SWIFTACE YUKI──河村勇輝の“本質的なスピード”をアシックスが可視化したモデルが登場!

ASICS FLAGSHIP HARAJUKUで、河村勇輝のシグネチャーモデル 「SWIFTACE YUKI」 のローンチイベントが開催された。
登壇したのは、NBAアナリスト 佐々木クリス、ストリートボーラーとしても知られるモデルのUTA、TikTokerのChris、日本のバスケシーンを代表するインフルエンサーの面々と、アシックスの開発チームである 實方一朗氏(プロダクト)、松浦貴広氏(デザイン)。
河村勇輝が世界で見せる“スピード”をどうバスケットボールシューズで再現したのか。その核心が、原宿でじっくり語られた。

「速さ=一歩の速さではない」──河村勇輝の構造
SWIFT
「河村選手は“瞬間的に速い選手”ではない。判断、間合い、テンポ、フィジカル、フィニッシュまで含めた“多層的なスピード”を持っている。」
つまり、速さは単独の能力ではなく、複数のアクションが高速で連鎖している状態を指す。
これが、SWIFTACE YUKI の開発思想の出発点だった。
UTAも、河村選手の存在をこう表現する。
「背が小さくても世界で戦えるフィジカルを持っている選手。そのフィジカルを使った“速い”ではなく、“速さを操っている”感覚。」
ここで会場全体が、“スピードの意味そのものを捉え直す時間”になっていた。

攻め切りたい瞬間に、勝手に足が前に出る
続くセッションではChrisとUTAが実際に履いた感覚を語った。
彼らのレビューは非常に具体的で、SWIFTACE YUKI の性格を分かりやすく浮かび上がらせた。


一歩目が驚くほど出る
「つま先の反りが自然で、踏み込んだ瞬間に前へ出る。今までで一番“一歩目の加速”がわかりやすい」

切り返しで足首がぶれない
「外側のサポートが強いから、1on1で踏み切れる。攻め切れるバッシュ」
現行の数々のバッシュを履いてきたChrisも太鼓判を押す。
@muwe.c 河村勇輝のシグネチャー疑惑のシューズ?!それは一体なんだったのか?! #クリスのバスケ日記 #NBA #スポーツ解説 #河村勇輝 #アシックス ♬ オリジナル楽曲 – クリスのバスケ日記
さらにUTAはファーストカラーにも触れた。
「白×青の爽やかさが“雷”のコンセプトにハマっているし、普通に街でも履ける」
“性能 × デザイン”の両立。そのバランスの良さが、多くの来場者にも伝わっていた。

河村勇輝の“連鎖するスピード”を靴に落とし込むために必要だったもの
ここからは、開発ストーリーの核心部分。實方氏と松浦氏の言葉は、SWIFTACE YUKI の魅力をさらに深くしてくれる。


スピードは「一歩の速さ」ではなく「連続動作の密度」
實方氏は、開発初期にこう考えた。
「河村選手は加速・停止・方向転換・判断・再加速を“間断なく連続”させている。その連鎖を止めないシューズを作る必要があった」
アシックスのスポーツ工学研究所でのデータ解析により、河村選手の動きは“現代バスケにおける理想形のスピード”と定義された。

一歩目が速くなる構造──10mmヒールドロップの意味
靴の前傾姿勢を作る 10mmヒールドロップ。この数字には明確な意図がある。
實方氏はこう語る。
「自然に前へ体が倒れ込み、一歩目が出やすくなる。5mm → 10mm に増やすことで、身体の反応が変わる」
UTAがすぐに“違い”を体感したのは、この構造が理由だ。

河村勇輝の要望:「軽すぎる靴はいらない」
開発の転換点となったのは、河村選手自身の言葉。
「僕は軽さだけを求めていない。速く動くには、体を支える“強さ”が必要」
ここから外側の大きなクリアパーツが設計された。このパーツの役割は?
横ブレを抑え、倒れ込みを防ぎ、ストップの安定を向上し、再加速の反発を生みだす。
“軽い=速い”という常識を逆転させたのが河村勇輝だった

ファーストカラーの理由──“雷=速さ”と“光=未来”
SWIFTACE YUKI の最初のカラーが緑がかった青白い閃光であることには明確な意味がある。
松浦氏はこう語る。
「白は光、ターコイズは空気を切り裂く閃光。河村選手のスピードを“軌跡”として色で表現したかった」
また、コンセプトである “BLITZ(稲妻)” には二重の意味が込められている。
「稲妻はただ速いだけではなく、雨を呼び、実りをもたらす存在。河村選手の活躍が、次の世代を育てる存在であってほしい」
この話が加わることで、シューズの色に哲学が宿る。

──“日本のバスケの進化”を背負うシグネチャー
河村選手がこれまで培ってきたのプレー哲学、そして開発チームの科学的なアプローチ。
すべてが重なりあって生まれたのが、SWIFTACE YUKI である。
これは、河村勇輝のための靴であると同時に、これから世界へ挑んでいく次世代の誰かのためのバッシュでもある。
SWIFTACE YUKIは、日本のみならず、北米エリアやアジアでの展開が決まっている。共同開発ということで、シグネチャーラインではなく、あくまでもプレイヤーズエディションという位置付けだ。
ファーストカラーは12/10からアシックスオンラインストアで予約が開始する。同時に発表されたブルズカラーを彷彿とさせるブラック×レッドなどこれからの展開にも注目が集まる。
スピードを再定義し、日本のプレイヤー像をアップデートする。SWIFTACE YUKI は、その変化の先頭に立つ一足だと言えるだろう。

- SWIFTACE YUKI──河村勇輝の“本質的なスピード”をアシックスが可視化したモデルが登場!
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TEXT by Rintaro Akimoto




