ウインターカップ出場の120チームから見える…高校バスケのユニフォームブランド勢力図

福岡大学附属大濠高校(男子)と大阪薫英女学院高校(女子)の優勝で幕を閉じた「SoftBank ウインターカップ2025」。男女合わせて120チームが出場し、大会期間中の観衆は史上最多67,694人を数えた。多くの注目を集めるようになったのも、ここ10年でバスケットボール界に訪れた変化であり、選手たちをサポートするユニフォームサプライヤーの顔ぶれに変化も。全チームをチェックし、高校バスケにおけるユニフォームブランド勢力図を描く。


24ブランドのうち、No.1シェアはオンザコート
SoftBank ウインターカップ2025に出場したチーム数は、120チーム(男女各60チーム)ある。ユニフォームブランドの勢力図作成にあたっては、出場校をニュース記事や映像、SNSを確認したしたほか、バスケットボール関係者の知見も借りてまとめている。全体的な傾向を明らかにするとともに地域差、上位校の着用動向なども探った。
まず、昨冬のウインターカップでは「24」ブランドが出場校のユニフォームをサプライしていた。上位4ブランドに目を向けると、シェアNo.1はオンザコート(株式会社オンザコート / パスザロック ブランドを含む)だった。2006年創業のバスケットボールウェア専業のブランドを着用したのは実に「22」チームを数え、うち14チームが女子チームだったことも興味深い。この数字は、ブランド別に女子の出場校を見ても最多の着用比率である。加えて、本社が兵庫県とあってか、近畿地方の出場校(14チーム)でシェアが高く、8チームが同社のもの。大阪薫英女学院高校のユニフォームもオンザコートが展開するパスザロックだ。

続いてシェアが高いのは、エゴザル(株式会社サードシップ)である。2015年にスタートした国産ブランドを男子の鳥取城北高校をはじめ「13」チームが着用。うち男子は7チーム、女子は6チームを数えた。近年、急速にバスケットボール界で存在感を示す中、高校生バスケでもあのバスケットボールを持ったチンパンジーのロゴが目立つ。視認性も抜群だ。創業地が岡山県とあってか、中国地方と九州地方を合わせた出場校31チームのうち、8チームが同ブランドのユニフォームに。西日本で勢力を増している印象を持つ。
そしてシェア3位、4位はバスケットボールウェアの専業サプライヤーとして長年、高校生バスケ界を支えているブランドだった。3位はインザペイント(株式会社ヤング商事)の「11」チームで、4位はブル・ファイト(株式会社 ブル・ファイト)の「10」チームだった。加えて、ブル・ファイトは10チームのうち9チームが男子であり、これは男子の出場校に限ってみた場合、ブランド別で最も多い着用でもあった。


ただ、視点を変えてベスト8以上のチームに注目すると、またその勢力図も変わってくる。シェア上位ブランドで言えば、エゴザルが2校(男子:鳥取城北高校 / 女子:倉敷翠松高等学校)、オンザコートが2校(男子:北陸学院高校 / 女子:大阪薫英女学院高校)、ブル・ファイトが2校(男子:八王子学園八王子高等学校、福岡第一高校)をサプライする中、ジョーダンブランドも2校をサポートする。男子の福岡大学附属大濠高校と、女子の京都精華学園高校のユニフォームで、ジャンプマンのロゴが際立つ。ミズノも男子の準優勝校である東山高校と女子の八雲学園高校でユニフォームが採用されている。

また、1チームずつのサプライであれば男子は、ティップオフ(株式会社フープスター・サカイ)が土浦日本大学高校を、バイオレーラ(株式会社アイズ・カンパニー)が帝京長岡高校をサポート。女子は外資系ブランドの存在感が高く、チャンピオン(ヘインズブランズ ジャパン株式会社)が一関学院高校、ナイキ(株式会社ナイキジャパン)が桜花学園高校、ニューバランス(株式会社ニューバランスジャパン)が東海大学付属福岡高校、アンダーアーマー(株式会社ドーム)が精華女子高校でそれぞれユニフォームが採用されている。


