『3×3 JAPAN TOUR 2020』開幕へ、歴代王者を振り返って今季を迎えよう
先週の『F1 Tournament』に続いて、明日9月19日より日本バスケットボール協会(JBA)主催の『3×3 JAPAN TOUR 2020』がはじまる。これで女子の公式戦もスタートすることになり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で止まっていた国内3×3シーンは男女そろってカムバック。
2020シーズンのツアー形式
いよいよ始動する3×3 JAPAN TOURについて、まず大会概要を整理しておきたい。新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって今季は開催が延期 (一部中止)されていたが、コロナ対策のガイドラインに基づいて実施する。2018シーズンより最高峰の「EXTREME」を筆頭に、「OPEN」、「CHALLENGE」の3カテゴリーで行われていたが、2020シーズンは「EXTREME Limited」の1カテゴリーで大会を進めていく。
ツアー形式は、まず全6Roundを開催する(出場チーム数は男女各6チームが上限)。Roundの順位によってツアーポイントを獲得し、累計ポイントで男女各上位 9 チームがFINALへ進出。10月17日、18日の2日間に渡って、国立代々木競技場 第二体育館で頂点を狙う。
歴代のチャンピオンチームたち
3x3 JAPAN TOURは2016年のプレ大会を皮切りに今季で5シーズン目。2020シーズンを迎えるにあたり、FINALを導入した直近2シーズンのチャンピオンたちを振り返っておきたい。
2018シーズンは当時の3×3日本代表を兼ねたTEAM TOKYOが主役だった。落合知也、鈴木慶太、小松昌弘(いずれも現TOKYO DIME )、野呂竜比人(現BEEFMAN)の4名は、FIBA 3×3 ASIA CUP 2018でフル代表として3人制男子で初めて銅メダルを獲得。プロサーキット転戦を通じて鍛えたチーム力とスキのない試合運びで、国内の公式戦はわずか1敗という無類の強さでEXTREMEを制覇した。またOPEN男子はBREX.EXE(現UTSUNOMIYA BREX.EXE)が優勝。いまでこそ3人制に欠かせない齊藤洋介が、5人制から転向した初年度でもあった。
女子はTACHIKAWA DICEが初めて日本一に。この年は3×3.EXE PREMIERでWOMEN`Sカテゴリーがスタートしたシーズンでもあり、Wリーグ経験者や学生時代に5人制で年代別代表を経験した選手が参戦するなど、女子全体のレベルが底上げされた中で、DICEは全員がストリート。「私たちの選手は“無印良品”ばかりです。インサイドの選手は体も強いし、小さい選手もスキルを持っている。とても誇れる仲間です」と当時のメンバーだった浅羽麻子の言葉がなんとも印象的だった。
MVPは全員がトップリーガー
一方で2019シーズンは変化が到来。FINAL優勝チームから選出されたMVPにはBリーグやWリーグで活躍する5人制トップリーガーたちが顔を並べた。EXTREMEを制したUTSUNOMIYA BREX.EXEから選ばれたのは小林大祐。2日間の大会日程で出場は最終日のみ。ただ5人制の茨城ロボッツでレギュラーシーズンの公式戦に出場してからの合流だったため、実質は3連戦目。タフな状況でタイトル獲得に貢献した。そしてOPEN男子はBEEFMANの荒川颯が受賞。当時、特別指定選手としてライジングゼファーフクオカでBリーグのゲームへ出場してから、大会最終日に参戦。小林同様のハードなスケジュールを乗り切った。
そして女子ではSHONAN SUNSの伊集南が選ばれた。当時、彼女はWリーグ・デンソーアイリスの所属にして、3×3女子日本代表候補。卓越したリーダーシップとゲームを動かす力は絶大だった。今年4月に現役引退を発表して競技生活を終えたが、あの時に「今後、私以外の選手も出場してくれたら、もっと面白くなると思います。W(リーグ)と3×3の共存が近いのではないかと、少しワクワクしました」とコメントを残している。その思いが後輩に伝わることを願いたい。
主役は誰か、今季初戦の顔ぶれ
年々、盛り上がりを見せる3x3 JAPAN TOURは今季、どのような戦いが繰り広げられるのだろうか。Withコロナのシーズンインで、初戦からFINALまで約1カ月の短期決戦。これまでの実績に関係なく、どのチームも勢いをつける何かきっかけをつかめれば、主役に躍り出るチャンスは十分にあるだろう。
明日19日のRound.1と翌20日のRound.2は、男女各6チームずつが出場する。男子は『F1 Tournament』で準優勝だったKOTO PHOENIXや、同ベスト4のALBORADAが登場。20日にはバスケの街である秋田県能代市をホームに、3×3のプロチーム設立を目指して活動しているNOSHIRO STEELERSがエントリーをしている。
女子は今大会が待ちに待ったシーズン最初の公式戦だ。昨年、3×3.EXE PREMIERで初優勝したBEEFMANは桂葵らを迎えて新たな体制で初戦へ。SHONAN SUNSやTOKYO DIMEといったお馴染みのチームも出場する。また矢野良子や、元Wリーグ・JX-ENEOS(現ENEOS)に所属し、オーストラリアでプレーをしている山田愛も出場を予定するSHOEHURRYは注目したいところ。20日にエントリーをしている。
残念ながらコロナ対策のため、両ラウンドは無観客試合となるが、JBAはYouTubeでのLIVE配信を行う。2日間ともに女子は10時30分、男子は15時よりゲームスタート。ファン・ブースターにとって、コートサイドで応援できない寂しさはあるが、是非オンラインで『3×3 JAPAN TOUR 2020』を楽しんで欲しい。
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TEXT by Hiroyuki Ohashi