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  • 2024.04.17

若き選手たちが躍動…「3×3 Super Circuit 2024 U18 supported by ZOZO」で男子・Boogie’s Basketball、女子・成田BT OWLS そつだんせーがチャンピオンに

 2月3日、4日に「3×3 Super Circuit 2024 U18 supported by ZOZO」が開催された。これは、3×3 Super Circuitとして初となるU18カテゴリーの大会で、男子19チーム、女子10チームが出場。3日は市原市臨海体育館でDAY1の予選Poolが行われ、男女各6チームがDAY2へ。

 4日はTIPSTAR DOME CHIBAへ場所を移して、3チームずつの同Poolを経て、それぞれ上位2チームが決勝トーナメントに進んだ。準決勝と決勝の舞台は、同日に実施された「3×3 Super Circuit 2024 FINAL supported by ZOZO」と同じ、メインコートである。多くの観客や親御さんに見守られながら、若き選手たちが手に汗握る攻防を繰り広げ、男子はBoogie’s(ブギーズ)Basketballが、女子は成田BT OWLS(アウルズ)そつだんせーが優勝を飾った(以下、選手の所属は2月4日時点)。

ヤングボーラーたちが19チームも出場
 そんなU18カテゴリーが3×3に燃えた2日間を振り返りたい。まず男子のDAY1予選Poolでは、19チームが5つのPoolに分かれて総当たり戦を実施。Pool Aは5チームの中で、拓大紅陵バスケ部のtitansが1位通過を決め、LABOが2位でDAY2へ。4チームで争われたPool BはSIMONが、Pool CはBoogie’s Basketballが突破。3チームによるPool DではSIMON U18が勝ち上がり、Pool EはRISE05が制した。


 そして、DAY2は3チームずつの予選Poolで幕を明けた。SIMON、RISE05、titansによるPool AはSIMONがRISE05との接戦を勝ち切るなど全勝で準決勝へ進み、RISE05も1勝1敗でPoolを突破。Pool Bは、SIMON U18がBoogie’s Basketballを21-20で下すなど2連勝し、Boogie’s Basketballも1勝1敗のPool 2位で準決勝へたどりついた。

 迎えた決勝トーナメントは、ヤングボーラーたちのギアが一段と上がってより一層ヒートアップする。Boogie’s BasketballとSIMONによる準決勝第1試合では、お互い試合中盤まで競り合ったが、Boogie’s Basketballが日野恭英(187㎝)のドライブやリバウンドをきっかけに引き離して21-13で難敵を撃破。SIMON U18とRISE05が激突した第2試合では、RISE05が序盤から主導権を握り、21-11で決勝へ。

 Boogie’s BasketballとRISE05による決勝は、Boogie’s Basketballが先行するも、RISE05が追い上げて、残り5分を切って16-16の同点に。それでも、Boogie’s Basketballは日野が勝ち越し点を決め、長谷川比源(199㎝)のブロックショットも炸裂。リバウンドの強いRISE05の反撃を阻み、21-18で頂点に立った。

「シュートを決め切るのが気持ち良い」(日野)
 大会MVPには、鋭い1対1で何度も会場を沸かせた日野が選出。チームは彼と長谷川を除く2人が3×3未経験だったため、DAY1は少し不安もあったそうだが、DAY2から「チームで話し合って改善点を見つけて修正をして、優勝まで行けたという思いがあります。すごい嬉しいです」と、日野は勝因を振り返った。

 また、高校3年生の日野は在籍する横浜清風高校で「ウインターカップ神奈川県予選」決勝で敗れた経験や、SIMON U18で出場した昨冬の「第10回3×3 U18日本選手権大会」で準優勝した経験を踏まえて、自らを「シルバーコレクター」と思っていたという。だが、そんな経験をもうしたく無いという思いが、今大会を勝ち切る上で力になった。

「きょうも(DAY2)予選で1回負けてしまって、決勝トーナメントは2位からのスタートでした。でも、悔しい思いを早いうちにできたので、その悔しさをチームで話し合って、次に“絶対優勝しよう”っていう気持ちで決勝トーナメントに挑んだのが、優勝する上で一番大きかったと思います」

 さらに日野は、高校では自ら仕掛けるタイプでは無かったそうが、BANG LEE氏が主宰するバスケットボールスクール・Boogie’s Basketball Schoolのおかげで、自分の能力が引き出されたという。特に小林大起コーチの名前を挙げて「きょうMVPが取れたのも、大起さんから受けた1対1の教えが生きたと思っています」と話した。高校バスケ引退後、成長できた自分を表現できる3×3は、きっと彼に合うバスケのひとつ。その感想を問うと、18歳は嬉々として教えてくれた。

「3×3は、5対5には無い切り替えの早さがあります。体力に自信があるのでハードにできるのが楽しいし、5対5には無いスペースの広さがあります。1対1にチャレンジできるので、これも自分的には楽しいです。1対1で抜いたあと、シュートを決め切るのが気持ち良いんです!そこはすごいやりがいを感じています」

10チームが集結…千葉のトップ選手たちも
 一方で、10チームが出場した女子はDAY1予選Poolで5チームずつに分かれて総当たり戦を実施。Pool Aからは、hkn49、八千代松陰高校、成田BT OWLSチームぼんが勝ち上がり、同Pool Bからは成田BT OWLSそつだんせー、船橋市立船橋高等学校、TOKYO DIMEがDAY2へ。CHIBA EIWAはPool Aで4連勝を飾ったが、チーム事情によってDAY1のみの出場となった。