10年の変化。エゴザル、ニューバランスら新規参入
一方で、最新の勢力図を過去と比較すると、バスケットボール界を取り巻くブランドの変化も読み取れてきた。Bリーグが開幕した2016年冬のウインターカップ出場校におけるユニフォームブランドの動向(筆者調べ / 120チーム中97チームを独自調査)を参考に考察したい。
顕著な変化は、ユニフォームブランドの多様化だろう。2016年大会では上位4ブランドで全体の65%(63 / 97チーム)を占めていたが、 2025年大会では46.7%(56 / 120チーム)となった。構成比での違いになるものの、寡占化がやや低下。当時、オンザコートやインザペイントのようにウインターカップで10チーム以上に採用されていたアシックスやミズノのシェアが減る中、その枠にここ10年で国内外から新規ブランドがバスケットボール市場に参入した様子がうかがえる。
その筆頭は、エゴザルだ。2015年のブランド立ち上げ以来、2年後には三遠ネオフェニックスとオフィシャルサプライヤー契約を結び、以降もレバンガ北海道など多数のBリーグクラブと取り組みを開始。2023年にはインターハイの大会公式グッズも取り扱った。さらに、2025年には東山高校出身の高卒Bリーガー瀬川琉久(千葉ジェッツ所属)とのパートナー契約を締結。共同で商品開発を進め、オリジナルウェアやシグネチャーシューズの販売に至っている。トップカテゴリーの開拓を皮切りに、育成年代のカテゴリーまで営業活動が進んでいるようだ。
また、エゴザル以外にも新規参入が目立つ。ニューバランスやヒュンメル(株式会社エスエスケイ)は、Bリーグ開幕以降に日本でのバスケットボールラインを展開しており、ニューバランス製のユニフォームを「4」チームが着用。男子の柳ヶ浦高校(大分県)、 女子の県立小林高校(宮崎県)、東海大学付属福岡高校(福岡県)、就実高校(岡山県)というように九州エリアにサプライチームが多い。ヒュンメルも、男子の関西高校(岡山県)の選手たちがユニフォームに袖を通している。
さらに、国産ブランドに注目すると香川生まれのブランドであるミラーが県立高松商業高校のユニフォームに採用されているほか、バスケットカウント(有限会社トアシステム)もお膝元の強豪・女子の日本航空高校(山梨県)や、長年アシックスを着用していた男子の北陸高校(福井県)のサプライを昨秋よりはじめている。
ただ、不変の取り組みもあった。2016年大会に8強入りしていたチームの2025年大会の着用ブランドを見比べると、男子の福岡第一高校がブル・ファイトを着続け、東山高校はミズノを、桜花学園高校もナイキを着用。帝京長岡のバイオレーラ、北陸学院のオンザコート(現パスザロック)、岐阜女子のミズノとも長い付き合いになるようだ。
バスケットボール市場に新しいブランドが入ってくる背景には、それだけ市場として期待されている表れがあるから。強豪校へのユニフォーム供給を旗印に、周辺地域にある学校やクラブチームに対して、チームオーダーのセールスをアピールしやすくなる効果もあるだろうし、口コミも狙えるのではないか。
それでも学校に対する営業には、ブランドの直接営業という手法だけでなく、その中間にはスポーツ用品専門の代理店やスポーツショップの外商部など複数のプレーヤーが携わることもしばしば。他競技にはなるが、流行や人気に左右されない要素もブランドを選ぶ決め手になると聞く。必要に応じて、練習や県予選の試合などにも顔を出してコーチとコミュニケーションを図ることもあるだろう。盛り上がるバスケットボール市場で今後、ユニフォームブランドはどんな勢力図になってくるのか。各社がしのぎを削る今後にも注目していきたい。
出場校別の着用ブランド一覧

<男子>
駒澤大学附属苫小牧高校(北海道)|ブル・ファイト
北海道栄高校(北海道)|ブル・ファイト
八戸学院光星高校(青森)|オンザコート
県立黒沢尻工業高校(岩手)|ティップオフ
仙台大学附属明成高校(宮城)|ミズノ
東北学院高校(宮城)|ミズノ
県立秋田工業高校(秋田)|ブル・ファイト
羽黒高校(山形)|チャンピオン
福島東稜高校(福島)|スポルディング
土浦日本大学高校(茨城)|ティップオフ
県立宇都宮工業高校(栃木)|インザペイント
桐生第一高校(群馬)|ティップオフ
正智深谷高校(埼玉)|アンダーアーマー
埼玉栄高校(埼玉)|コンバース
県立八千代高校(千葉)|ビーファイブ
八王子学園八王子高校(東京)|ブル・ファイト
実践学園高校(東京)|パスザロック
國學院大學久我山高校(東京)|チャンピオン
成立学園高校(東京)|コンバース
東海大学付属相模高校(神奈川)|ミズノ
山梨学院高校(山梨)|ブル・ファイト
東海大学付属諏訪高校(長野)|アディダス
開志国際高校(新潟)|ブル・ファイト
帝京長岡高校(新潟)|バイオレーラ
高岡第一高校(富山)|ブル・ファイト
北陸学院高校(石川)|パスザロック
北陸高校(福井)|バスケットカウント
高山西高校(岐阜)|コンバース
藤枝明誠高校(静岡)|コンバース
浜松学院興誠高校(静岡)|インザペイント
中部大学第一高校(愛知)|アディダス
四日市メリノール学院高校(三重)|オンザコート
光泉カトリック高校(滋賀)|パスザロック
東山高校(京都)|ミズノ
京都精華学園高校(京都)|エゴザル
箕面学園高校(大阪)|エゴザル
報徳学園高校(兵庫)|パスザロック
奈良育英高校(奈良)|インザペイント
初芝橋本高校(和歌山)|オンザコート
鳥取城北高校(鳥取)|エゴザル
米子松蔭高校(鳥取)|クロスオーバー
県立米子東高校(鳥取)|インザペイント
県立松江東高校(島根)|インザペイント
関西高校(岡山)|ヒュンメル
県立広島皆実高校(広島)|アシックス
県立宇部工業高校(山口)|エゴザル
県立海部高校(徳島)|ティップオフ
尽誠学園高校(香川)|ブル・ファイト
県立高松商業高校(香川)|ミラー
帝京第五高校(愛媛)|ティップオフ
明徳義塾高校(高知)|コンバース
福岡第一高校(福岡)|ブル・ファイト
福岡大学附属大濠高校(福岡)|ジョーダンブランド
県立佐賀北高校(佐賀)|エゴザル
瓊浦高校(長崎)|エゴザル
九州学院高校(熊本)|オンザコート
柳ヶ浦高校(大分)|ニューバランス
延岡学園高校(宮崎)|アシックス
れいめい高校(鹿児島)|エゴザル
興南高校(沖縄)|アンダーアーマー


