FIBA 3×3 Asia Cup 2022 Report vol.4 ……男子代表は6位。大会を終えた選手たちのメッセージ
決勝はオーストラリアとニュージーランド
7月10日に最終日を迎えた「FIBA 3×3 Asia Cup 2022」。決勝トーナメントはし烈な戦いの連続で、No.1シードのモンゴルが準々決勝でフィリピンに20-21で敗れる波乱もあった。注目をしていた、同国の#5 Anand Ariunboldも活躍はしていたが、前日の試合でケガをした影響か、ベストではなかったようだ。ただ、日本の高校、大学で5人制をプレーし、2018年には3×3日本選手権で2位(当時上武大学)になった実績を持つ25歳は、母国で代表チームに欠かせない選手へ成長していた。この悔しさを今後の舞台で晴らして欲しいところだ。
そんな中、大会を制したのはオーストラリアだった。予選を2連勝で突破し、準々決勝ではチャイニーズタイペイに21-8で快勝。続く準決勝は中国に21-13で力の差を見せつけ、迎えた決勝ではニュージーランドを21-17で破り、2018年、2019年大会に続く、3度目の優勝を飾った。予選からさらに試合の強度が上がった決勝トーナメントでも、他を寄せつけなかった。
悔しさを受け止め、次こそは絶対に「結果」を
一方で、3×3男子日本代表はファイナリストになったニュージーランドに準々決勝で14-16の惜敗。6月のワールドカップでベスト16入りした経験者を多数擁し、サイズ、フィジカルでも上回る相手に対して、ディフェンスから流れを作る戦いぶりで先行したが、逆転を許した。タフな2ポイントを決められただけでなく、オフェンスでダイブやスリップに対してのパスが阻まれるなどミスを犯すシーンが散見された。ターンオーバーは9個を数え、1ポイントの確率は22%(2/9)に終わった。
ただ、2ポイントはチームで5本を決め、ファウルは7個に達したものの、ワールドカップと違って致命傷にならず、失点は16点に留めた。ニュージーランドが予備予選から準決勝までの6戦(うち1戦は不戦勝)でKO出来なかった試合は、この一戦のみ。日本は短い準備期間と、緊急事態があった中、メダルは届かなかったが、よく戦った。
もちろん、結果の求められる日本代表で負けて許される試合はない。大会を終えて、選手たちもそれを受け止める。応援してくれたファン、関係者へ向けて、それぞれ次のようなメッセージを寄せた。今後、彼らを現場で見た際には、改めてエールを送って欲しい。
#0佐土原遼 (広島ドラゴンフライズ)
「ワールドカップから長い間、広島の皆さんはじめ、応援ありがとうございました。結果としてはワールドカップでは全敗、アジアカップでは本戦(決勝トーナメント)1回戦負けでメダルを持って帰ることが出来なかったんですけど、絶対に今後のキャリアにつながる試合となりました。(代表活動はこれで終わりますが)来シーズンのオフにはしっかりとコンディションを整えながら5人制と3人制を行き来したいと思っています。今後ともご声援のほど、よろしくお願いします」
#23保岡龍斗 (秋田ノーザンハピネッツ / SAITAMA ALPHAS)
「本当にワールドカップからアジアカップまで沢山の応援ありがとうございました。SNSを通じて皆様の声は届ていました。特に秋田のブースターさんには、いまBリーグのシーズンがない中で“バスケロス”だと言われる中、自分の試合を夜遅くでも朝早くでも見ていただき、感謝しかありません。ただ、やっぱりオリンピックから大会に出て終わってしまいました。やっぱり次こそは結果を残して、恩返しする番です。引き続き応援のほど、よろしくお願いします」
#70小松昌弘 (TOKYO DIME.EXE)
「残念な結果で本当に申し訳ないと思っていますが、僕は引き続き、PREMIER、JAPAN TOURを含め、3×3の世界で戦っていきます。(アジアカップで)得たものを自分の物だけではなく、まずはTOKYO DIMEで結果を残すためにチームに落とし込んでいきたいです。そして他のチームや、3×3のプレーヤーなどに色々な場面でシェアもしていきたいと思っています。これからも様々な日本のチームが世界を目指すようになっていくと思うので、お手伝いができればと考えています」
#91落合知也 (越谷アルファーズ / ALPHAS.EXE)
「現地シンガポールでたくさんの日本人の方や、シンガポール人の方など海外の方々に応援していただき、僕たちの力になりました。日本からたくさんの応援も選手全員に届いていました。(また)テレビ東京様がまだメジャーとは言えない3×3という競技に注目して配信いただいたことが、日本(で3×3がメジャーになること)の第一歩であると思います。だから、これに僕たちは結果でこたえないといけません。本当に次は絶対、結果を残していきます。引き続き大きな応援をお願いしたいと思います。ありがとうございました」
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TEXT by Hiroyuki Ohashi