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  • 2025.12.30

3年生がウインターカップ制覇の大きな力に…福岡大学附属大濠が連覇で5度目の優勝。大阪薫英女学院は初の頂点に輝き、3×3の日本一と2冠を飾る

 昨年を超える大会史上最多67,694人の観衆を集めた「SoftBank ウインターカップ2025 令和7年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が、12月29日に閉幕した。男子は、福岡大学附属大濠高校が2連覇で5度目の優勝に輝き、女子は大阪薫英女学院高校が初の頂点に駆け上がり、チームとして「第12回3×3 U18日本選手権大会」(12月13日~14日)の日本一と2冠を達成。3年生たちが冬の大舞台を制する大きな力になった。

「薫英が一つのチームになったからこその日本一」(三輪)
 悲願の初優勝を飾った大阪薫英女学院。今大会は1回戦から登場し、土浦日本大学高校を72-63で破ると、2回戦では県立湯沢翔北高校を88-64で撃破。3回戦では今夏のインターハイで準優勝した日本航空高校北海道に83-80で競り勝ち、準々決勝で倉敷翠松高校を92-65、準決勝では4連覇を狙った京都精華学園高校を80-71で下し、決勝へ。2018年大会以来、4度目のファイナリストになった。

 頂点を争う相手は、今夏のインターハイを制した桜花学園高校。前半は竹内みや(#9 /161㎝)や濱田ななの(#6 / 161㎝)を起点にしたドライブやピック&ロールに苦戦したが、大阪薫英女学院は後半に入ってゾーンディフェンスを仕掛けるなど、反撃に転じる。攻めては3年生の三輪美良々(#5 / 177㎝)がインサイドで奮闘を続け、3点ビハインドで迎えた4クォーターには1年生の大槻佳子(#11 / 163㎝)が3ポイントシュートを射抜き、終盤には三輪がオフェンスリバウンドからねじ込んで逆転。最後は3年生で主将の幡出麗実(#4 / 168cm)が2本のフリースローを沈めて試合を決定づけ、66-61で歓喜の輪が生まれた。

 チームを率いた安藤香織コーチは就任11年目で、優勝会見で喜びをかみしめた。

「前任の公立高校のときから薫英を倒したいと思って頑張ってきて、前監督の長渡先生にお声がけいただき、薫英から日本一と目標を変えて、本当に薫英で日本一を目指している素晴らしい選手たちとここまで歩んできました。今年の子どもたちが結果を出してくれたんですけれども、本当に薫英の伝統というか、いろいろな人の思いで今回最高の結果を出すことができて、心から嬉しく思います」

 また、決勝で30得点13リバウンドをマークして大会ベスト5に選ばれた三輪は、1年生からスタートに起用されてきた中心選手。優勝会見では、これまで先輩たちと日本一となれなった“悔しさ”を明かし、「自分たちの代で最後は絶対に自分が薫英を日本一にさせてあげたという思い」があったという。同校4度目の挑戦でつかんだウインターカップ制覇。彼女は「40分間やり切ることができたと思う」と胸を張り「薫英が一つのチームになったからこその日本一」と喜んだ。

 そして、三輪の語る「薫英が一つのチーム」で思い出されるのは、今大会の控え選手や、予備登録選手で初優勝した「第12回3×3 U18日本選手権大会」である。3×3での日本一に貢献した3年生の林優里奈は「みんなにも、ここでまず優勝したら(ウインターカップに)流れを持っていけると言われているので、まず自分たちから流れを作れたらと思っています」と話していたほど。最終日はケガで一人を欠いて3人での戦いだったが、頂点に立っていた。

 三輪もその勢いを感じていたようで「3×3でもしっかりと日本一を獲ってくれたときから、その勝った瞬間にうちらも絶対に日本一を獲ろうと一致団結したような感じになれたと思います」と話す。安藤コーチも3×3に挑戦した選手たちや、その練習をサポートしたBチームメンバーを称え、3×3で日本一がかかる試合は、5人制の練習を中断して全員でYouTubeを見ながら応援していたという。3×3の優勝によって「こっち(ウインターカップ)も行くぜという感じで相乗効果はあったかなと思います」とコメント。まさに全部員で勝ち取ったウインターカップの初タイトルだった。