<女子>
日本航空高校北海道(北海道)|オンザコート
札幌山の手高校(北海道)|アシックス
北星学園女子高校(北海道)|チャンピオン
柴田学園大学附属柴田学園高校(青森)|ティップオフ
一関学院高校(岩手)|チャンピオン
聖和学園高校(宮城)|ミズノ
県立湯沢翔北高校(秋田)|チャンピオン
酒田南高校(山形)|オンザコート
福島東稜高校(福島)|ライザー
帝京安積高校(福島)|フープスターサカイ
土浦日本大学高校(茨城)|ティップオフ
矢板中央高校(栃木)|エゴザル
県立高崎商業高校(群馬)|チャンピオン
埼玉栄高校(埼玉)|パスザロック
昭和学院高校(千葉)|アンダーアーマー
千葉経済大学附属高校(千葉)|ブル・ファイト
八雲学園高校(東京)|ミズノ
八王子学園八王子高校(東京)|オンザコート
東京成徳大学高校(東京)|チャンピオン
星槎国際高校湘南(神奈川)|エゴザル
日本航空高校(山梨)|バスケットカウント
東海大学付属諏訪高校(長野)|ビーグロー
新潟産業大学附属高校(新潟)|ムンター
龍谷富山高校(富山)|アンダーアーマー
日本航空高校石川(石川)|チャンピオン
鵬学園高校(石川)|チャンピオン
福井工業大学附属福井高校(福井)|コンバース
岐阜女子高校(岐阜)|ミズノ
浜松開誠館高校(静岡)|エゴザル
桜花学園高校(愛知)|ナイキ
星城高校(愛知)|オンザコート
名古屋経済大学高蔵高校(愛知)|インザペイント
四日市メリノール学院高校(三重)|パスザロック
近江兄弟社高校(滋賀)|オンザコート
京都精華学園高校(京都)|ジョーダンブランド
京都両洋高校(京都)|オンザコート
大阪薫英女学院高校(大阪)|オンザコート
三田松聖高校(兵庫)|インザペイント
奈良文化高校(奈良)|オンザコート
和歌山信愛高校(和歌山)|オンザコート
鳥取城北高校(鳥取)|エゴザル
立正大学淞南高校(島根)|アンダーアーマー
倉敷翠松高校(岡山)|エゴザル
就実高校(岡山)|ニューバランス
比治山女子高校(広島)|オンザコート
県立徳山商工高校(山口)|オンザコート
県立富岡東高校(徳島)|インザペイント
英明高校(香川)|コンバース
聖カタリナ学園高校(愛媛)|インザペイント
済美高校(愛媛)|コンバース
明徳義塾高校(高知)|コンバース
精華女子高校(福岡)|アンダーアーマー
東海大学付属福岡高校(福岡)|ニューバランス
県立佐賀北高校(佐賀)|エゴザル
瓊浦高校(長崎)|インザペイント
慶誠高校(熊本)|インザペイント
明豊高校(大分)|アンダーアーマー
県立小林高校(宮崎)|ニューバランス
鹿児島高校(鹿児島)|アンダーアーマー
県立石川高校(沖縄)|オンザコート


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TEXT by Hiroyuki Ohashi
PHOTO by Kasim Ericson


