次世代のためにバスケットボールデザインを生み出すジョーダン ブランドのモーション(体の動き)とエモーション(感情、心の動き)
ジョーダン ブランドにおけるバスケットボール シューズのデザインは、85年のダンク コンテストで細い2連のゴールド チェーンを首に飾ったマイケル・ジョーダンが宙を舞う姿にもよく似ています。
マイケル・ジョーダンの動きはゲームを美しく見せました。彼の動きは、バスケットボールを超越した感情を呼び起こし、スポーツと文化の垣根を取り払いました。ジョーダン ブランドのパフォーマンス バスケットボール シューズ制作における核心は、コート内外で感動を呼び起こしながら、コート上での動きに役立つという、動きと感情の両方へのアプローチにあります。
パフォーマンス フットウェアのグローバル シニア デザイン ディレクターのデイビッド・シンは次のように話しています。「MJ自身が常にゲームを自分らしくするための工夫をしていたように、私たちのシューズのデザインは単なるパフォーマンス シューズでは終わりません。新しいデザインを試みる際、それを行う理由は明確ではなく、何かを感じているだけかもしれません。それはじっと待っていれば生まれてくるものではなく、自ら生み出さなくてはいけないものなのです。」
新たなシグネチャーの構造
2023年2月、ジェイソン・テイタムのシグネチャー シューズ、テイタム 1が発表され、ジョーダン ブランドのパフォーマンス プロダクトは、未来へ向けての最新の目標を叶えていくことになります。過去には、エア ジョーダン 12に次いで、1997年にジャンプマン プロがチーム向けのモデルとして存在したように、チーム ジョーダンのラインナップは、最高峰のゲームシューズを仰ぐプロダクトとして存在していました。現在では、新しいプロダクトの枠組みは、テイタム、ルカ・ドンチッチ、ザイオン・ウィリアムソンという3人の最新シグネチャー アスリートの特徴やプレースタイル、そしてフライトとスピードの視点から構成された新鮮なデザイン アプローチになっています。
その頂点に立つのが、エア ジョーダンのシグネチャー シューズです。エア ジョーダン 38は、フライトとスピードを組み合わせた最高峰のプロダクトです。そのデザイン過程はプレイヤーのスタイルの詳細な分析、つまりフロアでの動き方、ジャンプの仕方、ドリブルの仕方、選手の姿勢などを研究するところから始まります。
ジョーダン ブランド パフォーマンス フットウェア グローバル プロダクト ディレクターのジャレット・マンは次のように話しています。「動きというのは選手から得られる純粋な情報です。私たちは、選手の映像をたくさん見て、詳細なフットワークを分析し、私たちが特定し気づいた動きの中から、彼らのゲームに適したソリューションを生み出します。感情面については、何が根底にある精神なのか、何を伝えたいのかを見極めることに尽きます。」
このように選手の動きを詳細に分析することが選手のプレーに役立ちます。その結果、そのシューズを利用する幅広い消費者のために役立つものとなります。例えば、減速によって相手との差を生み出す抜群な能力を持つルカ・ドンチッチのシグネチャー ラインには、彼とディフェンダーの間にスペースを作るのに役立つIso プレートのようなテクノロジーが開発されました。プレイヤーたちはルカのプレイを真似していますが、ルカのシグネチャー ラインはルカのスタイルに共感する全てのプレイヤーに適した機能を持つシューズとなります。
チームの努力
ジョーダン ブランドは、業界で最も競争力のあるフットウェア チームの1つであることに誇りを持っていますが、チームではアスリートの芸術性と彼らに必要な機能性のバランスをとるために協力を続けています。
パフォーマンス フットウェアのエキスパート カラー デザイナーのケルシー・エイミーは次のように話しています。「ジョーダン ブランドのユニークな点は、デザインからカラー、素材、開発、テストに至るまで、チーム全体が全過程を通じて非常に密接に絡み合っているため、無理なく協力し合えることです。私たちは、良いアイデアはどこからでも生まれると信じています。」
