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  • 2026.04.03

五輪を目指す第一歩。男女の3×3日本代表が「FIBA 3×3 アジアカップ 2026」の初戦へ


©FIBA

3×3の国際大会が初めて行われた国・シンガポール。2010年のユース五輪のことだった。2017年にオリンピック種目となり、東京、パリを経て、2028年はロサンゼルスへ。今年から本格的に出場権獲得を目指して戦いは熱を帯び始める。いま開催中の「FIBA 3×3 アジアカップ 2026」は、その第一歩だ。男子23チーム、女子22チームがシンガポールに集結。予備予選を経て、3日(金)から3×3日本代表が出場する本戦予選が幕を開ける。勝ち上がれば5日(日)の決勝トーナメントへ進む。昨年は男女ともに輝きを放っただけに、今大会は金メダル獲得を期待してみたい。


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女子代表は3日が初戦。鶴見彩がチームのまとめ役に

まず、3日に初戦を迎える3×3女子日本代表(FIBAランキング12位)は、開催国のシンガポール(同20位)、予備予選C組の1位になったチャイニーズ・タイペイ(同45位)と対戦をする。今大会には、鶴見彩(#5 / 165cm / MAURICE LACROIX)、野口さくら(#13 / 182cm / アイシン ウィングス)、高橋未来(#7 / 169cm / アイシン ウィングス)、花島百香(#8 / 178cm / ENEOSサンフラワーズ)がロスター入りした。

バランスの良い選出となった中で、野口さくらのメンバー入りは目を引くところ。5人制代表を経験し、オールラウンドなプレーと、180㎝を超える高さは大きな武器だ。昨年の女子代表は決勝でオーストラリアと対戦し、2メンゲームを多く仕掛けたものの、髙橋芙由子は当時「相手に押され負けてしまって(パスの出し手と受け手の)個々の距離が長くなってしまい、ターンオーバーが増えてしまった」と敗因に言及。サイズと技術のある野口が、攻防の激しい局面を打開する新たな力になりそうだ。


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ただ、野口と花島は初の3×3 A代表入りで、高橋は初のアジアカップ。4人そろって初の国際大会になる。短期決戦でまとまりあるチームになれるかが、昨年の銀メダルを超える何よりの鍵になるはず。恐らくチームのまとめ役は鶴見が担う。2年連続でアジアカップに出場するのは、女子の3×3代表で彼女が初めて。競技にコミットして、必要とされた証である。鶴見の良さは、チームへの貢献を考え抜く力があること。昨春は予選2試合で一人だけ無得点だったが、準々決勝で活躍した姿が思い出される。当時、こんなことを明かしていた。

「国内だと自分が点を取る役割でずっとやってきましたが(代表は)みんなできる選手なので、自分がどうやって貢献できるかを常に考えてこの試合に臨んでて、シュートタッチのところは波があるので、打っていいよと声を掛けてくださって打ち続けながらも自分にしかできないアタックがあると思っていました。そこを相手がしんどいときに突いていけたら良いなと思って今日はプレーしました」

どんなに準備をしても、国際大会となれば力をすぐに出すのが難しい状況もある。シンガポールは高温多湿で、汗でボールが滑ったり、開催国のシンガポールと戦う試合は完全なアウェーとなり、声も通らないことが予想される。なかなかチームショットが決まらない状況もざらにある。一筋縄ではいかぬとも、鶴見のチームに徹する姿勢と経験値を持って、良い4人組みに仕上がる姿が楽しみだ。



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男子代表は4日が初戦。クーリバリが自信をつけ、初代表へ

一方で、3×3男子日本代表(FIBAランキング14位)は、4日(土)の初戦でシンガポール(同30位)、予備予選C組1位の韓国(同80位)と対戦を控えている。シンガポールとは昨年の準々決勝で対戦して勝利をしているが、鋭いドライブや2ポイントシュートを武器にテンポの良い3×3を展開する侮れないチームだった。戦前、3×3の国際大会「3×3.EXE SUPER PREMIER」にも代表チームを派遣するなど、強化を進めている。

そんな相手に対して、男子代表のロスターには昨年の4強入りをけん引した小澤崚(#13 / 178cm / SHINAGAWA CITY.EXE)を筆頭に、仲西佑起(#24 / 191cm / UTSUNOMIYA BREX.EXE)、井後健矢(#15 / 198cm / SAGAMIHARA PROCESS)がメンバー入り。3人がそろうのは昨年の「FIBA 3×3 ワールドカップ2025」も含めて、今大会が3度目を数える。良いケミストリーが期待できそうだ。

そして、新戦力としてクーリバリ ソロモン(#33 / 183cm / UTSUNOMIYA BREX.EXE)が初選出された。小澤とタイプの違うハンドラーで、フィジカルが強く、当たり負けしないドライブやディフェンスが、代表の力になるだろう。今年に入ってUTSUNOMIYA BREX.EXEとして出場した国際大会でも存在感を放ち、2月には韓国のトーナメントで3人で優勝。彼にとっても印象深く「チームとしても、自分にとっても自信になりました」と話していたほどだ。


