COLUMN
2022.07.09

FIBA 3×3 Asia Cup 2022 Report vol.3 ……準々決勝進出を決めた3×3日本代表……初代表とベテランの声

　7月8日に大会3日目を迎えた「FIBA 3×3 Asia Cup 2022」は本戦の予選ラウンドが行われた。3×3男女日本代表は苦しみながらも2連勝を飾り、大会最終日10日に行われる決勝トーナメントの準々決勝へ進出を決めた。女子はインドネシアに17-15で逆転勝ちし、開催国・シンガポールには11-3で我慢の末の勝利。男子はウズベキスタン戦で途中、足が止まったものの21-11で勝ち切り、続くチャイニーズタイペイ戦ではペースをコントロールする修正を見せ、21-12で快勝した。予備予選から最も良いゲーム展開を見せてくれたのだ。

3×3はじめて半年未満、代表デビューを飾った大学生
　男女ともに選手たちの活躍が光る中、女子で印象的だった姿は、初代表の窪田真優 (#31)である。現在、関東大学女子バスケットボールリーグの1部、桐蔭横浜大学4年生の彼女は、インドネシア戦で逆転を呼び込む2ポイントを含むチーム最多5得点にアシスト4つをマーク。堂々としたフル代表デビューだった。本人曰く「結構、私は緊張しやすいタイプです。大学では本当に試合前はガチガチになってしまう」そうだが、3×3の別物のようだ。「3人制は会場の音楽や雰囲気の感じにリラックスできています。いい感じのワクワクした緊張感でプレーができていますので、3×3をやる上で自分にとって良いことだと思います」と窪田は明かす。

　もっとも、彼女の3人制キャリアは極めて浅い。初めて触れたのは今年2月に代々木第二体育館で日本バスケットボール協会が主催した大学生の大会「3×3 Next College Monsters Festival 2022」である。あの時から半年足らずで、日の丸を背負う機会を手にした。3×3と出会って、いまに至る思いを窪田はこうも語った。

　「ずっと3×3で日本代表になりたいと思っていたわけではなかったのですが、あの代々木の試合をきっかけに、5人制とは別に輝ける場所ができました。これは自分にとって、とてもプラスなことです。本当に代表メンバーに選ばれたことは嬉しいですし、大会が行われていることに感謝したいと思います」

　窪田真優が決勝トーナメントでさらに躍動する姿も楽しみである。

「シュート以外は慣れてきました（笑）」……急遽招集の38歳
　一方で、アジアカップは今大会が3度目。東京オリンピック代表こそ叶わなかったが、2016年から男子代表を支える代表最年長、38歳の小松昌弘（TOKYO DIME.EXE）もアジャストしてきた。ディフェンスやリバウンド、ルーズボールなど球際でハッスルする場面で彼の活躍は光る。オフェンスにおいては、ともに代表を支えてきた落合知也(越谷アルファーズ / ALPHAS.EXE)と息のあったプレーを見せる。急遽、招集されたものの、存在感は大きい。疲労もあるだろうが、3日目を終えた際には、こう語った。

「シュート以外は慣れてきました（笑）もうちょっと入ればいいなと思ってます！でも、相手がスカウティングをして、僕に外（のシュート）が無いことに気づき始めたので、そういった意味ではすごいリラックスをして打てるチャンスが今後、増えてくると思います。いまは3人（落合、保岡龍斗、佐土原遼）が一生懸命、オフェンスを組み立ててくれているので、僕はしっかりと合わせられるように準備できればいいのかなと思っています」

　ただ、小松と言えば過去に2度ほど世界で、試合を決めるビックショットを放っている。2018年にカザフスタンで行われた国際大会の決勝（当時TEMA TOKYOとして出場）と、2019年にはフィリピンで開催された国際大会の決勝で（当時TOKYO DIMEとして出場）で、それぞれ2ポイントのノックアウトショットを決めた。10日から始まる決勝トーナメントでは対戦相手のレベルがより一層あがり、日本は2ポイントシュートを決めないと、勝利は見えてこない。もしかしたら、小松に勝負所の局面が回ってくる可能性もある。彼にそのことを聞いてみると「もちろん狙ってはいない」とした上で、「打てるところでしっかりと打ってそれで負けてもしょうがないと思われるぐらいに、ハッスルしたいと思っています」と答えが返ってきた。

　まずは準々決勝で、ベテランの真骨頂に期待する。

＜10日の試合日程＞
男子・決勝トーナメント
16:50　準々決勝　日本 vs ニュージーランド
19:15　準決勝
20:45　3位決定戦（準決勝で敗れた場合のみ）
21:35　決勝

女子・決勝トーナメント
13:45　準々決勝　日本 vs スリランカ
18:50　準決勝（敗れた場合は20:20より3位決定戦）
20:30　3位決定戦（準決勝で敗れた場合のみ）
21:10　決勝

FIBA 3x3 Asia Cup 2022 Report vol.3 ……準々決勝進出を決めた3x3日本代表……初代表とベテランの声