• FEATURE
  • 2023.02.16

楽しむことが一番!エジプトで世界チャンピオンになった3×3チーム”G-FLOW”がRed Bull Half Court World Finalを振り返る。

G-FLOWとして初の海外試合であるワールドファイナルで見事優勝したメンバーである矢上若菜(Wakana)、李人竹(Renzhu)、八木希沙(Kisa)、吉武忍(Shinobu)、の4名に大会を振り返ってもらったインタビュー。

さらに、自身も2021年にイタリアで開催されたワールドファイナルに出場し、今回エジプトに同行取材した佐藤マクファーレン優樹(HIU ZEROCKETS)がファシリエーターとして参加。

3x3日本代表で国際試合経験のある吉武忍をのぞいては3人とも初の海外での試合。G-FLOWのユニークなチームカラー、そして海外での大会の興奮が伝わってくる取材となった。

大会のアイドル!会場中に応援されている気持ちに

佐藤: ワールドファイナルで一番印象に残ったことは?

Kisa: 優勝したあとに見たあの景色はたぶん日本じゃたぶん無理やろなって思ったのと、シンプルに嬉しかった

Renzhu: 勝ったときに観客もめっちゃ入ってたし、ロケーションもめっちゃよかったので超嬉しかった。帰ってきてからはあまり実感なかったんですけど、時間が経つほど、なんか「世界一獲っちゃったー!」みたいな。笑

一同: 笑

Kisa: みんな結構いいふらした?会社とかで。

Shinobu: めっちゃ言いふらした!

Wakana: 言いふらした!

Shinobu: だってみんな知らなくて、おめでとう!って言われないから、こっちから行くもん!

Wakana: デスクトップに写真貼って、これ見てください!って。笑

Shinobu: スクールの子どもたちにも。ピラミッドとスフィンクスの前で……って言ったら、絶対ウソ!って言うから写真見せて。ほらほら!って。笑

Wakana: (KSに)見せてない?

Kisa: 逆に、こそこそしてた。

Renzhu: 自分は、自分から言うのはなくて……だから、おめでとう!って言われたのが本当に嬉しかったです。

Shinobu: (泣くジェスチャー)

佐藤:個性豊かだね、G-FLOWは。笑

Shinobu: 質問なんだったっけ。

佐藤: なんでしょう?笑

Shinobu: 優勝してどうだったか? え、嬉しかった!まずエジプトに行けたのも嬉しかったし、世界で戦えるのも嬉しかったし。やっぱりどう考えても身長のない日本人たちが、ああやって頑張って一個一個試合勝って、みんながそれぞれのいい部分を出しあって。毎回相手がバカみたいにでかくて。「次あそこだよ、どうする、どうする?」ってなるんだけど、「あ、勝った!」「あ、勝った!」が続いて。で、さっききさちゃんが言ったみたいに、最後は「みんな、ありがとう!」みたいに会場のみんなが私たちのことを応援してる気持ちだったの。

Wakana: ここホーム?みたいな。

Shinobu: 急にホームだった。

Kisa: 誰と写真撮ってるかわからんかったもんな

Shinobu: 写真見返して凄いのを知ったよね。人がウワーいて。めっちゃSNS見たもんね。

一同: 笑

Wakana: あんな囲み取材とかされることないから。

Shinobu: ねー!急にスターだよね。

Wakana: アイドル?って思った。

Kisa & Renzhu: 違う、違う。

Wakana: ごめんなさい。(声を変えて)アイドルです!どうも!

Kisa: ちゃんわかです。

Wakana: ちゃんわかです!

