• COLUMN
  • 2023.08.06

ALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT 2023 SPRING Final Tournament Report by MC MAMUSHI

どうも!MAMUSHIです!18周年目前、第45回目の大会となるALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT 2023 SPRING Final Tournamentを去る2023年6月24日(土)に開催させていただきました!ご来場いただいたみなさま、サポートしてくれる公園やサポーターのみなさま、熱狂してくれるボーラーたちに感謝申し上げます!今回もありがとうございました!6月4日(日)に開催した予選から、3週またいでの開催となった今回ですが、梅雨時期にも関わらず見事な晴天で、コロナ禍以降では随分と集客も戻ってきた感覚があります。

YouTubeやSNSでは数々の今大会ALLDAY 2023 SPRINGのレポートビデオがアップされています。即日アップしてくれていたクリエイターなみんなもありがとう!朝日新聞の動画配信サービス「LiveA!」のサポートで、人工知能(AI)を搭載した最新のカメラを駆使して無人撮影&映像化が実現できた。ありがたい限りだよ。詳細なゲームの模様は数々のビデオを観てもらうとして、ここではこの日の決勝トーナメントに出場したベスト8チームたちについてそれぞれ振り返りたいと思う。

視聴申込URL(リンクは外部サイト)

初参戦でベスト8入りを果たした新星SwagCrew
日本のYouTubeバスケットボール界で活躍する数々のYouTuberたちの中でも、群を抜いた実力とスキルで大人気の#1 安達虎太郎と#3 鈴木蓮タッグによるSwagCrew。今大会では#5 品田大や#2 だれゴリことドンパッチ、白鴎大からさいたまブロンコスでプレイした#7 ミサカボ ベニに、決勝トーナメントには白鴎大でキャプテンを務めた#8 ギバ賢キダビングも登場!数々の猛者が予選で脱落していく中、初挑戦でこの決勝トーナメントに駒を進めてきたチャレンジャーはひさびさだ。惜しくも決勝トーナメント1回戦でYOYOGIPARKBALLERS相手に16-23で惜敗。ALLDAYルールの不慣れさと、急造チームであるが故のチーム力の弱さで実力差以上の点差で敗戦したけれど、SwagCrewをガチンコの対戦で生で見る機会がもっと増えて欲しいなと思った。それほどまでに魅力を秘めていると思うし、今後のビルドアップに期待したい今回のALLDAYの新星がSwagCrewでした。

本来の存在感を残せなかったTeam-SとVELTEX TOKYO、そして44STREET
前回大会王者の横濱Team-Sは、1回戦の初戦でS.H.U SENDAIに延長戦の末に17-24で惜敗となってしまった。前半は得意のチームDFでS.H.U SENDAIの猛攻を抑えて完全にペースを握るも、後半からのS.H.U SENDAIのゾーンDFで勢いが停滞。ただそれでも勝負どころで若手の#3 ラッシャー柳川の値千金のAND1で3点リードを奪うも、S.H.U SENDAIの #2 SSMの強気なバンク3Pが決まって延長へ。ここで、それまで順調だった横濱Team-Sのゲームプランが崩れて勢いが止まってしまったのが痛かった。前回MVPの#5 K2Oが、今回存在感が消えてしまっていたのも痛い。

VELTEXはここ数年ALLDAYのベスト4常連とも呼べる活躍だったが、今大会1番の粘り強さを発揮したYokota Warriorsに引きずり込まれ、延長の末14-23とベスト8で敗退となった。昨年のALLDAYやTOKYO STREETBALL SUMMER LEAGUEとロスターが大きく変更していた様子。チームリーダーの#5 Syusukeによる新たなチームビルドに期待したい。

44STREETは予選で不在だった#3 KKと#1 RYO、そして昨シーズンはBリーグ京都ハンナリーズ、今季は福井ブローウィンズの所属が決まっている#10 満田丈太郎が登場。予選突破の立役者で昨シーズンはBリーグさいたまブロンコスでプレイした丹野合気も登場するも、今大会ではUNDERDOGに圧倒され29-41で撃沈。それでも#3 KK個人は相変わらず恐ろしいスコアリングだった。業界注目の#1 RYOが残念ながら今大会では不発だった。


