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  • 2019.12.03

ALLDAY 2019 AUTUMN REPORT

去る2019年10月26日(土)-27日(日)に開催されたALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT 2019 AUTUMN!本来であれば10月12日-13日に開催されるはずだった今大会は、台風上陸のために順延となるも、その後見事晴天に恵まれ、14年目にして38回目のトーナメントを無事にやり遂げることができた。

「年齢・性別・国籍・キャリア及びカテゴリ一切不問!完全オープンエントリー制5ON5のストリートボール・トーナメント!」を貫き続けているメイントーナメントはもちろんのこと、アメリカのストリートボールカルチャーの伝道師であるBANG LEE(SPACEBALL MAG)によるストリートボールクリニックの開催や、選抜された4人のガールズボーラーによって編成されたガールズトーナメント、観客参加型のシューティングチャレンジ、そして伝説的ヒップホップクルー「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」のスペシャルライブなど、これまでのALLDAY史上で最多のコンテンツが展開された今回のALLDAY 2019 AUTUMNをレポートしよう!

まずは10月26日(土)に開催されたQualifying Tournament、翌日のFinal Tournamentへの出場枠をかけた予選トーナメントがAMの10:00からスタート!1回戦、2回戦はトーナメント開催前に公開したプレビューの通り、これまでALLDAYで結果を残してきている強豪チーム、また直近で勢いを増している新進気鋭のチームたちが順当に勝ち上がり、熾烈を極めたのが3回戦、つまりはFinal Tournament行きを決めるゲームであった。

Aブロックでは、前回大会ベスト4に進出しているMisawa Warriorsと、前大会のMVPであるTAKAを要するS.H.U sendaiが1ゴール差の大接戦を演じ、このクロスゲームをサイズとフィジカルで勝ったMisawa Warriorsが制した!Bブロックからは、2回戦で東京を代表するストリートボールクルーである420を2点差で撃破し、その勢いのままに前回ベスト8に進出しているTOKYO BEASTを24-18で破ったNaniwa Beat AnthemがALLDAYのFinal Tournament初出場を決める。Cブロックは全国に名を轟かすF’SQUADが危なげなく予選を突破し、翌日のFinal Tournament1回戦である種弟分であるBLACKTOPとの対戦が決定。Eブロックでは、ALLDAY史上最多の9回の優勝を誇るUNDERDOGと、2007年にALLDAY2連覇を成し遂げた経験を持つ横濱Team-Sが激突し、これを13-9でTeam-Sが制した。

Fブロックでは、今大会のQualifying Tournamentで一番の盛り上がりを魅せたYOYOGI PARK BALLERSが、2回戦で日々代々木公園ナイキバスケットボールコートでのピックアップゲームでしのぎを削り合っているYoyogi Rootsを大差で破り、さらに過去に7回のALLDAY優勝経験を持つSUNDAYCREWと1点差を争う好ゲームを展開!そして、ゲームラストに粘り強く絡んだオフェンスリバウンドのティップインがブザービーター判定となり、21-20で初のFinal Tournament進出を決めた!GブロックではCrayonが他を寄せ付けない強さで圧倒し、楽々と予選突破。HブロックではSOMECITY TOKYOでも新規レギュラーチームとして絶好調である44STREET相手に、2度のALLDAY優勝経験と幾度となくFinal進出のキャリアを持つTEAM YokosukaがALLDAYでの勝負強さを発揮し、14-11で退けFinal Tournament行きを決めた。

Misawa Warriors、F’SQUAD、Team-S、Crayon、TEAM YokosukaはこれまでにもALLDAYのFinal Tournamentに出場し活躍してきた強豪チームたち。そこにFinal Tournament初登場チームとして、大阪からNaniwa Beat Anthem、代々木公園ナイキバスケットボールコートをホームとするYOYOGI PARK BALLERSが食い込み、そして直近のALLDAY2連覇中のBLACKTOPが加わった8チームによって翌日、ALLDAY 2019 AUTUMNのFinal Tournamentが開催される。

10月27日(日)、代々木公園ナイキバスケットボールコートは前日と姿を一変させた。コートはJUMPMANロゴと、JORDAN BRANDによるグローバルキャンペーンのUNITEの文字が施された特設フロアが敷かれ、コートサイドにはALLDAY史上最大の観客スタンドが登場した。サウンドシステムはもちろんのこと、日没後のナイトゲームに備え夜間照明も設置され、Final Tournament出場の8チームはJORDAN BRANDのALLDAYオリジナルユニフォームを着用してゲームに挑む。

正午12:00からのゲーム前には、アメリカのストリートボールカルチャーの伝道師であるBANG LEE(SPACEBALL MAG)によるストリートボールクリニックが開催された。参加したキッズボーラーたちは、普段の練習では味わうことのできないトリッキーなワークアウトを晴天のアウトドアコートで存分に体感し、最後にはBANG LEEの指示でシューズを脱いで裸足でワークアウトを行った。そして、クリニック終了後にBANG LEEは、世界にはシューズもなく裸足で足の裏が痛くなってもバスケットボールをプレイしている同世代の子どもたちが大勢いること、今日感じた足の痛みを忘れてはいけないこと、今後はシューズの紐を締める度に両親やコーチ、環境に感謝することを説いた。世界中のプレイグラウンドを渡り歩くBANG LEEならではのメッセージに、会場に集ったボーラーや観客、そしてALLDAY関係者一同も身が引き締まった素晴らしいクリニックだった。