一同: 笑

キャプテンが戦闘不能に!最後は3人で延長で勝ったエジプト戦

佐藤: G-FLOWはいろんな大会で優勝してるけど、今回RED BULL HALF COURTはどう違う? キャプテンお願いします。

Wakana: 国が違うとタイプも全然違う。日本は大体のプレースタイルかわかっていて、悪くいうとちょっとマンネリ化してるみたいな感じだったんですけど、世界は、国によってプレースタイルが全然違うし、身長も違うし、性格も違うから、めっちゃ刺激的だった。そういういろんなチームと戦えて、勝ったってことはめちゃくちゃ自信に繋がった。レベルが一個上がった気がした。

Shinobu: テレレレッテッテッテー!

佐藤: 大会の試合を振り返りたいのだけど、まずは予選からお願いします。※予選は全勝で2位通過。(1位は総得点で上回ったエジプト)

Wakana エジプトの試合は延長になって結構すごくて。私がみぞおちに食らって戦闘不能になって…立ち上がれなくなってその試合出れなくなったんだけど。きさは人生初の3x3の延長で。

Kisa: ルールもあまりわかってなかった 笑

Wakana: ファウルもこんでて。エジプトだからファウルも寄ってたっていうのもあったけど、その状況で3人で勝てたっていうのがすごくて。あれは自分的には観ててめっちゃ泣けた。

佐藤: やっぱりホームチームは他の試合と全然違う? おれも1年目のイタリアでワールドファイナル出たとき、ブーイングとかやばかったけど。

Shinobu: えー!

Kisa: ブーイングはそこまでではなかったよね。

佐藤: ホームチーム相手にどうやって勝ちきれたと思う?

Wakana: 3人が全然焦ってなかった気がした。れんじゅはどう?

Renzhu: 他のチームとやるのとあまり変わらなかった。今までやってきたことをやれば勝てるし。いつも通り。

Wakana: 外からは3人みんなそんな感じに見えた。

Shinobu: やんなきゃ!っていうのはなかったかな。やっぱりみんなが上手いからそこは安心して…… わかなさんが戦闘不能になったときはちょっと焦ったよ。やっべーってなった。折れたと思った。最初ヒザかと思った。だけど!でも……

Wakana: 安心感あったよね。

Shinobu: そう、安心感。

Wakana: だからみんなノビノビできてたと思う。

Shinobu: あそこやられちゃいそうだな、とかならないもん。

佐藤:観てて、大会通してG-FLOWは焦りがなくてすごくお互いのことを信頼してる感じがあった。オフコートでもみんなと一緒に過ごして仲の良さが伝わってくるからだと思ったんだけど、日本でももともと仲が良かったの?それともエジプトで一緒に過ごしてチームの結束を強くしたと思う?

Shinobu: 別に仲は良くない。笑

Renzhu & Kisa : うん、仲は良くないよね。

Wakana: 仲は良くはない。

一同:笑

Wakana: 本当に仲良くないみたいだからやめて。笑

Shinobu: お互いの得意なプレーをよくわかってるから楽。誰が何できるかわかってるから。

Wakana: あとレッドブルは試合前にめっちゃ話した。オーストラリアとかは、どうせ勝てるだろ、みたいなスタンスだった。

Kisa: 自分らの試合終わって、次の相手の試合観て、話して。

Wakana: 他の県に比べて。あ、国に比べて…県じゃないか 笑 めっちゃ話してた。

Kisa: エジプトのときは、レイアップ狙ってくるから…

Wakana: そうそう。国によって変えたよね、守り方。

Shinobu: 見たことのない国のプレーだからそれを10分でアレしなきゃいけないもんね。あいつはああいう動きするからああしようって。

負傷者続出!深夜まで続いた過酷な予選

佐藤: エジプト以外で印象に残った国は?

Shinobu: インドにあまり身長ないんだけどゴリゴリくる子がいて。ふたり(Wakana&KIsaをさして)がつくんだけど、ふたりがコース入っても

Kisa: フィジで負けて。

Shinobu: シュート決められちゃって、やばいやばい!って。

Wakana: で、しのぶ!って言って、しのぶに託したんだよね。

Shinobu: そしたら私もやり合っちゃって。で、コレが食らって。(額を拳で指して) で私のファウルになって。なんでだよ!って。笑

佐藤: 審判にはちゃんと英語で文句言ったの?

