
「ルカ4」「ルカ.77」を学ぶ…アルペンがNIKEの協力を得て勉強会を開催
店舗のバスケスペシャリストたちが学ぶ
スポーツ用品点のアルペンは4月8日、NIKEの協力を得てJORDAN BRANDより今春発売されたばかりの「ルカ4」と「ルカ.77」の社員向け勉強会を開催した。近年、日本のバスケットボール人気の高まりとともに、同社のバスケットボールカテゴリーも売上を伸ばしている状況を受けて、お客様への商品提案力をさらに強化する狙いから、この場が設けられたという。

この日は、全国にあるアルペンやスポーツデポに勤務する社員のうち、バスケットボール売り場で商品知識や接客の社内試験に合格したバスケットボールスペシャリストと呼ばれる社員25名が都内に集まった。座学と実践によって、NBAロサンゼルス・レイカーズで活躍するルカ・ドンチッチの最新シグネチャーモデルを学ぼうとする社員たちの様子は、どこか楽しそうだったのが印象深い。

ズームエアを初搭載。ルカ4と前作の違いは?
座学ではNIKEより、シューズの分解サンプルをまじえて最新モデルのプレゼンテーションが行われた。まず「ルカ4」は、ドンチッチの特徴的なプレースタイルである急加速から急停止や、ステップバックへの対応、さらには片足に体重を残したプレーでも安定性を高められるように開発されたという。シリーズ初となる「ズームエア」が前足部に搭載されて、前方向のスピードを得られるようにサポート。中足部には前作のルカ3には無かったシューレースと連動したフライワイヤーケーブルが採用されたことで、足をぎゅっとホールドしてシューズ内でのブレを軽減できるようになった。

前作同様にクシュロン3.0が使用されたミッドソールは、かかとからつま先への体重移動をスムーズにサポートする。アッパーは足当たりの良い素材を使用し、素材同士をつなぎ合わせることで軽量化を実現。小指の骨のあたる中足部横の部分は柔らかい素材が採用されているため、足を踏み込んだときにも屈曲しやすい作りになっている。

そしてIsoプレートと呼ばれる黒いTPU製のプレートが足裏からサイド方向に配置されて、シューズのねじれを防止。かかと周りはくぼんだ形状となっており、足を入れるとフィットして抜け感が無いようにしている。アウトソールは新たにヘリンボーンパターンを全面採用し、多方向への動きにも対応できるように。重量も381gから348g(27cmモデル)へと大幅に軽量化されているのも大きな特徴だ。

もう一つの「ルカ.77」は、屋外でプレーする若年層からインスピレーションを得て開発された。ドンチッチ自身も幼少期に屋外でバスケをしていたが、適切なシューズが無かったという原体験があったという。子どもたちの手に届きやすいシューズを願っているためか、13,200円(税込)とリーズナブルな価格帯であることはユーザーにとって嬉しいだろう。

もちろん、シューズも高機能である。前足部にはルカ4と同じくズームエアを搭載し、TPU製のIsoプレートも配置。アッパーには耐久性の高い対摩耗性のオープンメッシュを使用して通気性と軽量化を図り、つま先部も対摩耗性の素材で補強されている。

ミッドソールは足裏の外層が少し硬めで、内層が柔らかくなるよう調整されている。クシュロン3.0よりも少し硬めのミッドソールを好むプレーヤーにオススメではないだろうか。加えて、かかと部のヒールフォームには7つの穴が設けられており、着地のときに穴がたわむことで衝撃を吸収する作りになっている。アウトソールには耐久性に優れた厚手のラバーソールが全面採用されており、ストリートでの使用にも適しているのが、今モデルの特徴の一つである。


大神雄子さん、東海大バスケ部の選手とバスケも
勉強会ではプレゼンテーションのほか、シューズに対してより深い理解を得るため、ゲストも招かれた。Wリーグのトヨタ自動車アンテロープスでヘッドコーチを務める大神雄子さんと、東海大学バスケットボール部の鈴木暉將選手(4年生/主将)、君座武志選手(4年生)である。

トークセッションでは、「ルカ4」「ルカ.77」を試し履きした感想に話題が及んだ。身長188㎝で体重100kgの体格を誇る君座選手は、ルカ4を履いたときの“軽さ”だけでなく“安定性”も実感。「足にフィットしてますし、走りやすい。前に進む力を、ズームエアのおかげで感じることができました。1週間ほど履いたのですが、いま履いているバッシュと併用して履きたいと思うぐらい動きやすかった」と語った。

