世界大会につながる「3×3 SuperCircuit 2023」が開幕……BEEFMANが第1戦で優勝
来年の世界大会につながる国内予選「3x3 SuperCircuit 2023」がスタートした。第1戦を制したのは、BEEFMAN。Solviento Kamakura Zushiから清水隆亮を迎えて、野呂竜比人は「ちょっとベテランになったけど(笑)」とチームを冗談めかして表現する。しかし、新たな4人組は終盤の逆転劇で、2月に開催されるFINALに一番乗りを決めた。
12チームが集結して優勝を争う
11月3日、千葉みなとさんばしひろばで「3x3 SuperCircuit 2023 Chiba Support by ZOZO」が開催された。これは、世界大会につながる「3x3 SuperCircuit 2023」という国内大会の予選ラウンド開幕戦。これを皮切りに全国7都市で予選ラウンドが実施され、各ラウンドを制したチームに、ワイルドカードを勝ち抜いた1チームを加えた計8チームが、来年2月のFINALへ進出。優勝チームには、2023シーズンに予定される「FIBA 3x3 Challenger」という世界大会の出場権が与えられる。
注目の今ラウンドには、12チームが集結した。10月、韓国で開かれた「FIBA 3x3 Sacheon Challenger」でベスト8入りしたTOKYO DIMEを筆頭に、BEEFMANや日本橋ウェルスマネジメント、Solviento Kamakura Zushiらが、4つの予選プールに分かれて総当たり戦を実施。各プールの1位がセミファイナルからはじまるノックアウトトーナメントに駒を進め、優勝を争った。
手に汗握る試合……最後はBEEFMANが逆転勝ち
大会の模様を振り返ると、まず予選プールで手に汗握る試合は、Solviento Kamakura ZushiとSHONAN SEASIDEの一戦だった。終盤までもつれる展開となり、SHONAN SEASIDEが19-18で競り勝った。Solviento Kamakura Zushiは、及川啓史(#2)の2ポイントシュートで一時は逆転したものの、先月、第8回3x3日本選手権の神奈川県予選で破れた相手にリベンジならず。今年2月、第7回3x3日本選手権で準優勝したチームは、SENDAI AIRJOKERより宮坂侑(#91)を迎えるなど戦力が入れ替わり、変革期のいま、勝利に向けて模索が続く。
そして、ノックアウトトーナメントでは、セミファイナルGAME1でSHONAN SEASIDEを21-14で破ったBEEFMANと、同GAME2で日本橋ウェルスマネジメントを21-13で下したTOKYO DIMEによるファイナルが、より一層熾烈な試合となった。
BEEFMANがLazar Popovic(#6)や清水隆亮(#41)の得点で先行したが、TOKYO DIMEも鈴木慶太(#7)のドライブや小松昌弘(#70)、黒田亘(#13)の好守で応戦し、序盤から一進一退の攻防へ。中盤すぎには、TOKYO DIMEが相手のファウルトラブルも追い風に、鈴木のバスケットカウントや、西畝優(#5)の連続得点などで11-15と4点のリードを奪う。
しかし、BEEFMANは残り3分1秒でタイムアウトを請求。落ち着きを取り戻すと、湊谷安玲久司朱(#5)の2ポイントシュートで再び追いつき、Popovicのバスカンで18-16と再逆転。最後は、野呂竜比人(#1)が2ポイントシュートを沈め、21-18で試合を締めくくった。
新たな4人組に「ちょっとベテランになったけど(笑)」
劣勢をはね返して、優勝をつかんだBEEFMAN。タイムアウトで野呂は「もう1回頑張ろうぜ!もったいないファウルだけやめて、しっかりと(気持ちを)切り替えれば俺たちのチャンスが来るから」と、チームメイトに伝えたと言う。
その言葉通り、BEEFMANは残り3分を切ってからノーファウルでTOKYO DIMEの攻撃を阻み、個々が持ち味を発揮して、逆転の流れをたぐり寄せた。野呂、湊谷、Popovicの不動のメンツに、Solviento Kamakura Zushiから32歳の清水を迎えて、3x3の経験値で言えば国内屈指の4人組みに。厳しい試合は何度もこなしてきた。野呂は「ちょっとベテランになったけど(笑)」と、新たな顔ぶれを冗談めかして表現するが、「チームが明るくなった」と清水の加入による好影響も明かしている。