YOYOGIPARKBALLERSの苦悩
またもやベスト4の壁を越えることは叶わなかったYOYOGIPARKBALLERS。セミファイナルではS.H.U SENDAI相手に、ホームで劣勢を強いられた。前半を11-14で折り返すも、S.H.U SENDAIのゾーンDFが見事にハマってなんと後半の10分間無得点。11-22とダブルスコアな上にロースコアでの敗退となってしまった。ALLDAYにかける想いがとりわけ強い彼らにとってはとても悔しい敗戦だっただろう。S.H.U SENDAIの#1 TAKAとYOYOGIPARKBALLERSの#4 YUKKEの実の兄弟対決ももちろん見応えがあったけど、あのセミファイナルをそれだけで語るには勿体無いと思ってMCをしてた。共に決死のロスターを組んで挑むストリートボールだ。YOYOGIPARKBALLERSに関してはまさに公園で集まったコミュニティで、ピックアップゲームがベースとなるストリートボールの根っこ。ただ、年々レベルが上昇しているALLDAYの頂点にはまだ届かなかった。戦略が必要なのか、新たなメンバーが必要なのか、采配役が必要なのか、それは彼らなりの選択をして欲しいし、その選択にスタイルやこだわりが大きく影響するからストリートボールの個性が際立っていく。YOYOGIPARKBALLERSがまずはベスト4の壁を乗り越えるために、どういった進化の選択をするか注目してる。

今大会最も粘り強かったYokota Warriors
米軍基地チームで最多のALLDAY出場回数がこのYokota Warriors。ただ横田基地関連のチームがALLDAY制覇したのは、実は2006年の第8回大会の1度だけ(6FIGURES/YOKOTA)。軍に従事するメンバーたちは、転勤などもあってロスターは毎年不安定。今大会に関しても、決して個々で実力や能力が派手なチームじゃなかった。ただ恐ろしいほどのチームの結束力。全員がハッスルして、そして球際の強さとゴール下の決定力が武器だった。これで彼らは予選から、厚木と座間の米軍基地メンバーたちによるPHOENIX KANAGAWAとの対戦も1ゴール差で、現役BリーガーによるSHOEHURRY!もお構いなしに24-14で撃破してきた。決勝トーナメントでもVELTEX TOKYO相手に終始劣勢だったものの、いつのまにやら追いついて延長を制しベスト4進出。セミファイナルでもUNDERDOG相手に得意のジワジワ系ストリートボールを展開して、さすがに捕まえられなかったけど24-31と、決勝トーナメントで最もUNDERDOGHをロースコアに抑えたチームでもあった。さすがの粘り強さ。これも強いストリートボールの特徴のひとつだ。

仙台ネバダイ。S.H.U SENDAIの大躍進。
S.H.U SENDAIにとって、これまでALLDAYベスト8が最高位だった。そのベスト8にも、辿り着くまで10年かかったという。それが今大会では、前回王者の横濱Team-S相手に延長の末、24-17で逆転勝ち。続くセミファイナルではホームのYOYOGIPARKBALLERSを終始圧倒してダブルスコアで快勝。かつてBALCKTOPの一員としてALLDAY制覇とMVP受賞を経験している#1 TAKAを除く、S.H.U SENDAIの全員にとって未知の領域に突入した決勝ではUNDERDOGに全てを圧倒され、17-50という大差で敗れた仙台。決勝での大差を周りがとやかく言うことじゃないよな。それを口にできるのは唯一勝利しているUNDERDOGだけだろうし、戦った彼らがS.H.U SENDAIにリスペクト入ってるのに傍観者がとやかく言えることはない。S.H.U SENDAIは過去最高位に自分たちを進めた。ALLDAYの頂点を獲るにはまだレベルアップや準備が必要なことは本人たちが一番身に染みただろうし、この経験が仙台を強烈に強くする。涙が溢れてしまいそうなくらい悔しい敗戦の感情に負けず、自分たちの進化の手応えを感じた仙台は見事だった。

UNDERDOGメンタリティと新たなレガシー
どうしてこれほどまでに強いのか?それはなんてったって当人たちが強くこだわっているからだろう。ALLDAY王者。今回で11度目の制覇、史上最多優勝回数を更新した UNDERDOG。今大会ではレギュラーメンバーに加え、ひさびさに登場となった黄金期メンバーの#6 MONEYと#9 KOJI、そして現役大学生の#12 クリバリー・ガウソウ。コーチ役にBリーグ越谷アルファーズの長谷川智也とWORM。ベンチにはオリジナルメンバーの末廣潤やTAKAKUなどの黄金期を支えた面々、wtl&WINの兄貴たち、そしてUNDERDOGコミュニティを支えるファミリーたちと大所帯で臨んだ。ちゃんと集めたんだ。呼ぼうとして呼んでるんだ。総力戦が必要なことをUNDERDOGは理解してるんだと思う。