Shinobu: ううん、日本語!

一同: 笑

Shinobu: バン!って食らってカッカなって、なんで私のファウルなんだよ!ってなったら、審判とそのインド人の子が「あ!」って。(額に指さして)「あ!血が出てるよ」って。

一同: 笑

Wakana: きさも捻挫してなかったっけ?

Kisa:  あ、した。エジプト!

Shinobu: みんなちょっとづつしてたね。れんじゅだけケガしてなかったよね。でもれんじゅは帰ってからヒザぼろぼろだったよね。

Wakana: みんなボロボロだったね。フィジカル強すぎて。びっくりした。

Shinobu: 強かったねー

Kisa: あと予選はシンプルにフロアがめっちゃ滑ったよね。

Shinobu: 滑ったー!

Kisa: めっちゃストリート感あった。

佐藤:それがRed Bull Half Courtのコンセプトだからね。やっぱり原点に戻ろうっていう。だからネットもチェーンだったり。

一同: ああー!

Wakana: クセがある!

Kisa: なんかシャン!って落ちてこん?

Renzhu: あ、でもクセがあるほうが好き!

Shinobu: 付けたてのネットはズレちゃうんだよね。

Kisa: あー、わかるわ〜

佐藤: あと環境も違うよね。ちゃんとスポーツコートがある普通の3x3の試合と。なにが一番アジャストしづらかった?

Kisa: タイマーなくて時間が出てないのめっちゃ困ったな。

Shinobu: あー!たしかに!

Wakana: 自分たちでオフィシャルに何回って聞いてた。

Kisa: あ、でもコレやったら教えてくれてた。(腕時計を指差すジェスチャー)

Shinobu: ラスト2ミニッツ!って教えてくれて。で、4人目のひとが「2分!2分!」って。

Kisa: そういうのはたしかに大変やったかもな。

Wakana: ショットクロックあったけど光で全然わかんなかった。

Shinobu: たしかに。

佐藤: でも予選4試合だと日本の3x3慣れてるとそんな疲れないでしょ?

Shinobu: 滑るから足腰きたかも。

Renzhu: 長かった気がする。

Wakana: たしかに!

Shinobu: 夜の11時とかだったもんね、終わったの。

ベスト8 イタリア戦 「私の人生で一番上手いチームだった」

佐藤:本戦ベスト8の最初イタリアはどうだった?

Kisa: みんな大きかったよな。

Shinobu: 見るからに強いチーム!って感じだった。

Wakana: イタリアのガードの女の子が、試合後に「私の人生のなかで一番上手いチームだった」って言ってくれて。

Shinobu: えー!嬉しい。

佐藤:本戦イタリア戦ではじめてあの特設コートでやってどうだった?

Wakana: はい、一言で!(きさ選手に)

Kisa: ウソみたい…

一同: 笑

Kisa: 景色が最高だった。

Wakana: まじなスフィンクス!みたいな。

セミファイナル:エジプト戦 空いたら打つ。リバウンドがんばる。かわして打つ。

佐藤:ベスト4のエジプトはどうだった?

Kisa: 2回目のほうが向こうのホーム感めっちゃ強かったな。

佐藤: 夜になってお客さんもたくさん入ってたよね。

Kisa: めっちゃ歓声やばかった。

Wakana: 一回目で対策とれてて、こう攻めてくるってわかってたから、あ、じゃあディフェンスこうしようって変えたら結構ハマって。

Kisa: レイアップだけ合わせようって。

Wakana: 大体1対1のレイアップしかしてこないから。引いて引いて、レイアップに合わせる。(手を挙げるジェスチャー)

佐藤: じゃあアウトサイドは得意なチームではなかったんだ。

Kisa: でも1対1はめっちゃ上手い。スピンとか。

Shinobu: (クロスオーバーのジェスチャー)

Wakana: ストリート!って感じ。

Kisa: あと、れんじゅがついてたリバウンド強い子。

Shinobu: 2Pも打つよね。

Renzhu: でも入らない。

Kisa: あのときが一番アウェイ感あった気した。

Wakana: めっちゃワクワクした。

佐藤: オフェンスではどう?