一方で、当の本人は試合後「勝って当たり前のチームに僕は入ったと思っているので、今日は勝ててホッとしています」とコメント。安堵の表情を浮かべたが、この言葉には、別の思いも感じさせられた。
BEEFMANのラインナップは野呂、湊谷、Popovicの3人が基本。これまでは4人目に、ホール百音(モネ)アレックス(現青森ワッツ)が入ることで、世界大会で勝利を挙げるなど結果を残してきた。そのため清水は、百音に代わる自分が加入して結果の出ない状況は作りたくなかった。「(見ている人から)あそこ(=4人目)は百音じゃないとねと、思われるのも嫌なので」と、彼なりの意地があったのだ。
清水と言えば、つい最近まで2020年に始動したSolviento Kamakura Zushiの顔として印象の強かった選手。そのため、10月にエジプトで行われたレッドブルが主催する3x3の世界一決定戦「Red Bull Half Court World Final」で、BEEFMANの一員として助っ人参戦(当時所属はSolviento Kamakura Zushi)した男が、正式加入する発表に驚きもあった。だが、その世界大会が彼の気持ちを動かしたようだ。
「鎌倉では、チーム立ち上げから活動を長い間任せていただいて、3x3の普及活動やコーチ活動にやりがいも感じていました。でも、そんな中でエジプトに行くチャンスをいただいて、トップレベルでの戦いをまだまだやりたい、オレはもう少しやれるんじゃないかという気持ちになりました。年齢的にも32歳で、体が思い通りに動く時間がたくさんあるわけでもありません。今回の移籍は、世界に挑戦するため近道を選んだつもりです。BEEFMANは、元々知ってたチームで、緊張なども全くありません。プレーに集中できる環境だと思っています」
第2戦は12月に、アルファーズコートで開催へ
そんなBEEFMANの優勝でスタートした「3x3 SuperCircuit 2023」は、第2戦を12月17日(土)に開催する。戦いの舞台は、埼玉県春日部市にあるアルファーズコートだ。3x3チームのALPHAS 3x3 BASKETBALLや、5人制の越谷アルファーズを運営する株式会社フープインザフッドが埼玉ラウンドとして大会を誘致し、入場料は500円(税込)を予定している。ただし、アルファーズのグッズを持っていれば入場料は無料。B2を戦う5人制チームでお馴染みの応援グッズ“ネギバンバン”が、3人制のコートサイドで埋め尽くされそうだ。
詳しい大会スケジュールや、入場方法については、追って「3x3 SuperCircuit 2023」の公式Instagramおよび、ALPHAS 3x3 BASKETBALLの各種SNSで発表予定だ。2022年の3x3見納め大会として、是非お見逃しなく。
【埼玉ラウンドの詳細は追って公開予定】
大会公式Instagram
https://www.instagram.com/3x3_super_circuit/
ALPHAS 3x3 BASKETBALL 公式SNS
Twitter https://twitter.com/alphas_3x3
Instagram https://www.instagram.com/go_alphas/
【今後の大会スケジュール】
●予選ラウンド
2022年
・12月17日(土) 埼玉ラウンド@アルファーズコート
2023年
・1月8日(日) 宮崎ラウンド@綾町体育館 ★
・1月8日(日) 東京ラウンド@渋谷区ひがし健康プラザ ★
・1月15日(日) 京都ラウンド@BACKDOOR BASE(京都市)
・1月15日(日) 神奈川ラウンド@高津スポーツセンター(川崎市)
・1月21日(土) 茨城ラウンド@つくばカピオ ★
●ワイルドカード(※)
・2月4日(土) 男子ワイルドカード@つくばカピオ
・2月4日(土) 女子ワイルドカード@千葉市内
●FINAL
・2月5日(日) @TIPSTAR DOME CHIBA(千葉市)
★は女子カテゴリーも同時開催
※ワイルドカードのエントリー条件は、予選ラウンドのいずれかに出場していること。
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TEXT by Hiroyuki Ohashi
PHOTO by ma76.bball