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また、小澤とクーリバリというハンドラーが2人も入った布陣になったのも意図を感じる。昨年はアジアカップ、ワールドカップでビックマンにボールを入れられて劣勢を強いられた試合もあっただけに、サイズダウンは意外でもあった。スカウティングでディフェンスの準備もするだろうが、先日の代表合宿で小澤が大型選手に対するチームの打開策として次のように説いてもいた。

「チームとしてはハンドラーを増やしたり、僕以外のボールシェア率を高めることを意識してやっています。ハンドラーを増やして僕がスクリーン行く場面も増やしていこうと思っています。実際やってみないと分からない部分はありますが、チームとして一つ武器が増やせたと思っています」

男子のA代表がメダルを獲ったのは、現コーチである鈴木慶太氏が大会ベスト3に選ばれた2018年大会の銅メダル。今年は8年ぶりの歓喜なるか。「絶対優勝するので応援よろしくお願いします」と言い切ったエース小澤の言葉を、チーム一丸となって叶えていく戦いになる。



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アジアのライバルたち。男子・豪州、女子・モンゴル

ただ、男女ともに優勝までの道のりは容易くはない。アジアカップで優勝すると、2027年に開催される「FIBA 3×3 チャンピオンズカップ」の出場権を獲得できる。この大会は、その先にあるロサンゼルスオリンピックの予選大会にも繋がっている重要な大会だ。では、アジアのライバルたちはどこになるのか。

男子の優勝候補は、過去5度の王者に輝くオーストラリア(FIBAランキング35位)だろう。昨年の大会で初出場ながらMVPに選ばれたDillon Stith(201cm)は今年も健在。彼はこの1年で「3×3.EXE PREMIER」など数多くのトーナメントに出場して、経験値を積んできて、チームを引っ張る大黒柱だ。

また、若手主体のチームも主役になるかもしれない。とりわけ、ニュージーランド(同22位)は昨年、従来のサイズとパワーで押すスタイルから、ドライブや2ポイントショット、ピック&ロールなど組み合わせて、チームで連動した戦い方へモデルチェンジ。日本を破って銅メダルを獲得した。その快進撃を成し遂げたAidan Tonge(200㎝)、Christian Craig Martin(195㎝)、Te Tuhi ki te Rangi David Lewis(193㎝)が再び出場する。モンゴル(同10位)や中国(同11位)も、アンダーカテゴリー代表歴のあるメンバーが加入し、装いを新たにしている。

女子で言えば、優勝候補はモンゴル(FIBAランキング10位)だろう。昨年、母国開催のワールドカップで史上初の銀メダルに輝いた。決勝こそオランダに敗れたが、準々決勝でアメリカを破り、準決勝でもポーランドを延長戦の末に下すなど大躍進。その立役者であるKhulan Onolbaatar(180㎝)、Nandinkhusel Nyamjav(177㎝)、Ariuntsetseg Bat-Erdene(180㎝)がアジアの頂点を狙う。

また、大会4連覇が懸かるオーストラリア(同16位)は、過去3度の優勝に貢献したメンバーはいないものの、平均身長は183㎝の大型チームでシンガポールへ。昨年8強のタイ(同30位)は、昨秋の「3×3.EXE PREMIER 2025 PLAYOFFS」で海外勢としてリーグ初の優勝を飾ったCT TIGERS.EXEの選手を中心に出場。中国(同3位)には東京オリンピックに出場したZhiTing Zhang(195㎝)が代表復帰したほか、ニュージーランド(同24位)には宇都宮ブレックスのアイザック・フォトゥの妹、Gabriella Fotu(176㎝)がメンバー入りしている。

シンガポールで5度目の開催を迎える「FIBA 3×3 アジアカップ 2026」。年々、盛り上がりが増す舞台で、どこが主役の座を射止めるのか。3×3 アジアNo.1を目指す各国のバトルが楽しみでならない。


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【日程・結果】FIBA 3×3 アジアカップ 2026(予定)

▼女子
予選プール
・4月3日(金) 17:25 日本 vs シンガポール
・4月3日(金) 20:05 日本 vs チャイニーズ・タイペイ

決勝トーナメント
・4月5日(日) 準々決勝・準決勝・3 位決定戦・決勝

▼男子
予選プール
・4月4日(土) 17:25 日本 vs シンガポール
・4月4日(土) 20:05 日本 vs 韓国

決勝トーナメント
・4月5日(日) 準々決勝・準決勝・3位決定戦・決勝

▼大会公式サイト)
https://fiba3x3.basketball/2026/asiacup

【配信】FIBA 3×3公式YouTube
https://www.youtube.com/@FIBA3x3/


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五輪を目指す第一歩。男女の3x3日本代表が「FIBA 3x3 アジアカップ 2026」の初戦へ

TEXT by Hiroyuki Ohashi
PHOTO by ©FIBA

JBA 3x3 OFFICIAL

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