正午12:00、いよいよALLDAY 2019 AUTUMNのFinal Tournamentの1回戦が始まる。GAME1ではMisawa WarriorsとNaniwa Beat Anthem。Misawa Warriorsのサイズとフィジカル、そしてゾーンDFにNaniwa Beat Anthemは序盤から攻めあぐんだ。代々木公園ナイキバスケットボールコートでのプレイの不慣れもあったのだろう。ゲーム終盤には気を吐いてなんとか点差を詰めるも、勝負どころで引き離したMisawa Warriorsが30-28でベスト4進出を決めた。

続くGAME2には、王者BLACKTOPが今大会初登場!相手はSOMECITYでも戦い合っているF’SQUAD。これが見事なクロスゲームとなり、ゲーム終了直前まで勝敗が分からないゲームになるも、3連覇のかかっているBLACKTOPが27-26でなんとか大接戦を制した!

GAME3のTeam-S vs YOYOGI PARK BALLERSでは、前日の勢いをそのままFinal Tournamentに持ち込んだYOYOGI PARK BALLERSが、後半の勝負どころで値千金の3P攻勢でリードを奪い、試合巧者であるTeam-Sを26-23で破ってALLDAYのベスト4に名を連ねた!

GAME4のCrayon vs TEAM Yokosukaは、1回戦で唯一ワンサイドゲームとなり、まさに走攻守の揃ったCrayonが37-23と大量リードをキープしたままタイムアップ。今大会のベスト4はMisawa Warriors、BLACKTOP、YOYOGI PARK BALLERS、そしてCrayonという顔ぶれに!

セミファイナルでは、圧倒的な攻撃力で終始リードを奪ったBLACKTOPが前大会同様Misawa Warriorsを34-26で難なく破り、そしてCrayonも自力に勝る試合運びでYOYOGI PARK BALLERSを42-23で退けた。

トーナメントの合間に行われた観客参加型のシューティングゲームには、ALLDAY観戦のために代々木公園に訪れていたプロ野球千葉ロッテマリーンズの投手である石川歩選手や、前日のQualifying Tournamentに出場し、ファッションモデルとしても活躍中のUTAなどが参加。ゲームのラストはキッズボーラーとの一騎打ちをUTAが見事に制した。

また、日本女子のバスケットボール界、ストリートボール界を代表して矢野良子、立川真紗美、浅羽麻子、桂葵の4人をキャプテンとした完全招待のガールズトーナメントでは、それぞれ1回戦を勝ち上がった浅羽麻子によるSole sistersと、桂葵による#moonによる決勝戦となり、テンポのいいシュート決定力とファーストブレイクで大量得点した#moonが33-18で優勝を決めた!

完全に日が暮れた中、伝説的ヒップホップクルー「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」のスペシャルライブが行われ、いよいよこの日のメインイベントとなるFianlがBLACKTOP vs Crayonという初めての顔ぶれで行われた。

前半はCrayonが6点のリードを奪い、後半に突入してもRyan TanaやSpencer Jennings、そしてTroy Snyderが点を取り続け、ゴール下ではAmrit WarraichがハッスルしたCrayonのペースでゲームは進行していく。完全にCrayonが初めてのALLDAY王座を勝ち取るかと思われた流れの中、それを断ち切るかのようにBLACKTOPはKOSUKEの連続3Pや3Pのバスケットカウントで一気に点差を詰めると、新たにBLACKTOPに加入したばかりのMIUTYが値千金の3Pを沈め、一気に射程圏内にまで追いつく!そして、BLACKTOP2点ビハインド、後半のラストプレイではOTOがドライブインから同点のレイアップを決め延長線に突入することとなった!

オーバータイムでは、それぞれのチームの主力であるKOSUKEやRyan Tanaがファールアウトでコートに不在の中、BLACKTOPは同点ショットを沈めたOTOが怒涛の攻撃を見せる!一方、CrayonはSpencer JenningsのAND1などで応酬!そしてBLACKTOP2点リードでCrayonはファールゲームに打って出た。残り6.5秒、このフリースローが外れてCrayonが最後のチャンスをかけるも、ここをBLACKTOPがスティールで止めタイムアップ。オーバータイムにもつれた接戦は35-33で、BLACKTOPが大逆転勝利を収める結果となった!これでBLACKTOPは2017年の第36回目大会、2018年の第37回目大会から続く3連覇を成し遂げたのだ!

ALLDAY3連覇を成し遂げたのは2014-2015年のUNDERDOG以来の偉業となる。一方で敗れはしたものの、CrayonはALLDAYチャンピオンとなってもおかしくない実力とケミストリーを今大会で存分に発揮していた。ただ、ゲームの流れを変えるビッグショットをBLACKTOPのリーダーKOSUKEが立て続けに決め、2005年のALLDAY第1回目大会にも出場していたMIUTYが値千金の3Pを決めたこと、CrayonのOFの要であったTroy SnyderをMartelがよく抑えていたこと、そして土壇場で大爆発したOTOの活躍で、僅か1ゴール差でBLACKTOPが三度ALLDAYの王者を極めたのだ。MVPには勝負所で大活躍を魅せたOTOが受賞し、14年目で38回目のトーナメントを締めくくった。

次回のALLDAYは2020年春、15周年記念大会を開催予定!日本のストリートボールの歴史と共に歩んできたALLDAYが決定する最強のストリートボールを、今後も存分に期待して欲しい!

ALLDAY 2019 AUTUMN REPORT

TEXT by MC MAMUSHI

http://alldaymag.com/

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