Kisa: 予選でピックがあまり上手くいかへんってなって、使い方変えたよな。もっと広く引っ張って、れんじゅにスペースを…

Wakana: ゆるゆるスイッチ。

佐藤: じゃあ、ブリッツよりはゆるくスイッチだったんだ。

Wakana: いつも通る上のパスが相手でかくて全部カットされちゃってた。あと、外のシュートに対してついてこない。打たせる、っみたいな感じで。で、迷っちゃって、れんじゅのほうについてるのにパス出しちゃってカットされるとかが多かったから。もうちょっと自分たちでリングに向かって攻めてパスだそう、とか。

佐藤: 大会でもっと2Pを打とうと意識したタイミングは?

Wakana: 空いたら打つ。

Kisa: で、リバウンド頑張る、みたいな。(忍選手をさして)

佐藤: 見てて印象的だったのは、れんじゅはアンダーサイズだったけどインサイドで張って、いいフットワークで点取ってたよね。たぶん日本だとサイズ大きい方だと思うけど、常に自分より大きい相手とマッチアップしてどうだった?

Renzhu: 日本だとそこまでステップ踏まなくてもパワーでいけるけど、海外だと大きい分たぶんスピードが落ちるから、かわしてからシュートを打つとか。あとシュートフェイクとかいろいろ使ったり。

Shinobu: 落ち着いてた。

Wakana: フェイク引っかかるよね。

Renzhu: ピックのときに外からパスきたら、ブロックを恐れず、いけると思えばいつも通りいけばいいし。来そうなときは、でかい分飛んでくるから一回待ってから打つとか。ディフェンスを見る工夫をしてました。

佐藤: 他の選手はどう? 例えばリバウンドとか。

Shinobu: ボックスアウトされない。走り放題だった。飛び込み大好き。

Wakana: ブロックしてたよね、しのぶちゃん。

佐藤: 一個すごいブロックされてたよね。

Wakana: 逆にね。

一同: 笑

Shinobu: ノーマーク!って思ったら、ここらへんから来たの。(遠くをさして)

Wakana: あれ凄かったわ。

Shinobu: でもめげないから!もう一回いくから。

一同: 笑

緊張より高揚!踊って、ポーズを決めて選手入場!

佐藤: いよいよ決勝を振り返りたいんだけど、決勝前はショーがあったり人もパンパンで盛り上がってて、どういう心境になってた?

Wakana: 日本だと私的には「勝たなきゃいけない…」っていう気持ちなんだけど、今回はボルテージ上がっていくにつれて自分の気持ちもめっちゃ高まってて緊張がいい意味での楽しい!って感じになってた。早く試合したい!って。

Shinobu: めっちゃお腹空いてた。

Wakana: 緊張はしてた?

Kisa: 高揚やったな。

Shinobu: 決勝まで来たー!って。

Kisa: ポーズどうする?って。

Wakana: 入場のポーズをみんなで考えてた。

Shinobu: うちらは基本すぐふざけちゃう。

Wakana: でもそれがいいよね。何もしないとガチガチになる。

Shinobu: 私もさきにふざけたい。

Wakana: 私的には和らげるっていうのはある。

佐藤: 試合間は何してたの?

一同: ゴロゴロ。

Kisa: 自分らの相手の試合見る以外は

Shinobu: グータラしてた

Renzhu: インスタで告知したり

Kisa: 他のチームにお土産渡したり

Shinobu: 日本一って書いてあるハチマキをイタリアチームに渡したら、最後決勝でつけて男子のこと応援してたんだよね。

Wakana: 逆だったけどね 笑

一同: 笑

Kisa: どこかのチームに試合前にお土産渡して、「お互い頑張ろう!いい試合しようなー」って話してたとき、Red Bull Half Courtのプロデューサーのポールさんが見てて、「この光景が見たかった!君ら最高!」って拍手されて。

佐藤: 最高の褒め言葉!