 一夜明けたDAY2は、まず3チームずつの予選Poolからスタート。Pool Aでは船橋市立船橋高等学校が、2戦連続で1点差の攻防を勝ち切り、U15カテゴリーの選手で構成された成田BT OWLSチームぼんも八千代松陰高校を下すなど、1勝1敗で準決勝へ。Pool Bでは、成田BT OWLSそつだんせーが2連勝を飾り、hkn49もTOKYO DIMEとの接戦を制してPoolを突破した。

 そして4強による決勝トーナメントは千葉勢による戦いに。準決勝第1試合では、船橋市立船橋高等学校と、県立柏南高校の選手たちがタッグを組んだhkn49が対戦。両者中盤まで譲らない展開だったが、高さで上回る船橋市立船橋高等学校が徐々にリードを奪って18-13で決勝へ進出。第2試合は、成田BT OWLSそつだんせーと成田BT OWLSチームぼんがマッチアップした。成田BT OWLSはU15カテゴリーのクラブチームでこのカードはいわゆるOG vs 現役。チームぼんは果敢に立ち向かったが、21-11でそつだんせーが勝利を収めた。

 これで、決勝は船橋市立船橋高等学校と、成田BT OWLS そつだんせーの組み合わせとなった。両チームの選手たちは、千葉県の高校バスケシーンでしのぎを削ってきた間柄とあって、お互いを知る者同士。試合前から楽しそうな様子も印象的だった。試合は序盤から船橋市立船橋高等学校が谷心花(174cm)や若松雲夏(162cm)らが得点をすれば、成田BT OWLS そつだんせーも高橋優(164cm)や角陽菜多(177cm)らが応戦する好ゲームに。それでも、成田BT OWLS そつだんせーは角を中心に最後までシュートを決め続け、21-14でチャンピオンに輝いた。

「このメンバーとは中学生のときに」(角)
 MVPには、インサイドで存在感を放った角が選ばれた。高校3年生の彼女は、千葉経済大学附属高校のキャプテンとして昨年のインターハイとウインターカップで全国8強入りに貢献し、U18日清食品トップリーグでも得点ランキング2位(1試合平均27.1得点)を叩き出した、世代を代表する選手の一人だ。アンダーカテゴリーの5人制女子日本代表にも名を連ねるほどの選手が、3×3をプレーしている姿に驚きもあったが、これには理由がある。

 さかのぼること2020年秋。中学3年生の角は成田BT OWLSの一員として「第7回 3×3 U18日本選手権」の千葉県予選で高校生らを抑えて優勝。東日本エリア大会も突破し、本戦出場を決めた。その本戦は、クラブチームの大会と重なったため角は出場できなかったが、4年の時を経て再結成に至ったのだ。

 角は表彰式を終えて「このメンバーとは中学生のときに3×3の大会に出ていたんですけど、高校バスケが終わってからまたみんなで集まって大会に出ることができて、優勝という形で結果を残すことができました。すごく嬉しいです」と、笑顔を見せた。試合中は、お互いの成長も実感できたようで、勝因についても「中学生のときに出たときよりもコミュニケーション能力や、それぞれが高校で身につけた技術を4人で合わせて、プレーに出すことができたのが良かったと思います」とコメント。仲間たちと、バスケで良い思い出ができたに違いない。

コーチの思い…「子どもたちに3×3の楽しさを」
 そんな、成田BT OWLSバスケットボールクラブで代表コーチを務める高橋浩二氏も、角らOGの成長に目を細めていた。4年前の快進撃を「思い出作りにやれたら良いよねという気持ちで臨みましたが、高校生を抑えて勝ち進みびっくりしました」と思い出しつつ、今大会の出場について恩返しの意味も込めたようだ。

「あのときは、クラブチームの全国予選と重なってしまって(3×3 U18日本選手権の本戦に)角が出られなかったんです。なので、出場できる選手で代々木(第二体育館)でやらせてもらいました。そのときに、岡田(慧)さん、鈴木(規秀)さん、金子(周太朗)さんという、きょうの大会を運営をしている皆さんに、とてもお世話になり、子どもたちの面倒を見ていただきました。だから、今回は、そんな選手たちが高校3年間で成長した姿を見せるお披露目会のような思いもあって、参加させていただきました」

 また、高橋氏は千葉県バスケットボール協会の3×3委員会U12部会グループ長も務めている。自らのクラブチームで4年間、3×3にも取り組んできたこともあって、他チームからも3×3に関する問い合わせが増えているという。選手の成長につながる、この競技の普及についても思いを明かした。

「千葉県で、一番の原点である子どもたちに3×3の楽しさを広められたらという思いで、普及活動をさせていただいております。5対5と同じくらい3×3がメジャーになって欲しいと思っていますし、5対5よりも気軽に、どこでもできるのが魅力のひとつでもありますよね」

 2014年に日本で本格的に始まった3×3も、ことしで10周年。 「3×3 Super Circuit 2024 U18 supported by ZOZO」を機に、より一層、若い世代の3×3シーンが盛り上がる1年になる。そんな期待をさせてくれる2日間だった。

【結果】
 >>DAY1の男女・結果(リンクは外部リンク)

 >>DAY2の男子・結果(リンクは外部リンク)
 
 >>DAY2の女子・結果(リンクは外部リンク)

若き選手たちが躍動…「3x3 Super Circuit 2024 U18 supported by ZOZO」で男子・Boogie's Basketball、女子・成田BT OWLS そつだんせーがチャンピオンに

TEXT by Hiroyuki Ohashi

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