STREETBALL STARからHOOD STARへ/寺嶋恭之介 a.k.a. KYONOSUKEインタビュー

オーディエンスを魅了する華麗なボールハンドリングに、代名詞の『ボールスタンディング』など創造性溢れるムーヴ、そして高精度の3ptシュート。
KYONOSUKEは、2010年代中期〜後期の日本ストリートボールシーンにおいて、一時代を築いた、紛れもないスーパースターだった。
2026年現在、34歳になった彼は、生まれ故郷のプロバスケットボールチーム・青森ワッツで、Bリーガー『寺嶋恭之介』として、チームキャプテンを勤めている。
2020-2021シーズンの、遅咲きなプロデビューから早5年。
2026年4月1日に行なわれたアウェー・横浜エクセレンス戦直後に取材を申し込み、Bリーガー・寺嶋恭之介としての現在地や、ストリートボーラー・KYONOSUKE時代について語ってもらった。


ーチームから求められている現在の役割を教えてください。
KYONOSUKE:今季はキャプテンとして迎える2年目のシーズンなんですけど、一言で表すなら、チームを引っ張るベテラン枠です。
ベテランではありますが、コートに入った時は足をしっかり動かして、チームの勝利に貢献できるよう、ディフェンスからチームにエナジーを与えることを意識しています。
現在のポジションはSGです。
外角からシュートを狙う“ウイング”の役割を担っています。

ーゲーム中、チームメイトへ声をかけたり鼓舞したりする姿が印象的でした。
KYONOSUKE: 青森は、他のチームに比べて若い選手が多いので。
Bリーガーになった当初(2020-2021シーズン)は、自分自身のプレーで精一杯だった時期もあったんですけど、現在は自分自身に求められている役割をこなしつつ……コート上でもベンチでも、若手の選手には自分からコミュニケーションを取るよう心がけています。

ー2025-2026シーズン、ここまでの戦績を振り返って、現在の心境を聞かせてください。
KYONOSUKE:特に言い訳はありません。
怪我人が出たり主力選手が移籍したりする中、苦しい時期もありましたが、キャプテンとしてチームがバラバラにならないように努めてきました。
結果こそ伴っていませんが、今はチーム全員で勝利に向かっている、下を向かずにface up して進めている、と感じています。

ー今日の試合を振り返って、率直な感想を教えてください。
KYONOSUKE: (この日の対戦相手だった)横浜エクセレンスさんは、既にPLAYOFF進出が確定している上位チームです。
その強豪相手に1Qは3点リードで終えられたものの、2Qから自分たちのプレー、ボールムーブができなくなってしまい、点差が離れてしまいました。
そのまま後半もズルズルいってしまって……不甲斐ない結果になってしまいましたね。

ー自身のパフォーマンスはいかがでしたか?
KYONOSUKE: 自分の中では「積極的にシュートを狙おう」と思って望んだ試合でした。
ファーストショットの3ptシュートは決められたんですけど、その後が続かなかったですね。
今シーズンは残り8試合あるので、自分に求められている役割を徹底して、チームの勝利に貢献したいですし、もっともっと自分自身に自信を持ってプレーしたいと思っています。
今日の会場である横浜BUNTAIはB.LEAGUE PREMIERで使用されるアリーナ(横浜ビー・コルセアーズのホームアリーナ)ですし、もっと大きな舞台で戦えるようにならないといけないですね。
今シーズンの苦しい時期も、今日のゲームも、自分たちの成長する機会と捉えて、今後に活かしていきたいです。

ーもしストリートボールに出会っていなかったら、今頃どのようなキャリアを送っていたと思いますか?
KYONOSUKE: バスケはやっていないと思います。
バスケを辞めようとした時期にストリートボールと出会ったので。
ストリートのおかげで再起できたので、ストリート時代がなかったら……今こうしてプロ選手としてバスケはしていないですね。

ーストリートを経由したことによる『遠回り』という感覚もない?
KYONOSUKE: 遠回りにはなっていないですね。
ストリートがあったから、『戦う』『勝ち上がる』『積み上げる』といった、プロに必要な要素を学べたと思っていますし、ストリートボールに出会えたから、プロに進めたと思っています。
僕の中では、紛れもない『正解』でした。

ーストリート時代は、どんなことを考えてプレーしていましたか?
KYONOSUKE:SOMECITYなどストリートでプレーしていた時は、「ボールを持ったら、誰よりも自由に、誰よりも魅せよう」と思っていました。「ボール1つで、どこまでカマせるか?」を追求していましたね。

ープロとストリートの「違い」は何だと思いますか?
KYONOSUKE: めちゃくちゃ沢山あるんですけど、プロになった今だからこそ言えるのは、プロは再現性が非常に重要だということ。
プロスポーツという競技の下、公式のレフェリーがいる中で、お金をもらってプレーする責任があります。
逆に、ストリートで重要なのは『一発のインパクト』に懸けることだと思います。
ファッションをはじめ、ボーラーの生き方全てがプレーに結びついてくるのかな、と当時は感じていました。

ーストリート時代に学んだり経験したりしたもので、プロキャリアで活きたものってありますか?
KYONOSUKE:『前に進むこと』ですね。
『常に前に進み続ける』という生き様を乗せて、当時からボールを突いていました。
それがプロになった今でも、活かされていると思います。

この日のゲームを54-88の大差で落とした青森ワッツは、(4/1試合終了直後の)シーズン通算成績を10勝42敗とし、依然としてB2東地区の最下位に沈む苦しい状況が続く。
既にPLAYOFF進出の可能性は消滅しているが、リーグ改変される2026-2027シーズンは、国内2部リーグ相当の『B.LEAGUE ONE』へ参入が決定している。
日本ストリートボールシーンのスーパースターから、地元・青森の星へ。
PLAYGROUNDが変わっても、プレースタイルが変わっても、求められている役割が変わっても、生き様は変わらない。
チームが苦境に立たされている今この瞬間も、KYONOSUKEは、前を向いて歩みを続けている。
ストリート時代と変わらず、きっとこの先もボール1つで未来を切り拓いてくれるはずだ。

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TEXT & PHOTO by Jose Ishii