エア ジョーダン 34、35、36がジャンプ優先のデザインであったのに比べ、エア ジョーダン 38は新しいデザインベースから作られています。エア ジョーダン 38は、特にマイケル・ジョーダンのターンアラウンド・ジャンパーの複雑なフットワークに着想を得たグラウンド ゲームを念頭にデザインされています。パフォーマンス フットウェア エキスパート マテリアル デザイナーであるジャクリーン・レファーツは次のように話しています。「分野を超えた多くのチームメイトと一緒に仕事をすることで、あらゆる方向において価値の高い仕事ができるようになります。」レファーツが素材構成に関する疑問への解決策を提案する一方、彼女は他のチームメイトの力を借りて、特定の織りのパターンがクォーターやゲーム、あるいはシーズンを通じた激しい使用にも構造的に耐えられるかどうかを確認できるようになりました。
その一例が、エア ジョーダン 38の制作過程の中にも見られます。前足部にはメッシュのような刺繍が用いられていますが、これをバスケットボール シューズ向けに開発するためには新しい製造技術が必要とされました。前足部は、ソールの上にあるプレイヤーの足を支えるシートベルトのような役割を果たす必要がありますが、素材の織り方によって、その素材の動き方が大きく変わります。レファーツと彼女のチームが、しっかりと足とソールを安定できるものにするまでには、かなりの工夫が必要でした。
レファーツは次のように話しています。「例え制作過程でうまくいかなかったとしても、経験豊富な素晴らしいチームが私たちを支えてくれます。もし私が答えを持っていなくても、チームメイトが答えを知っているといつも確信しているので、良いものができるまでテストを続けられるのです。」
フットウェア制作チームのチームワークによって、新しい方法でのプロダクト制作が突然始まることもあります。ザイオン 3を制作するにあたり、チームはザイオン・ウィリアムソンにとって重要な言葉のひとつである、サウス カロライナ州マリオンのごく普通な環境から現在に至ったことを表現する「泥沼から抜け出したような」という言葉を表現する新しい方法を作りたいと考えていました。そこで、ジョーダン ブランドのシニア フットウェア デザイナーであるジョエル・グリーンスパンは、ジョーダン ブランドの3Dデザイナーであるアダム・ハイラーを含むコンピュテーショナル デザイン チームを訪ねました。グリーンスパンは、ウィリアムソンの足のスキャン画像と、子供たちが泥の中をジャンプしている画像を持参し、そこから何か作れないだろうかと訊ねました。そこから、3Dチームはカスタム パターンを作るだけでなく、そのパターンでアッパーの摩耗の激しい部分のストレスに耐えることができるデザインを開発しています。
グリーンスパンは次のように話しています。「アスリートを象徴するような、力強く、無駄のない現代的なものを作るのはとても楽しいことです。これほど重層的なアイデアを実現するには、私たち全員の力が必要になります。」
次世代を刺激する卓越した基準
ナイキ傘下でありながら、ジョーダン ブランドではジョーダン本人がシグネチャー シューズの中心的な承認者として関わっています。彼は、選手としてのキャリアの中で追求してきたものと同様の高い基準に適うプロダクトを求めています。
レファーツは、ジョーダンがエア ジョーダン 38の爪先部分の確認をしていた時のことを記憶しています。ジョーダンは、前足部の内側から外側にかけての構造を見て、これがプレイヤーの前足部を痛めるだろうと言って譲りませんでした。そこでプロダクト チームはアッパーを修正し、修正前のものと比較したところ、ジョーダンが言った通り新バージョンはより快適なものに仕上がりました。
・ジョーダン ブランドは、コートの内外で感動を呼び起こしながら、コート上での動きに役立つバスケットボール プロダクトをデザインしています。
・ジョーダン ブランドは、「フライト」と「スピード」という明確な視点から、ブランドの最高峰の表現となるエア ジョーダンのシグネチャー シューズをはじめとするそれぞれのシグネチャー デザインに取り組んでいます。
・ジョーダン ブランドの多才なデザイン チームは、最新の先端技術とブランドの名前にもなっているジョーダン自身にちなんだ素材、テキスタイル、カラーを融合させています。