“中学3年生の最後の全国大会”を目指す。青木康平が「WATCH&C CUP」を初開催
“俺が大会を開催する”
福岡で「WATCH&Cアカデミー」を主宰し、これまで数多くの中学生達の可能性を広げてきた青木康平。
筆者は20年来の付き合いとなりますが、自らイベントを開催する話を聞いたのは今回が初めて。2023年3月4・5日の2日間に渡り、全国各地からチームを集めての大会との事で、その規模のものがいきなりできるのかと問うと、“今後のために、自分たちでやれるようになりたいから”と、実施の必要性を語ってくれました。
時代の変化に伴い、部活動とクラブチームの共存共栄が求められる現在。康平はアカデミーと同時に「WATCH&C PRIDES」というクラブチームも立ち上げ監督しています。そして今後、いちクラブチームとしての存在ではなく、もっと広く深く、中学バスケのフィールドで貢献するための成長を彼は望んでいました。20代のやんちゃだった現役時代を知る私としては、本当に立派になったなと感心しましたが、口先で褒めるよりも行動を。
誰よりも青木康平の理解者であるXBSさん(カメラマン)、そして私(DJ)の2人で福岡へ向かったのでした。
「WATCH&C CUP Vol.1」出場チーム
【男子】
ライジングゼファー福岡(福岡県)
B-Raves(福岡県)
佐賀バルーナーズ(佐賀県)
長崎ヴェルカ(長崎県)
Watch&C PRIDES(福岡県)
ライジングサン(大阪府)
BEASTY(沖縄県)
【女子】
Three Arrows(山口県)
楽縁(福岡県)
Watch&C PRIDES(福岡県)
BEAT(福岡県)
Unity(佐賀県)
CREW(熊本県)
このカップ戦は、僕が昔からずっとやりたかった事だったので、今回実現できて何より嬉しかったです。
加えて、大会スポンサーの方々にも喜んで頂けた事や、TVやYouTubeチャンネルの取材や物品提供など、様々な方々のご協力があった事は本当に感謝しかありません。
今回、レフェリーの手配や、会場設営、撤収などの大会運営に関して、参加チームのみなさまには負担を絶対にかけたくないと言う僕らの強い思いがありました。ですので、それら全てを自分達でやり切れた事は、本当にスタッフ陣の努力のたまものだと思いますし、今後大会運営を行っていくためにも、とても良い経験になったはずですね。
参加チームには試合の事だけに集中できる環境を提供する。WATCH&C CUPでは今後もそのための大会運営を続けて行きたいと思っています。
青木康平
「WATCH&C CUP Vol.1」大会結果 -男子-
■優勝
ライジングゼファー福岡 (福岡県)
■準優勝
B-Raves (福岡県)
■第3位
佐賀バルーナーズ (佐賀県)
■第4位
長崎ヴェルカ (長崎県)
■第5位
WATCH&C PRIDES (福岡県)
■第6位
ライジングサン (大阪府)
■第7位
BEASTY (沖縄県)
「WATCH&C CUP Vol.1」大会結果 -女子-
■優勝
Three Arrows (山口県)
■準優勝
楽縁 (福岡県)
■第3位
WATCH&C PRIDES (福岡県)
■第4位
BEAT (福岡県)
■第5位
Unity (佐賀県)
■第6位
CREW (熊本県)
いずれこのWATCH&C CUPはカテゴリーを変えて年に数回やりたいと考えています。
福岡にはMCのU-LAWもいますし、CRATEのYOHEIやM21(三井秀機)など、昔から一緒にバスケをやっていた仲間達がいるので、今後は彼らとも一緒に福岡一丸となって、福岡のアンダーカテゴリーを盛り上げたいですね。
そして3月のこの時期には、Bリーグのユース以外のクラブチームや部活動の多くが、すでに新チームになっているのが現状です。でも、中学3年生が卒業ギリギリまでバスケを出来る環境を作る事は、彼らの成長や下級生にとっても重要だと感じていますし、これはある意味では、ユース、クラブだから出来る環境だとも思っています。
今後も3月にカップ戦を継続的に開催していき、いずれはWATCH&C CUPが中学3年生の最後の全国大会のような場所にしたいですね。
青木康平
自身が監督する「WATCH&C PRIDES」が男女ともに結果が振るわず、“チーム作りって本当に難しい”と思わず漏らしていた康平。チームの結果には大いに悔いが残っていた様子でしたが、大会運営に関しては一定の手応えを感じている様に見て取れました。
“今まで普通に大会に出させてもらっていたけど、主催者側にはこんな苦労があったんだな”
帰りの道中でしみじみつぶやいていましたね。スポンサーバナーを会場に貼ったり、入口で各チームを出迎えたり、チーム集合写真の撮影指示を出したりと、会場を動き回る姿はとても新鮮でした。
30年以上、色々な側面からバスケットボールを探求してきた彼が、今後、これまでとは全く違う「バスケットボールのスキル」を積み上げ始める。それはこの国のバスケ界にとっても1つの希望の様に思えます。
そして、地元で誰かが何かやる、他県から誰々が来た、そう聞きつければ、忙しい最中でも飛んで来てくれる仲間達が福岡には大勢います。彼ら彼女らの心意気と協力に遠慮なく甘えてもらいつつ、「イベント主催者 青木康平」がこれからどう進化していくのか楽しみですね。
ストリートでもプロでも、指導者としても、日本人のバスケットボールの可能性を探り続けてきた男の次なる挑戦。
それをしかと見届けて、胸には今後への大きな期待を、キャリーバッグにはYOHEIがくれた「長浜屋台 やまちゃんラーメン 5食入り」を携えて、我々は東京に帰ったのでした。
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青木康平
WATCH&C
TEXT by DJ MIKO
PHOTO by Nobuhiro Fukami