アシックスが2023年度グッドデザイン賞に4点受賞
アシックスが公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2023年度グッドデザイン賞」に4点が受賞し、このうち「GOLDSTAGE I-PRO FANG」がグッドデザイン・ベスト100に、「GEL-LYTE Ⅲ CM 1.95」が審査委員セレクション「私の選んだ一品」に選出。
今回の受賞の詳細は以下となっている。
〇「グッドデザイン・ベスト100」受賞商品
・野球用スパイクシューズ 「GOLDSTAGE I-PRO FANG」
「GOLDSTAGE I-PRO FANG」は、走塁、打撃、守備のすべてを極めたい中高生プレーヤーをターゲットとし、樹脂スタッドによる軽さと足への負担の少なさに加え、従来品以上に地面への刺さりやすさも追求することで、プレーを支えるグリップ力とクッション性を提供しています。鈴木誠也選手(シカゴ・カブス)など、プロ選手も着用しているモデルです。
<グッドデザイン賞審査員の評価コメント>
スポーツの世界は素材の進化によってプロダクト革新が起きている。活躍する選手が履いているから欲しいという憧れ形成から認知を広げるものも多い中、ゴールドステージは、真っ向勝負で中高生たちがより安全に楽しく野球に取り組めるようデザインされている。グリップが優れていることで選ばれてきた金属歯は、その反面、足腰を痛めたり接触時の怪我の原因にもなっていた。外見には出てこない裏側のデザインを徹底的に見直し、金属と同等の樹脂歯を開発することで、負担を軽減し、グリップ力を高めている。開発者たちの優しさに溢れた素晴らしいプロダクトに仕上がっている。
〇グッドデザイン賞受賞商品
【審査委員セレクション「私の選んだ一品」(1点)】
スポーツスタイルシューズ 「GEL-LYTE Ⅲ CM 1.95」
ライフサイクルを通じた温室効果ガス排出量が1.95kg※3と世界最少※4のスニーカーです。 リサイクル素材、サトウキビ由来のバイオベースポリマーを使用したカーボン・ネガティブ・フォームを採用し、可能な限り必要最低限な構造でデザインと実用性を兼ね備えています。
※3 2022年8月にISO14067 規格に準拠してアシックスが実施し、SGS (Société Générale de Surveillance) Japan によって検証された計算に基づいています。
※4 2023年9月現在、製品ライフサイクルにおける温室効果ガス排出量が開示されている市販シューズを対象としたデータに基づいています。
<「私の選んだ一品」選出審査委員:濱田 芳治氏のコメント>
靴は世界で年間約200億足が製造されていると推計されているものの、リサイクル手段が構築されていない環境負荷の高いアイテムである。このアシックスのリサイクル資材の製品利用、カーボンフットプリント削減を目指す取り組みを評価/応援したいと思い、私の一品に選出した。
<グッドデザイン賞審査員の評価コメント>
リサイクルの手段が確立していないアイテムの1つである靴。靴は足の裏から出る汗や紫外線などにより、加水分解を始めとする材料の劣化が生じ易い。またパーツ毎に様々な素材が使われ、パーツの固定にも接着剤が用いられることが多いため、材料毎に分解・解体しての廃棄も困難となっている。そうした靴の現状に対して、アシックスが取り組んだリサイクルの取り組みがゲルライトスリーである。製造から輸送まで含めて、どのくらいのCO2を排出するのかを、カーボンフットプリントレポートという形で提示している。環境との共生という観点で、靴でどんなことができるのか。社会への問い掛けにもなるこの製品に対して、審査委員の高い評価を集めた。
【グッドデザイン賞(2点)】
サンダル 「アクティブリーズ ハイブリッドサンダル スタビリティ」
多様なライフスタイルシーンに対応する、3Dプリントフットベッドパーツを有した先進的な技術を採用したサンダル。3Dプリントの特徴である高い設計自由度を生かして、部材を構成する格子構造の剛性を制御することにより、優れたクッション性を実現しながらも、エリアに応じたサポート性も両立したフットベッドが特徴のプロダクトです。
<グッドデザイン賞審査員の評価コメント>
サンダルのインソールを3Dプリンターで作り、新感覚の履き心地を提供している製品である。3Dプリンターで靴のパーツを作ることには、ユーザー個々の足に合わせカスタマイズした靴を提供できる可能性や、製造を受注生産型にすることで在庫を減らし、余剰生産による廃棄を減らせる可能性など、獲得できるメリットが多い。一方で従来の販売の仕組みから大きく変更を余儀なくされる点もあり、製造システムの移行に際してはハードルもあるだろう。アシックス社のこうしたモノづくりのチャレンジは、先の可能性を大いにつくるものとして、審査委員の高い評価を集めた。
ライフスタイルシューズ「オニツカタイガーMOLLETY」
厚底スニーカーの新解釈。厚底としての機能性を中敷に集約しながらオニツカタイガーらしいシンプルな薄底の外観とすることで見た目の美しさと機能性をバランスよく融合させました。ブランドアイコンである側面のラインが有り無しの2タイプを同時に展開し、多様化するファッションと価値観への新提案にもなっています。10月中旬発売予定。
<グッドデザイン賞審査員の評価コメント>
厚底スニーカーのイメージが刷新された、幅広い世代とスタイルに適合する新感覚のスニーカー。中敷きに詰め込まれた様々な細かい工夫により、厚底でありながらも屈曲性があるため、非常に歩きやすいのが印象的だ。厚底靴着用の際に懸念される安定感もしっかりと担保されている。メーカーが培ってきた技術が、厚底靴の機能性と審美性をうまく融合させており、老若男女問わず着用を楽しめるデザインが実現されている。
〇グッドデザイン賞のウエブサイト
http://www.g-mark.org/
〇グッドデザイン賞受賞展
会期:10月25日(水)から10月29日(日)
時間:11:00〜20:00 (10⽉28⽇は21:00閉場、10⽉29⽇は18:00閉場)
会場:東京ミッドタウン
〇「私の選んだ一品」展について
会期: 第1期 10月5日(木)~22日(日)、11月1日(水)~5日(日)
第2期 11月8日(水)~30日(木)
時間:11:00~20:00 /10月22日、11月5日は17:00閉場
会場:GOOD DESIGN Marunouchi (入場無料)