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  • 2020.10.08

アルバルク東京の開幕戦、新キャプテン・安藤誓哉が“一番”心掛けていること

B.LEAGUE 2020-2021シーズンがついに幕を開けた。今年3月の2019-2020シーズンの中止以来、待ちに待った瞬間である。Withコロナで実施されるイレギュラーな状況ではあるものの、週末にゲームが戻ってきたことは感慨深い。今回、B1開幕の先出しとなった一戦で勝利を収めた、アルバルク東京の安藤誓哉にフォーカスした。

3連覇へ白星発進
2020年10月2日――アルバルク東京の新シーズンがはじまった。チームスローガンは「Re-CHALLENGE」。B.LEAGUE 3連覇へ再挑戦するという強い意志と、どんな状況においてもチャレンジしていく姿勢を持ち続けること。これらを胸に、彼らはシーズンへ臨んだ。

開幕戦ではホーム・アリーナ立川立飛に強豪・川崎ブレイブサンダースを迎えての一戦。相手は昨シーズンの中地区1位で、主力の顔ぶれは変わらず。コロナ禍においても外国籍選手がすべて合流しているチーム編成であった。対するアルバルクはケビン・ジョーンズとデション・トーマスが合流できていない状況ではあったものの、終わってみれば結果は85-79で白星発進を決めた。

両者ともに準備をしてきたとは言え、約7か月ぶりの公式戦。お互いのディフェンス強度が高いことに加えて、序盤は硬さも見られるなど、前半は31-22というロースコアゲームだった。だがアルバルクは第2Qに失点を6点に抑えて流れを引き寄せると、後半はリードをキープ。第4Qに川崎の追い上げを許したが、逆転のムードは作らせずに今季初戦をクロージングした。試合後、4シーズン目の指揮を執るルカ・パヴィチェヴィッチ ヘッドコーチは「前半の出だしから賢く、そしてハードにディフェンスをすることに成功し、オフェンスの非常に強い川崎さんを前半 20 点台に抑えることができました」と、勝因を挙げた。

新キャプテンがファンに向けて語ったこと
万全ではなかったが、アルバルクはこれまでチームとして積み上げてきたものによる地力の差を見せた。今シーズン、そのキャプテンは安藤誓哉(#3)が務めている。昨シーズン限りで現役引退をした正中岳城の跡を引き継いで、加入4季目で大役を担う。ただ8月に新体制で始動後、チームは新型コロナウイルス感染症の陽性反応者が出たことで、活動の一時中断を余儀なくされた。そこから仕切り直して、外国籍選手の合流が間に合わない状況ながらも、最善の準備を尽くした末に、この日の勝利をたぐりよせた。彼もこの日、27分間の出場でアレックス・カークに続く、18得点をマーク。6アシスト、ターンオーバーはわずか1という活躍ぶり。試合後、アリーナに集まったファンに向けて安藤は次のようにスピーチした。

「正直、メンバーが全員そろわない中で、ここまで練習をしてきました。ファンの皆さんも本当に今日は厳しい戦いになるという予想があったと思います。でも僕たちは本当にいるメンバーでずっと練習をして、なんとか“開幕戦に勝利したい”という気持ちでやってきました。勝てて、本当に良かったです」

そしてホッと胸をなでおろす結果がつかめたことに加えて、感染防止対策が徹底されたうえで開幕したレギュラーシーズンと、ファンのいるアリーナでプレーできたことにも言及。

「こうやってBリーグが通常通り開催できたことは嬉しく思います。またこのような状況にもかかわらず、川崎ファンの皆さんも含めて、会場へ足を運んで来てくれたことにとても感謝しています」と語った。

安藤がチームのために一番心掛けていること
嬉しさと安堵感が入り混じったの安藤のコメント。では、彼はキャプテンという役割と今シーズン、どのように付き合っていくのか。本人の口からは「やはりこの状況で僕がキャプテンとして、一番心掛けていることは、ブレずに“プラスのオーラ”を常に放っていくことです。そうすることがチームに一番、(良い影響を)与えることができると思っていますので、意識しています」と言葉が返ってきた。

アルバルクのロスターは見ての通り、日本代表として、名門の一員として、実績と経験を積んできたプロフェショナルがほとんどだ。改めて言葉や身振り手振りでなにかを変えるというより、まずは自分が常にポジティブに練習に臨む、自信を持ってゲームで最高のパフォーマンスを発揮する。そうすることで、仲間たちを巻き込み、前向きなムードを生み出し続けていこうとする姿勢を感じた。

そのためにもコートを離れれば、リラックスできるように努めているという。オンとオフの切り替えについては、「NBAやユーロリーグを見ることはしますけど、バスケットボールについて考えることは、そのときぐらい」とのこと。「他の時間はコーヒーを飲んで、別のことを考えたり、いまだったらオンラインでドラマや映画などを楽しみながら、過ごしています」と、明かしてくれた。

「アルバルクにしか創れない未来へ。」
さて、彼らは翌3日のGAME2では川崎に52-55と接戦の末に敗れている。第3Qにリードを許したが、第4Qに反撃。終盤あと一歩のところまで迫ったが、相手をとらえることができなかった。ただ安藤は悔しい敗戦にも「シーズンは始まったばかりで、ここからメンバーもそろって、成長して行く段階です。キャプテンとして自分が率先して先頭に立って、チームを(勝利へ)導いていきたいと思います」と、次を見すえてポジティブなコメントを寄せている。

そう言えば、開幕戦のメディア会見でもZOOMの画面越しではあるが、彼の表情はとても明るかった。もちろん勝ちゲームであり、久しぶりの公式戦ができたことによる充実感があったことは言うまでもないが、「ブレずにプラスのオーラを常に放っていきたい」というコメントを体現しているようだった。勝っても負けても良い雰囲気でやっていこうするスタンスを改めて印象づけてくれた。

Withコロナで取り組む新シーズン、そして3連覇への「Re-CHALLENGE」。開幕戦で配布されたGAME DAY PROGRAMには、こんな一説があった。

「アルバルクにしか創れない未来へ。」

安藤誓哉がチームメイト、ファンとともに、新たな未来を創る姿を楽しみにしたい。

アルバルク東京の開幕戦、新キャプテン・安藤誓哉が“一番”心掛けていること

TEXT by Hiroyuki Ohashi

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