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  • 2025.09.17

NBAチャンピオンJDUB、日本初上陸を振り返る。東京の夏に刻まれた“バスケとカルチャーの交差点”

オクラホマシティ・サンダーでNBAチャンピオンを経験し、5年最大2億8000万ドル(約419億円)の大型契約を結んだばかりのジェイレン・ウィリアムズ(JDUB)が、この夏、東京を熱くした。
アディダス主催のスペシャルクリニックは、未来のボーラーたちにとって一生忘れられない一日となった。


コートでの素顔:419億円プレーヤーのフレンドリーさ

契約直後という大スターにもかかわらず、彼が見せたのは驚くほどフレンドリーな姿だった。子どもたちと同じ目線で笑顔を交わし、ハイタッチを繰り返す。さらに「バスケットの上達には親のサポートが不可欠で、それは当たり前のことではないんだ」と語り、その場で「後ろにいる親御さんに感謝を伝えて、今すぐハグをしなさい」と促す場面も。会場全体が温かい空気に包まれた。

コーチを務めたBang Leeも「大型契約をしたばかりのNBAスターが、こんなに自然体で子どもたちに接する姿は本当に印象的だった」と振り返る。



MCはYouTuberのballinwithbamba

今回のイベントを進行したのは、バスケ系YouTuberのballinwithbamba。
NBA選手のクリニックでMCと通訳を務めるのは初めてで「緊張した」と語りながらも、持ち前の熱とユーモアで会場を盛り上げ、子どもたちとJDUBの距離を近づけた。
デジタル世代の彼が“NBAと日本の未来”をつなぐ役割を担ったことは、このイベントならではの象徴的な瞬間だった。


映像には映らない熱気

SpaceBallMagの公式ショート動画には、クリニックの様子やJDUBのプレーが切り取られている。
だが現場にいた人々の記憶に残ったのは、映像では伝わりきらない熱気だ。歓声の大きさ、子どもたちの瞳の輝き、そして会場全体に漂った“NBAの未来のスターがコートに降り立った”感覚。まさに現場でしか体感できない瞬間だった。


オフコートでの東京ツアー

クリニックの後には東京観光も満喫。すしざんまいの木村社長がインスタグラムに投稿したツーショットは話題を呼び、「NBAスターが寿司を楽しむ」という絵は多くの人にカルチャー的なインパクトを与えた。
そのほか浅草や渋谷といった観光地を訪れ、さらにCASANOVA VINTAGEやCoast 2 Coastといった東京ストリートカルチャーの“聖地”にも登場。スターでありながら、等身大のツーリストとして街に溶け込む姿が印象的だった。


世界のトレンドと日本への期待

ここ数年、CURRY BRAND ASIA TOURやBLACK SAMURAI CAMPが示すように、NBAスターがローカルに入り込み、アンダー世代の育成や競技力向上を目的とした活動が世界各地で増えている。こうした取り組みは国全体のバスケ人気を押し上げ、選手が関わるブランドの価値をも高める。

adidasも長年「adidas NATION TOKYO」を通じて、次世代育成と普及活動を積み重ねてきた。今回のJDUBの来日クリニックも、その延長線上にある試みと捉えられるだろう。

そして今回の来日で見せたフレンドリーさとカルチャーへの自然な入り込みは、彼が単なるNBAスターではなく、未来の“グローバル・バスケアンバサダー”となる可能性を示していたのかもしれない。東京の夏に刻まれたその記憶は、きっと次の来日の瞬間へとつながっていくはずだ。

NBAチャンピオンJDUB、日本初上陸を振り返る。東京の夏に刻まれた“バスケとカルチャーの交差点”

TEXT by Rintaro Akimoto
PHOTO by アディダスジャパン

adidas Basketball

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