また、身長191cmでオールラウンドにプレーできる鈴木選手は、ルカ.77を着用。外でバスケをやる機会に少し履いてみたそうだが「体育館での動きのような激しさ、ジャンプだったりダッシュだったりを再現できたので、いろんな場所でバスケするのに良いバッシュだと思いました」と話した。さらにシューズを履くとき、ひもを強く縛ってしまうそうだが「シューズの安定性が良いので、強く縛らなくても足がズレなかったり、止まったときも安定している」という感想も持ったそうだ。

そして大神さんによるクリニックは、鈴木選手や君座選手も参加したドリブル鬼ごっこでウォーミングアップをしながらスタート。「ルカ4」「ルカ.77」を履いた社員が製品の特徴を感じられるようにする意図もあってか、ドライブからのストップや切り返し、ステップバックシュードなどの動きを取り入れたメニューが提供されていた。4つのグループに分けられたシュート対決をしたのち、5対5のミニゲームも行われて、一番の盛り上がりを見せたのがこの日のハイライトでもあった。


参加したスペシャリストたちは日頃からバスケットボールを楽しむ方も多いだけに、大神さんはクリニックを終えて「皆さん、めちゃめちゃバスケットが上手くてびっくりしました!」とコメント。これまで子どもたちや中高生向けのクリニックは経験があるそうだが、店頭スタッフ向けのクリニックは初めてだったという。用意してきたクリニックのメニューもかなり飛ばしたそうで、その場で見て「ドリルも複雑にしました。シンプルにやろうと思ったのですが、皆さんがクリニックのレベルを上げてくれて、私も良い学びでした」と明かし、このような感想も寄せてくれた。

「ルカ4、ルカ.77を発売するにあたって、都内の体育館を貸し切って、このようなイベントを開催される取り組みに、皆さんの本気度を感じました。バスケットボールを盛り上げようとしてくださっている方々がこんなにもいて、お店の方々がいて、その思いに私たちは感謝して自分たちの舞台で頑張りたい。一緒にバスケットボール盛り上げたいと思いました」

シューズへのこだわり…ルカ4は新色が今月15日より発売へ
そんな大神さんは、現役時代からNIKEのバッシュを着用していた姿も思い出される。マイファースト"NIKE"バッシュを尋ねると、ルカ4やルカ.77にも搭載されたズームエアを内蔵する「エアズームフライト5」だという。「クッション性」にほれ込み、多いときで同モデルのストックを50〜60足ほど持っていたそうだ。
その後も、ズームエア搭載のモデルを愛用していたため、大神さんはルカ4について「ズームエアが入ったと聞いて、これはおすすめするしかないだろうと思いました。実際に履いてみたら軽いし、クッション性も抜群」と絶賛。「私が現役だったらルカ4(を履くこと)はもう間違いないです」と太鼓判を押した。ルカ.77についてもグリップ、クッション性を評価して「デザインはすっきりしているので、好む選手がいそうですね」と話した。

さらに、バッシュの選び方についてもアドバイスを寄せてくれた。ポジションレスで、ビッグマンもシュート力やアタックが求められるなど変化する現代バスケにおいて、大神さんは「自分のプレースタイルや好みに合ったバッシュを見つけてほしい」と強調。オールラウンドに活躍するドンチッチに触れて「ここまで軽量で、ズームエアが搭載されたバッシュをルカが履いているわけですから、ルカ4はいろいろな方が履けるマルチなバッシュというのが私の印象です」と語った。

また、参加したバスケットボールスペシャリストもルカ4が、男性や女性、ポジション問わず幅広いプレーヤーにおすすめできる商品であると、強く感じていた。アルペントーキョーのスタッフは「ルカ4は、いろいろなプレイヤーの方や、いろいろなプレースタイルをサポートしてくれるシューズだと一番に感じました」と話す。ルカ.77については「屋外で使用するプレーヤーに対してのサポート力を、グッとあげてくれるシューズだと思います」と、その魅力を語った。クリニックのクロージングでは、スタッフ同士で試し履きしたシューズの良さを振り返って、プレゼンし合う機会もあっただけに、今後お店で語られる言葉はより一層、ユーザーの要望に沿った具体的な内容になるはずだ。


販売店とメーカー、バスケットボール関係者が協力して、店舗スタッフがバスケットボールを深く理解できるようになった今回の勉強会。アルペンでバスケットボールシューズに最も詳しいバスケットチーフアドバイザーの矢野康介さんは「会社として、バスケットボールカテゴリーへ非常に力を入れている中で、メーカー様とこの取り組みが一緒にできて非常に良かったと思います」と総括した。

来る5月15日(木)からは、ルカ4の新色である「ゴーンフィッシュ」が、アルペン、スポーツデポ、NIKE直営店限定で先行販売される。店頭では試し履きもできるので、ぜひバスケットボールスペシャリストたちとバスケ談義をしながら、最新モデルを体感してみてはいかがだろうか。
