホーネッツでプレーした昨季終了後、18年間に及ぶすばらしいキャリアに幕を下ろしたパーカー。優勝4度、オールスター選出6度、オールNBAチーム選出4度という輝かしいキャリアを終えたフランス出身のポイントガードは、近い将来バスケットボール殿堂入りを果たすことは確実。

 先月、パーカーが着用していた9番はスパーズのフランチャイズ史上10人目となる永久欠番となり、NBA史上有数の組織を代表する選手の1人であることを改めて世界へ知らしめた男は「スパーズは世界中すべてのスポーツにおいても非常に特別な球団」と語り、古巣へ最大級の賛辞を送っていた。

 2014年の優勝を共に分かち合った山口氏は「パーカーと会うのは5年ぶりです」とイベント内で話していたのだが、実際に会ってみて「すごく柔らかい感じでした。もう現役選手ではないというのもあるのかもしれないですね。すごい懐が深くなったなっていうイメージがすごくありましたね。楽しかったです」。

 スパーズ史上5度目の優勝から5年。日本で再会したことに「こんな時がまさか来るなんて、あんまり思ってなかったので、すごい感謝ですね」という山口氏の言葉は、今回の来日中にパーカーと会うことができた人だけでなく、SNSを通じてパーカーの姿を見ることができた人たちにとっても、うれしかったに違いない。

名門スパーズが誇るレジェンド、トニー・パーカーが日本のファンとのイベントを満喫!

TEXT by Hiroyuki Akiyama

https://nba.rakuten.co.jp

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