「3年生中心に声掛けをして、絶対に崩れないように」(榎木)
 一方で、男子の福岡大学附属大濠は昨年の優勝に続き、5度目のチャンピオンになった。1回戦で報徳学園高校を84-51で下すと、2回戦では羽黒高校を99-62で破り、3回戦では開志国際高校を延長戦の末に77-75で撃破。準々決勝で土浦日本大学高校を81-67で退け、準決勝では昨冬の決勝でしのぎを削った鳥取城北高校に69-66で競り勝って、2連覇へ王手をかける。

 東山との頂上決戦では、1クォーターから主導権を握った。2年生エース・本田蕗以(#14 / 190cm)のオフェンスが光る中、3年生でチームキャプテンの勝又絆(#4 / 188cm)が会場を沸かせ、2ファウルでベンチに下がったスーパー1年生・白谷柱誠ジャック(#23 / 194cm)に代わって、3年生のサントス マノエルハジメ(#8 / 195㎝)も速攻やアウトサイドからシュートを決めるなど堂々の活躍。ディフェンスでも最上級生の吉岡陽(#6 / 184cm)が、東山のエース・佐藤凪(#5 / 176cm)をタイトなマークで苦しめた。

 そして大一番でひときわ輝いたのが、ゲームキャプテンの3年生・榎木璃旺(#13 / 169cm)だ。2クォーターでこの試合、最初の3ポイントシュートで口火を切ると、6本の長距離砲を含む22得点の大活躍。本人は、囲み取材で「誰よりも練習してきた自信があったので、ぶれずに最後まで打ち続けたので良かった」とも語り、チームを大きくけん引。終盤にはコート上の5人が3年生の時間帯もあり、97-71でファイナルブザーを迎えた。ウインターカップの2連覇は同校史上初の快挙である。

 片峯聡太コーチが、試合直後のオンコートインタビューで言葉に力をこめて「自慢の3年生」を中心にチームを称えた姿が印象的だった。

「気負わず失うものはない。ただ、大濠のバスケットの歴史を3年生たちが作るんだという気概を持って試合に臨んでくれたので、本当に3年生を中心によく頑張ってくれました。そして、やはり努力は裏切らない。ひたむきに真面目にバスケットに向き合い続けた3年生が最後に本当に日の目をあびることができた素晴らしいゲーム内容だったんじゃないかと思います。よく頑張ってくれたと思います」

 そして、大濠の新たな歴史を作った榎木は優勝会見で、試合を振り返った。

「2連覇のかかったウインターカップで大事なのは“3年生”だと片峯先生が言っていただいて、その中で練習に対する姿勢で、本当に厳しくゲキを入れてくださって、その出来事をきっかけに3年生が学年として一丸となれたのが一番大きかったと思っています。その中で、大会期間中は一試合一試合が厳しくて、どこで負けてもおかしくない試合が続く中で、ゲーム中や悪い時間帯が続く中でも、3年生中心に声掛けをして絶対に崩れないようにゲームキャプテンとして心がけていました。最後まで試合に出たメンバーが自分の役割と、やるべきことを遂行できたが日本一に繋がったと思っています」

 そんなチームのリーダーになった彼の言葉を聞くと、ちょうど1年前の冬、4度目の優勝を経験して「自分と勝又は、来年リーダーシップを出して、偉大な3年生の背中を見て、もっとチームを引っ張っていけるようなりたいと思います」と話していた姿も思い出された。湧川裕斗(現明治大学)や渡邉伶音(現アルティーリ千葉)らの背中を見て、彼ら3年生が大濠を支えて5度目の頂点に立ったことを思えば、良い背中を後輩たちに見せたことは間違いない。

 2年生の本田は、オンコートインタビューで「3連覇を目標」と公言し、囲み取材でも「チームを引っ張ってくれている先輩たちをこの1年間見てきたので、今度は自分たちの番。やっぱり人としても成長してプレーだけではなく、みんなを引っ張っていけるエースになりたい」と報道陣にも語っていた。

 能力の高い選手たちが集い、先輩たちの姿を見て、人としても成長する。福岡大学附属大濠高校バスケットボール部の確かな文化を感じた2025年のウインターカップだった。

【結果】SoftBank ウインターカップ勝ち上がり(大会公式ホームページ/外部リンク)

3年生がウインターカップ制覇の大きな力に…福岡大学附属大濠が連覇で5度目の優勝。大阪薫英女学院は初の頂点に輝き、3x3の日本一と2冠を飾る

TEXT by Hiroyuki Ohashi

PHOTO by Kasim Ericson

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