佐藤: 決勝の入場で名前呼ばれる前はどんな感じだった?

Wanaka: 踊ってた。

Shinobu: ずっと踊ってたよね。アップかのように。楽しかった!

Kisa: 最後だったからみんな見送ってたとき後ろ姿めっちゃかっこよかったよ。

Wakana: まじでー!

佐藤: 決勝までに日本チームは観客の心を掴んでて、結構応援されてたと思うんだけどどうだった?

Renzhu: 今までこんな素晴らしい舞台で試合したことなかったので、照れてました

佐藤: しのぶ姉さんは?

Shinobu: しゃっ!やー!みたいな。私はエンターテイナー心持ってるから、立つとみんなが私のこと見てるって思うから。

Wakana: 自分で言っちゃった。

Shinobu: そう。私人前に立つのめっちゃ得意なの。イエーイ!ヤッホー!ありがとー!がんばる!みたいな。(ジェスチャー多め)

一同: 笑

佐藤: キャプテンは?

Wakana: 海外はお客さんもイエーイ!って感じだから、私はこの景色最高!みたいな。でもそのとき、どう宮迫(のポーズ)を決めるかっていう、カメラの位置を気にしてたけど。

一同: 笑

佐藤: 10点中何点だった?

Wakana: 12点だね!

一同: おー!

Shinobu: 満点超え!

佐藤: (きさ選手に)最後に入場してどうだった?

Kisa: テンション上がって、ほんまこんなところでできるんや!って。緊張はなかった。

残り2秒で2点差!大接戦となった決勝オーストラリア戦

佐藤: 決勝オーストラリア戦はどうだった? 5人制のプロ選手もいたみたいだね。

Wakana: (相手選手の情報を)それちょっと聞いてて。でも最初のほうでポンって離せたときに、これいけるぞって。強いけど、勝てないとは思わなかった。変な自信に満ち溢れてた。

佐藤: オーストラリア戦で意識したことってある?

Wakana: 高さ対策。

Kisa: 早く捕まえようって言ってた。

Wakana: 切り替えを早くして、相手がのびのびとプレーできないようにした。別にドライブが早いわけではなかった。プレッシャーをかけてボールが回らないようにしたのと、シュートをいい形で決められたりするとそのあとリバウンドとかも後手後手になるから、変なシュートを打たせようとした。それはできてたと思う。あ、あとすごかったのが、わかながみんなこれやりたい!って言ったときにみんながすぐアジャストしてくれた。

Shinobu: あと2Pを打たせちゃまずい、って言ってた。めっちゃ入る人がいて。

Wakana: 2Pはやっぱりでかいから。

Kisa: ファウルもこまなかった。

Wakana: あとファウルの使い方とか。大きいからってすぐファウルしちゃうとすごいもったいないから。

佐藤: スピードも強みだったと思うけど、ディフェンスからオフェンスへの切り替えはどうだった?

Wakana: うまくいってたと思う。相手がうまくマッチアップできてなくて。だからリバウンドも取れてたと思うし。(しのぶ選手をさして)

Shinobu: リバウンドとって、すぐわかなさんが顔だしてくれるからすぐ返しやすい。

Wakana: 足使って、みんなでボール回して攻めようねって言ってて、それができてた気がする。

Shinobu: ボールは爆弾だから。すーぐ返したい。笑 それをわかなさんが「はい、こっちだよ!」ってやってくれるから。「よっしゃ!ヨロシク!」って。で、ふたりが2対2やるから、私はリバウンド行くよー!って。

Wakana: やっぱり役割が一応あって、自分はこれをやるっていうのがひとりひとりあるから、思い切ってできる。それをもっとやっていこうぜ!って感じ。マイナスなことは言わない。やれることはドンドンやってこうってスタンスだから。

佐藤: どれくらいから優勝を意識し始めた?

