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  • 2022.04.29

ナイキ ISPAが作り出す分解できるフットウェアとデザインの未来

ナイキ ISPAから新たに、着用し、その機能を活用した後に、分解してリサイクルできるようにデザインされたシューズが登場します。ISPA(Improvise:即興; Scavenge:資源・廃棄物の有効活用; Protect:守る; Adapt:対応する)とは、実験的で、型にはまらない新しいものづくりを促すためのナイキのデザイン理念です。今回は、ナイキの資源循環のビジョンに沿って、地球とスポーツの未来を守るために、廃棄物を出さないシステムの実現を目指しました。その結果、ナイキのイノベーションの力と、未来の循環デザインの実現を感じさせるも全く新しい2つのフットウェアが誕生しました。

ナイキ ISPA Link
¥27,500(税込)


【趣旨】
30年以上の間、ナイキの各チームでは、アスリート*と地球のためになるデザイン・ソリューションを追求してきました。新しい、環境負荷を抑えた素材であるナイキグラインドやナイキ エア、そして、リサイクル素材を活用しつつ最高の機能を発揮するフットウェアのアルファフライ ネクスト ネイチャーや印象的なライフスタイルアイテムである2022 Move to Zeroコレクションも開発しています。気候変動の危機が世界中のアスリートに襲いかかる中、ナイキでは創作活動を加速させる要素として循環デザインの原則を取り込んでいます。その中でナイキが2019年にオープンソースの資料として、幅広いデザイン コミュニティやデザインが、地球への負荷を抑えるために役に立つ方法に関心のある全ての人に向けて発表したCircular Design Guide(サーキュラー デザイン ガイド)に示した、10の原則も踏まえています。
アスリート*: IF YOU HAVE A BODY, YOU ARE AN ATHLETE(身体さえあれば誰もがアスリートである)/共同設立者ビル・バウワーマン

今シーズンISPAチームは、循環デザイン要素の中の「分解」(素材のリサイクルのために簡単にプロダクトを分解できること)に目を向け、さらにもう1つの課題をフットウェアのデザインに盛り込むことに取り組みました。それは、良いシューズは屈曲性と耐久性を備えているということです。これまでは接着剤などを使ってその目的を達成してきましたが、それによって分解やリサイクルがほぼ不可能になっていました。今日、シューズをリサイクルするためには、細かく切り刻むことが必要となりますが、これはエネルギーを多く使い、リサイクル素材の用途も限られてしまいます。分解できるシューズを作ることで、プロダクトに関わる炭素排出を抑え、新しい命に循環させる可能性を広げることとなります。


【イノベーション】
分解できるシューズ作りに取り組むにあたって、カタリスト・フットウェア・プロダクト・デザイン担当VPのダリル・マシューズは次のように話しています。「エンジニアリング、デジタルプロダクト制作、開発チームとも協力してデザインしたこれらのシューズは、作り方ゆえに生まれたデザイン、文字どおり機能から生まれた形になっています。これらのアイディアや美観が進歩的でありながらも普通だと感じるようになれば、シューズをこれからも未来にむけて進化させ続ける創造力も加速するでしょう。」

【Nike ISPA Link (ナイキ ISPA リンク)】
6月に登場するこの未来的なシルエットは、3つの部材が接着剤を使わずに繋ぎ合わされており、使用後は分解することができます。
ミッドソールのペグ状の突起をアッパーの開口部に差し込んで組み立てると、快適さ、安定感、通気性と飛び抜けたフィット感を持つシューズになります。これは試作品を200時間余り着用した40名のアスリートが実証済みです。

製造の視点から見ると、リンクは革命的と言えるほどシンプルです。リンク1足の組み立て時間は約8分。従来のスニーカーの平均製造時間と比べても驚くほどの短さですが、これは特注の道具を使うことと、ミッドソールを組み立てるための長時間の糊付け作業が不要になったことで実現されました。また、シューズの生産中、冷却、加熱やベルトコンベアのシステムなどのエネルギーを消耗する工程もありません。