長谷川智也とWORMの采配は、今回の優勝に大きく貢献した。スタミナと流れのマネジメント、プロレベルの明確な指示。ストリートならではの盛り上げはもちろん、その合間に冷静なミッション遂行をコントロールしていた。その影響は、リーダーでありエースの#8 DAISUKEのスタミナも管理していて、終始ドミネイトしたあのパフォーマンスを引き出したのだろう。
#12 クリバリー・ガウソウはゴール下で鉄壁のブロックとリバウンド、ダンクやアリウープでリム周りを支配。現役のBリーガーでもある#6 MONEYもひさびさのALLDAYでシュートタッチに不満がありそうだったものの、プロレベルのDFやリバウンドの強度には震えたし、#9 KOJIは42歳になるっていうのにさすがのコントロール力とパッシング力で安定感抜群のポイントガードだった。ただ一方で、今のレギュラーメンバーの活躍がなにより今回のUNDERDOGの原動力だった。リーダー#8 DAISUKEと、#3 NAOYA/#4 DAIZEN/#1 JUON/#5 KIFU/#7 WATARU/#10 TAISHIたちだ。個人的には、#5 KIFUがUNDERDOGに、そしてストリートボールにジョインしてから最高の存在感を発揮していたと思うし、現役大学生#1 JUONは#8 DAISUKEに次いでのMVP候補だったくらいの活躍だった。


そして、今大会の情熱を中心にいたのが#8 DAISUKEだった。朝8:00頃には会場のYOYOGI PARK PLAYGROUNDに現れて、随分入りが早いなと思ったけど1人黙々とシュートを打ち込んでた。2014年か2015年か、確かそれくらいの頃にUNDERDOGに合流して、ストリートボールにのめり込んでいったDAISUKE。当時30歳くらいだったDAISUKEは、すでにセミプロのトップレベル実業団バスケットボールの日本一チームのエースで、「アマチュアで一番上手いボーラー」と呼べる逸材だった。またその頃のUNDERDOGは、創始者M21を筆頭にWORM/MONEY/KOJIといった各ポジションのエースクラスが揃っていて、2012年から2017年までの間に5度のALLDAY制覇を果たすほどの黄金期真っ只中。しかし2017年を最後に、UNDERDOGは5年間ALLDAYのタイトルを獲れずにいた。黄金期のメンバーたちはBリーグや次の挑戦のために東京のストリートの現場からは一時離脱していて、その頃から今に至るまでリーダーを務めているのがDAISUKEだ。UNDERDOGのキャリアの中でおそらく最も低迷していた時代と言えるこの4-5年間、リーダーの座についたDAISUKEに突きつけられたのは厳しい現実だったのだろうと想像できる。それでもひたむきにストリートボールにのめり込んで、チームの再建に熱心だったDAISUKEの姿を俺も傍で目撃していたし、その期間ともにプレイしたピックアップボーラーたちの方がリアルな証言持ってるよ。ストリートボールはとにかく最高だけど、生活や気分に大きく影響されるから存続が危ういことも一面ではあるわけで。何か壁とか、課題とか、乗り越えないと楽しくない場面に直面したときに逃げ出しちゃうと、そこで終わっちゃうもんだと思うんだよな。先人たちが築き上げたUNDERDOGっていうでっかい看板を、チーム事情が辛いときでも逃げ出さないで向き合ったDAISUKEの執念と尊さを同時に感じだんだよね。ALLDAYで最後に笑えるのは当然1チームだけで、あとはとにかく悔しい気持ちが充満してる現場だよ。悔しいこと、うまくいかないジレンマ、時間は経つし生活もある。惜しくも敗れてしまった数々のチームのみんな、どうか下を向かないで立ち向かって欲しい。UNDERDOGだって、9度目のALLDAY制覇から5年間負け続けて10度目の制覇、そして今回の11度目の制覇を勝ち取ったんだ。その原動力であり、今大会においてはプレイも含めて全てにおいて支配的な活躍を発揮したDAISUKEがALLDAY MVPを獲得。タイトル以上に、DAISUKEが今回示したものは凄まじかった。もうあと数年経てば40歳も見えてるもんな。すごかったよ、大ちゃん。もう貴方もすっかり東京ストリートボール名物の一員で、ストリートボールにおける妖怪とも化け物ともおばけとも呼べる存在であることが今回証明されて頼もしいよ。リーダーとして孤独を感じる瞬間もあっただろう。DAISUKEのこの5年間に尊敬の念を送ります。リスペクト。

といったわけで、UNDERDOGは新たな黄金期に突入しそうな圧倒的な制圧で今回のALLDAY 2023 SPRINGのタイトルを奪取し、一方でS.H.U SENDAIと仙台ストリートボールの躍進、そして数々の悔しいマジな気持ちが感動を生んだALLDAYになりました。この情熱が、僕たちが愛してやまないストリートボールのカルチャーです。次回のALLDAYは今秋開催予定!今回を上回る情熱を感じられることに、これからのストリートボールに大いに期待したいということで今回のレポートを締めたいと思います。ストリートボールネバダイ!次はTOKYO STREETBALL SUMMER LEAGUE!まもなく公開される新情報に乞うご期待です!

ALLDAY 5ON5 BASKETBALL TOURNAMENT 2023 SPRING Final Tournament Report by MC MAMUSHI

TEXT by MC MAMUSHI

PHOTO by Eric

RELATED COLUMN

MOST POPULAR