Renzhu: 最後ワンプレーまでわからなかった。

Shinobu: 残り50秒で2点差で勝ってて。

Wakana: あのときはまだやばいって思ってた。

Shinobu: 中盤は5点差くらいで勝ってて。で、そこから2点差まで持ってかれちゃって、1分半くらいからお互い点が入らなくて。で、残り50秒でマイボールで点が取れない、相手ボールってなって。最後2秒で2点差。相手ボール、タイムアウト。

Kisa: ノーツー。

Shinobu: 打たれる。笑

Wakana: やばい。笑

Shinobu: 外れる!こうしたらこうしようって話てたんだけど、私が見事に遅れて。

Kisa: でかいのもあるよね。

Wakana: ある。手を上げてたけど、その上からだった。

Shinobu: 入ってたら同点でやばかった。

佐藤: シュートが外れて勝った瞬間はどうだった?

一同: めっちゃ嬉しかった!

Shinobu: 目が開かなかった!笑

Wakana: まだ実感がわかなかった。嬉しいっていうより、まじか!

Kisa: まじか!やってもうた!って。

Shinobu: 世界一!っていうより、嬉しい!ってだけだった。

佐藤: 実感湧いたのはどのタイミング?

Wakana: えー、あのとき浮かれすぎて…

Shinobu: カメラがいっぱい来たとき?

Wakana: カメラがいっぱい来たとき!

佐藤: 3x3だと国内でもあまりないと思うんだけど、どんな気分だった?

Wakana: アイドル!笑

Shinobu: ね!見てる!みたいな。ダサかった、ポーズ 笑

Wakana: なんかしなきゃって。笑 (手裏剣投げるポーズ)

楽しいことが好き!一生の宝ものとなったワールドファイナル

佐藤: Red Bull Half Courtといえば、アフターパーティーも特徴だけどどうだった? トロフィー持って会場に登場したけど。

Wakana: みんな、おめでとう!って言いにきてくれて。

Shinobu: ワーって!乾杯しにきてくれて。ナイスプレー!よかったよ日本!って。あなた達本当にすごいよ!って言ってくれて、超嬉しかった。でも英語が…

Wakana: そう!英語を勉強しておけばよかった。

Shinobu: 悔しかった。伝えたいことが伝えられなかったのが。パッションで伝えてた。(表情とジェスチャー多め)

佐藤: 最後にひとりづつ大会を振り返ってどうだったか教えてください。

Renzhu: 国内の予選もそうだし、エジプト行って観光行って、ウエルカムパーティーがあって、試合して、最後のアフターパーティーまで、ガチガチの試合って感じではなかったから、バスケも楽しいんだけど、全体を通して楽しかったし、エンターテイメント性が国内の3x3ではなかなか味わえないものがありました。いろんな国の人と戦えて、もちろん勝ち負けもあるんだけど、試合終わったあとにみんな一緒にワイワイできるっていう雰囲気的にもよかったし。あとスフィンクスの前で試合できるって一生もうないだろうし、一生の宝ものっていうか。いい経験をさせてもらえました。

一同: 全部言ってくれた!笑 (拍手)

佐藤: じゃあ変化球お願いします。(忍選手に)

Shinobu: えー!(急な、マジメな表情)祭り!まじ祭り!