【Nike ISPA Link Axis (ナイキ ISPA リンク アクシス)】
大胆に大胆を重ねる、それがISPA リンクアクシスです。2023年初頭に発売予定のこのプロダクトは、ISPA リンクのサステナビリティ志向をさらに進化させたものです。ISPA リンク アクシスの100%再生ポリエステルのフライニット アッパーは、ISPA リンクに採用した従来タイプの素材を裁断、縫製する製法ではなく、アウトソールにピッタリとフィットする精密なデザインで、ソールに用いたTPUはエア バッグ素材のスクラップを使った100%リサイクル原料を使用しています。

さらに、20%リサイクル素材のTPUケージも組み合わせています。リサイクル原料を行うことで素材の物理特性が変化するため、リサイクルの割合を高めながらも耐久性やトラクションのニーズを満たす必要があり、ケージを採用しました。ISPAチームは、これからもこの分野で新しい開発を進めていきます。
ISPA リンク アクシスは分解できるシューズの新しい頂点的存在ですが、素材選択、循環性、廃棄物削減と改良という循環デザインの原則を形にしたものとなっています。


【過去からのインスピレーション】
ナイキでは過去にも分解可能で組み合わせて使うデザインを探索しています。2003年のプレスト クリップと、2005年に工業デザイナーのマーク・ニューソンとのコラボレーションで作ったシュベドッカ 2005です。これら過去のプロダクトがISPA リンクとISPA リンク アクシスにつながっています。

【今後】
ISPA リンクやISPA リンク アクシスのような型破りなモデルが十分なインパクトを生み出すためには、このイノベーションを大規模に展開することが必須となり、そのための準備も進んでいます。ナイキでは製品ラインおよびサプライチェーン全体を見渡しながら、多くの人に影響をもたらす新しいアプローチをどこで実現できるのか、そしてどのようにしたら2025年のサステナビリティ目標に近づき、それを達成できるのかを検討しています。

本当の意味での規模の力を生み出すためには、業界を超える強固な協力関係を結び、プロダクトのリサイクルを可能にするビジネスモデルやインフラの構築が必要になります。このため、ナイキではリサイクル能力を高めるパートナーシップを構築し、寿命を終えたプロダクトの別目的での活用を増やすことにつながる商品回収プログラムに対し、世界中で投資を行っています。

同時に、ISPA リンクやISPA リンク アクシスのように大胆かつ斬新な美の表現を通じて、ナイキでは気候変動対策のための循環システムの重要性を訴え、消費者やデザインコミュニティに対してこの問題に関して話し合うよう働きかけています。

この目的で、ナイキは2022年3月26日から9月4日まで、世界屈指のデザイン博物館の1つであるVitra Design Museum(ヴィトラ デザイン ミュージアム)で行われる“Plastics: Remaking Our World,”(プラスティック:世界を作り直す)に参加します。この展示会は、ISPAリンクアクシスに至るまでのデザインの探索や進化の過程を紹介し、環境持続性を念頭に置いた革新的デザインへのナイキのアプローチを紹介するユニークな機会となっています。
ISPA リンクおよびISPA リンク アクシスとともに、ナイキはさらに循環性に優れた、二酸化炭素および廃棄物ゼロの未来への道のりを加速させます。チーフ・デザイン・オフィサーのジョン・ホークは、次のように話しています。「私たちには調達、生産、利用、回収、そしてまた新しい物作りの方法まで全体を考えたデザイン・ソリューションを考える責任があります。そのゴールは、もっと意義を高められるものづくりをもっと深く考えて行うことです。」

ナイキISPA リンクは2022年6月23日からSNKRS、NIKE MA5 DSM GINZAなどで順次発売予定です。また、ナイキ ISPA リンク アクシスは2023年初頭に発売予定です。

NIKE

https://www.nike.com/jp/

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