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  • 2025.05.02

SHINAGAWA CC WILDCATSとSAGAMIHARA 3×3が5月のFINALへ…「3×3 Super Circuit 2025」予選ラウンドレポートvol. 2

世界大会の出場権がかかる「3×3 Super Circuit 2025」は、1月に予選ラウンドが2度開催され、SHIBUYAラウンドでSHINAGAWA CC WILDCATSが、KYOTOラウンドでSAGAMIHARA 3×3が優勝。5月に開催されるFINALの出場権を獲得した。熱戦の模様とともに、競技キャリアに区切りをつけた選手たちの姿も振り返りたい。

SHINAGAWA CCが3年ぶりのFINALへ
 1月5日、渋谷区ひがし健康プラザでTOKYO DIMEの誘致大会として開催されたSHIBUYAラウンドには男子14チームが集結。決勝ではSHINAGAWA CC WILDCATSがHACHINOHE DIME.EXEに21-19で競り勝ち、3年ぶりのFINAL出場権を手にした。伊藤尚人は「決勝はかなり強度が高くて、身体能力もサイズもパワーもある相手だったので、どうやってディフェンスしようか、どうやって攻めようかと、試合前にしっかりと話せて遂行できたのが良かった」と勝因を振り返る。

 チームの年明け始動は大会前日の4日だったが、成瀬新司、竹田寛人、加藤穂高らチームメイトの準備も十分だったようだ。伊藤は「新年初練習で集まって、一発目からみんな割と体が動いていた」とのこと。当の本人はケガの影響でコンディションに不安もあったそうだが、決勝でウイニングショットを決めるなど随所で活躍。それでも「大事なところでターンオーバーをしたり、課題もあるのでしっかりと練習していきたい」と話した。

 そして、伊藤へ2025シーズンの目標も聞いた。彼らは2023シーズンに国内主要大会で2度の準優勝を遂げて、昨シーズンは更なる活躍が期待されたが、タイトルには届かず。それでも戦歴的に負けてはいけないチームにしっかりと勝ち切るなど「チームの底は上がった」感じているそうで「今年はチームが目指すところの天井を高くしたい」と、彼は意気込んだ。

新戦力迎えたSAGAMIHARA 3×3が初のFINAL
 1月19日には、京都市伏見区のBACKDOOR BASEでKYOTO BBの誘致大会としてKYOTOラウンドが開催された。関西勢を中心に8チームが参加した中、優勝を勝ち取ったのは関東から遠征したSAGAMIHARA 3×3である。決勝でNINJAAIRSを21-17で下し、チーム初となるFINAL出場権を手にした。昨シーズンまでSIMONで活躍したセルビア生まれのニコラ・パブロビッチを新戦力に迎えた中、幸先の良いスタートを切ったわけである。

 草野によると、パブロビッチの合流は大会の1週間前だったとのこと。飯塚環、ウロシュ・カニッチとともに初の公式戦だった中で「初戦から決勝に行くにつれて、チームでコミュニケーションを取って、試合を重ねるたびに良いオフェンスができた」と振り返る。また、オフェンス以上に球際の強さが勝因だと指摘。「ディフェンスとリバウンド、ルーズボールの部分が最後までチームとして崩れず、戦い切れたことがすごく良かった」と胸を張った。

 そんな新生SAGAMIHARA 3×3が目指すのは5月のFINAL優勝と、その先にある世界大会である。昨シーズンから本格的に「FIBA 3×3 Challenger」や「FIBA 3×3 World Tour」といった世界戦に参戦したが、戦績は芳しくなかっただけに、パブロビッチを迎えた2年目に懸ける思いが強そうだ。草野は新シーズンの目標について「国内主要大会で日本一を獲り、そこで得られる世界大会の切符でチャレンジャーやワールドツアーに挑んで勝ち上がっていきたい」と力強く語った。

若手たちが競技キャリアに区切り。新たに道へ
 そんな2025シーズンに向けて意気込むチームがある一方で、SHIBUYAラウンドでは競技キャリアに区切りをつける選手たちの姿もあった。TOKYO DIMEの川上太陽と荒木涼かだ。チームの誘致大会は2人にとって、ファンやスポンサー、チームメイトの前で勇姿を魅せる最後の機会になったのだ。

 23歳の川上は、2022シーズンよりDIMEグループの合同トライアウトを経て練習生として加入。DIME Basketball Schoolでコーチも務めて、チームから期待されてきた。この度、家業のそば屋を継ぐため、バッシュを脱ぐ決断をしたそうだ。

 川上は、SHIBUYAラウンドにSHIBUYA DIMEとして出場。1勝2敗の9位で終わり「勝って終わりたかった」と悔しそうな様子を見せつつも、彼はDIMEで過ごした日々について「本当に強い人たちとやりたいっていう気持ちだけでやってきて、すごい楽しかったです」と声を弾ませた。

 また、22歳の荒木も就職のため同ラウンド内で行われたエキシビションゲームが、最後の試合となった。彼女は大学進学を機に5人制から3人制へ転向。「もっと伸び伸びと自分らしくプレーしたい」という思いも、3×3を選んだ理由の一つだったという。

 そして荒木はDIMEで、練習生から契約選手に昇格。「人としても技術的にも少しずつ成長していけた」と明かすとともに「ファンやスポンサーの皆さまが応援してくださる中でプレーしているうちに、自分が満足できれば良いという気持ちよりも、応援してくださるから、その気持ちに応えたいという気持ちも強くなった」と振り返った。

 きっとDIMEで得た経験は、春から迎える新たな道を進む上でも糧にもなるはず。若い2人の将来に幸あれ。

【大会の日程・結果】

【予選ラウンドの優勝チーム】
・2024年11月2日|CHIBA|ALPHAS ※
・2024年11月10日|KAGOSGIMA|LAST ONE FUKUOKA
・1月5日|SHIBUYA|SHINAGAWA CC
・1月19日|KYOTO|SAGAMIHARA 3×3
・2月24日|SAITAMA|UTSUNOMIYA BREX
・3月15日|ISHIKAWA|BEEFMAN
・3月16日|MIYAZAKI|LEO BLACKS SAGA
・3月22日|Last Chance qualifier|TSUKUBA ALBORADA

【FINAL情報】
・大会名:3×3 Super Circuit FINAL supported by ZOZO
・日 程:2025年5月5日(月・祝)12時~17時
・場 所:THE MEAT YOKOHAMA 特設会場(神奈川県横浜市中区山下町279 山下ふ頭)
・メ モ:立ち見無料

※ チーム活動は今年3月末で終了。その引継ぎであるSHINAGAWA CITY 3×3 BASKETBALL CLUBとして、FINALに出場する

【大会公式SNS】
3x3_super_circuit(リンクは外部サイト)

SHINAGAWA CC WILDCATSとSAGAMIHARA 3x3が5月のFINALへ…「3x3 Super Circuit 2025」予選ラウンドレポートvol. 2

TEXT by Hiroyuki Ohashi



PHOTO by Kasim Ericson

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