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  • 2026.01.31

サンロッカ-ズ渋谷が山﨑一渉を全体1位指名。茨城ロボッツより全体2位指名の赤間賢人は決意も…初のBリーグドラフトで11名がプロへ

2026-27シーズンより開幕するB.プレミアに向けて
 Bリーグ初のドラフトはシビアな印象だったが、これも過渡期を迎えるプロバスケットボール界の歴史になりそうだ――。1月29日に「B.LEAGUE DRAFT 2026」がKanadevia Hallで開催され、108名のドラフト志望届を出した選手のうち、11名が指名を受けた。狭き門をくぐり抜けたわけである。

 Bリーグは既報の通り、2026年より強化、経営、社会性の3つの観点でリーグの構造変革を行うB.革新を行う。現行の昇降格制度はなくなり、2026-27シーズンからはアリーナ、入場者数、売上の指標で新たにリーグを再編。B1はB.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)、B2はB.LEAGUE ONE(Bワン)、B3はB.LEAGUE NEXT(Bネクスト)となる。

 今回のBリーグドラフトは、B.革新の取り組みのひとつで、新人選手の獲得機会を均衡にし、将来的な戦力均衡を図ろうとするものである。Bプレミアクラブを対象に実施され、この日は26クラブのうち23クラブが参加。1巡目指名選手に対する年俸は、2年契約+プレーヤーオプションの場合、日本の大学を経た選手で1,800 万円、NCAA(D1)を経た選手になると3,000 万円にも及ぶ。

 なお、ドラフトはユース組織との共存を図るため、ドラフトに先立ち優先的に自チームのユース所属選手と契約を結べる制度も導入。この日はドラフト指名に先立ち、その制度によってU22枠選手として晴れてトップチームと契約した西村優真(レバンガ北海道 U18)、若野瑛太(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18)、阿部真冴橙(仙台89ERS U18)の3名が登壇し、各チームの社長・GMよりユニフォーム贈呈のセレモニーも行われた。

NCAA所属の山﨑の獲得意図を、松岡GMが明かす
 そして、B.LEAGUE DRAFT 2026 LOTTERY(2025年12月22日実施)により決定した指名順により、いよいよ指名へ。1・2巡目までは全クラブが参加し、指名の有無を表明。3巡目以降は選択を終了したクラブは参加しない仕組みで幕を開けた。

 注目の1巡目1位指名権を持つサンロッカ-ズ渋谷は、NCAA所属の山﨑一渉(ノーザンコロラド大学)を指名した。201㎝のサイズと、シュート力を備え、昨夏のFIBAアジアカップ2025の代表合宿メンバーにも選出された期待の大型ウイングプレイヤーである。

 ただ、彼は現在、NCAAのシーズン真っ只中。終了後に交渉を開始する予定だという。サンロッカ-ズ渋谷の松岡亮太GMは囲み取材で「選手としての能力、やっぱり彼の持っているものは日本人離れした良いものを持ってると思ってます。僕たちは一番最高の選手を指名したい中で山﨑選手に決めさせてもらいました」と獲得意図を明かした。さらに「NCAAでも独自のルールがあると思っているので、あくまで僕らはコンタクトなしで単独(指名)で踏み切りました」とも説明したほか、B.革新によって設定されるサラリーキャップと、新人選手の年俸の兼ね合いを問われると、言葉を選びながら見解を語った。

「やっぱり金額のところが(サラリーキャップで)8億に対して、日本の子だったら1800万、NCAAだったら3000万というところは、クラブにとっては結構大きなウエイトにはなってしまうので、その調整はすごい大変だと思います。特に今はシーズン中で今週もまたゲームがあるわけで、うちにも選手がいるわけなので、なかなかそこを言及するのは難しいと思いますが、しっかり制度の中でコントロールしていかないといけないのが僕らの役割だと思っています。そこは最大限チャレンジしたいと思っています」

初のドラフトを経験。赤間、松野が後輩たちへ決意
 一方で、山﨑に続いて指名された選手は全員が日本の大学生たち。いずれも関東勢だった。茨城ロボッツより1巡目2位されたのは、東海大学を中退してプロ入りを表明していた赤間賢人(189㎝/SG)。ドラフト一期生として今後に続く後輩たちのためにも、活躍を誓った。

「自分の今後の活躍が大事だと思っています。ドラフトで入った選手が活躍できなかったり、良い結果を残せないと今の大学界にとっても良い印象を残せないと思います。まず、自分がドラフトで選ばれた選手としてBリーグに入って、結果を残せるように頑張っていきたいと思います」

 また、横浜ビー・コルセアーズは1巡目3位で新井楽人(日本大学/190cm/SG/SF)、長崎ヴェルカは1巡目4位で岩下准平(筑波大学/180cm/PG)を指名し、秋田ノーザンハピネッツは1巡目5位で岩屋頼(早稲田大学/183cm/PG)との交渉権を獲得。広島ドラゴンフライズは1巡目6位で、松野遥弥(専修大学/190cm/PG/SG)を指名した。