一同: 笑

Shinobu: うーん、なんだろ。お祭りみたいな感じ。日本を背負ってるっていう感じは正直なくて。それこそナショナルな感じじゃなかったからかも知れないけど… あ、もちろん私は予選出てないから、他の選手が勝ち上がってきてくれたもので世界大会に出させてもらったんだけど。自分のちょっとした挑戦、みたいな。世界でどれくらい何ができるんだろう。どんなことができるんだろうって。G-FLOWって正直日本でめちゃくちゃ強いから。じゃあ世界だったらどこまで戦えるんだろうなっていうワクワクもありながら向かって… でもさ、うちらはさ、楽しいことが好きなチームじゃない?(3人に)

3人: うんうん。(頷く)

Shinobu: 「え、ちゃんとミーティングしよ!」とかじゃなかったのが、このチームでよかったと思う。

3人: 笑

Shinobu: (急な真剣な表情)「え、ダメだよ、遊んでらんないよ。世界で絶対結果残そ!」って感じじゃなかったから。遊ぶところも遊んで。楽しむものも楽しんで。バスケも、やっぱりバスケ好きだからバスケも一生懸命やるし。それがいいよね。

3人: 頷く。

佐藤: ある意味、このRed Bull Half Courtのカルチャーに一番フィットしてたチームだったのかもね。

Shinobu:あー!そうそう!(急な真剣な表情で、右手を胸に当てて)「日本を背負ってます!」じゃないからね、うちらは。(両手を上げて)「やー!祭りだ!やー!」

一同: 笑

Shinobu: (両手でガッツポーズで)「エジプトでがんばる!」みたいなところだから緊張もなく戦えたし。ストリートこういうんじゃん。(片手あげたポーズで踊るジェスチャー)結構フィットしてると思う、うちら。

一同: 笑

佐藤: いまリズム感ないからフィットしてないけどね 笑

Shinobu: あ、私弱いの。リズム感めっちゃ弱いから。笑 でもそういうのも関係ない。それがストリート!やー!(踊るジェスチャー)

一同: 笑

Wakana: いいねー!以下同文で!

佐藤: じゃあラスト、キャプテン!日本チャンピオンじゃなくて世界チャンピオンとして、今年のRed Bull Half Courtに向けて、どうですか?

Wakana: 世界チャンピオンっていうのもあるんですけど、それは重く感じないで、楽しむことが一番なのと、今年は相手のチームもいろいろな戦略・作戦で来ると思うから、自分たちも挑戦者の気持ちで楽しんでまた勝てたらなって。今回はノーマークで上がってきたけど、今年は(相手から)あんなプレーしてたよね、とかなるかもしれないけど、そこでまた勝つっていうのがやっぱりいいから、今年も日本の予選でしっかり勝って、Red Bull Half Courtもしっかり優勝したいと思います。

Shinobu: ひゅーー!

佐藤: いまのうちにポーズ考えておいてください。

Kisa: たしかに。

Wakana: 宮迫ポースするから。

Shinobu: バク転練習しよ!

Wakana: カメラの位置だけしっかり確認して。追いかけていって。

Shinobu: 追いかけていって。(走るジェスチャー)

佐藤: まずはジャパンファイナルでしっかり宮迫を決めてから。

Wakana: そうですね、そこでしっかり日本のみなさんにお見せできるように。まずはそこから。

佐藤: ありがとうございました!(拍手)

一同: 拍手

表情豊かに、たくさんの身振り手振りで大会の興奮を語ってくれたG-FLOW。すべてに真面目になるのも勿論よいけれども、楽しむことが一番!と言い切るこのチームから学べるものはたくさんあるように感じた取材であった。と書くと、マジメか!とG-FLOWメンバーからツッコまれそうですが…… 世界一を獲ったオンコートでのパフォーマンス、そして大会プロデューサーから「この光景が見たかった!」と言わしめたオフコートでのスポーツマンシップ。この最高なG-FLOWのメンバーに会ったら、ぜひ「おめでとう!」と伝えてみてください!

楽しむことが一番!エジプトで世界チャンピオンになった3x3チーム”G-FLOW”がRed Bull Half Court World Finalを振り返る。

TEXT by Jiro Ikeda

https://www.redbull.com/us-en/events/red-bull-half-court-world-final-2022

RELATED FEATURE

MOST POPULAR