松野は、専修大学で活躍したほか、3×3でも代表やクラブレベルでプレーし、現在はB2鹿児島レブナイズの特別指定選手としても活動中。ドラフト体験者として後輩たちへエールも送った。

「僕は挑戦する場があれば挑戦したいと思っていて、ドラフトは間違いなく、悩むことなくエントリーしようと思いました。そういう場にエントリーできる、アピールできる場があることは当たり前のことじゃないので(後輩たちには)そこにどんどん挑戦してほしいです。仮にこのドラフトで結果が出なかったとしても、僕は次に向けて頑張るという覚悟をしてたので、そういう覚悟を持って挑戦していくことが大事だと思います。自分は憧れられたいし、憧れたものを持っていたので、挑戦する姿はかっこいいと思いますし、後輩に自分がかっこいいと思ってもらえるなら、後輩もかっこ良くなってほしいですね」

 さらに、この日はドラフト終了後、驚きの発表も。長崎ヴェルカが1巡目4位で岩下准平(筑波大学/180cm/PG)を、滋賀レイクスが2巡目2位で田中流嘉州(大東文化大学/194cm/SF/PF)を指名した中、両クラブから育成契約選手制度を活用した相互連携を行うというリリースがあった。これにより、双方クラブが指名選手と選手契約締結に至った場合に、育成契約選手制度に基づき期限付移籍が行われるという。

島田チェアマンが説く、B.革新でのドラフト意図
 ドラフト指名選手11名と、ユース優先交渉権によってプロ入りした3名の選手たちが、プロバスケットボール選手として日の目を浴びた初のBリーグドラフト。数字だけ見れば少ない印象になるが、島田慎二チェアマンは囲み取材で全体総括を「基本ポジティブです」と切り出し、今回の難しさをリーグサイドとして2点言及した。

 ひとつは、サラリーキャップ適用が控える中で「現行戦力の中でも一定の調整をしないと収まらないクラブがある中で、若い選手にどこまで投資するかという判断は、クラブにとって難しかった」とコメント。もうひとつは、今シーズンが開幕する前にプロ契約すればドラフトを回避して意中のクラブに行けたルールを挙げて「たぶん十数名、ドラフトにかかるであろう選手が参加しない状況の中でいうと、それを合算すると今のBプレミアに参加したクラブ数ぐらいにはなるのではないか。30名まで(指名が)行くかどうかはさておき、1チーム1人ぐらいはそれぐらいの状況があったというふうに考えています。来年以降もっと良くなっていくかなと思ってます」と島田氏は説いた。

 さらに、ドラフトの意志決定に至った理由のひとつを、次のようにも明かしている。

「ドラフトで1年目からバシバシの指名があって、皆さんのイメージしてるような状況を想定はしてないんです。その状況を想定をするならば、もっと先にドラフトを置いてもいいと思いました。ただ、B.革新のタイミングで一定そういう状況があったとしても、ここでスタートすることでドラフトを介さないとB.プレミアに入れない状況を若い世代に早めにインプットすることで育成環境に変化をもたらしたり、指導者の皆様に変化をもたらすということを早めに進める方が、日本の強化に資するという判断をもって意思決定しています」

 今後、交渉権を獲得した各クラブは、それぞれの選手と3月31日までに契約締結を行うことになる(NCAA所属選手は6月30日)。また、指名漏れした選手たちの中には、B.ワン、B.ネクストでのプロ入りを目指す者もいるだろう。「B.LEAGUE DRAFT 2026」を起点としたバスケットボールシーン界の動きにも注目が注がれる。

【結果】Bリーグドラフト2026 指名結果一覧
・指名選手数:11名
・指名クラブ数:10クラブ(秋田ノーザンハピネッツが2名指名)
・1~3巡目で指名なしクラブ数:13クラブ

●1巡目
1位(全体1位)|サンロッカーズ渋谷|山﨑一渉|ノーザン・コロラド大学
2位(全体2位)|茨城ロボッツ|赤間賢人|東海大学
3位(全体3位)|横浜ビー・コルセアーズ|新井楽人|日本大学
4位(全体4位)|長崎ヴェルカ|岩下准平|筑波大学
5位(全体5位)|秋田ノーザンハピネッツ|岩屋頼|早稲田大学
6位(全体6位)|広島ドラゴンフライズ|松野遥弥|専修大学

●2巡目
1位(全体7位)|京都ハンナリーズ|西部秀馬|日本体育大学
2位(全体8位)|滋賀レイクス|田中流嘉州|大東文化大学

●3巡目
1位(全体9位)|秋田ノーザンハピネッツ|堀田尚秀|早稲田大学
2位(全体10位)|富山グラウジーズ|泉登翔|日本大学
3位(全体11位)|佐賀バルーナーズ|武富楓太|東海大学九州

●4巡目
実施なし

B.LEAGUE DRAFT 2026 結果について(リンクは外部/Bリーグ公式)

サンロッカ-ズ渋谷が山﨑一渉を全体1位指名。茨城ロボッツより全体2位指名の赤間賢人は決意も…初のBリーグドラフトで11名がプロへ

TEXT by Hiroyuki Ohashi

PHOTO by ©B.LEAGUE ©JUBF

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